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 集英社刊「週刊少年ジャンプ」に連載され、2012年から第1部〜第3部までをテレビアニメとして展開中の「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズ。この度、各部の主題歌を歌ったシンガーを迎えての公式アンソロジーイメージソングCDをシンガー毎に3枚連続発売。「1」(2015年4月22日発売)は富永TOMMY弘明、「2」(2015年5月13日発売)はCoda、そして「3」(2015年5月27日発売)は橋本仁をフィーチャーした作品となっています。

 3作共に全体の構成は同一。1曲目に各部のオープニングテーマの別アレンジバージョン、続く2〜4曲目には新曲として登場キャラクターをモチーフに描いたイメージソングを、5〜8曲目は1〜4曲目のオリジナルカラオケを収録の全8曲収録。CD盤面やブックレットのデザインも「連作」を意識した共通のレイアウトで統一されています。ただし、CD3枚で発売されていますが、キャラクターソングについては現在放映中の「第3部」に登場するキャラの曲が収録されており、第1・2部関連の楽曲は主人公以外はゼロ、なので、ジャケットイラストで引っかからないように(笑)ご注意ください。

 さて本ブログにおいて特筆すべき点は、何といっても楽曲・編曲提供陣。田中公平、大森俊之というアニメ方面の大御所の他、織田哲郎、林田健司、本間昭光、MITO、鈴木Daichi秀行など、日本のポップス界で名を馳せた錚々たる顔ぶれが並んでいるのは正直ビックリ。もっとも、あくまでキャラクターソングという前提での製作だったのか、キメで狙ったかのようなオーケストラヒットが鳴りまくる曲や、故意犯的に敢えて若干ダサ目に聴こえる(笑)アレンジの曲もあったり、最新のポップミュージックを…というより、作品世界やキャラに合わせた形跡も感じられましたが、「ジョジョ」をお題目にダンスビートから打ち込みロック、EDM、果ては熱いバラードまで、各自それぞれの持ち味で参加しているという意味ではCDタイトルの「anthology」(競作)に相応しい作品だと思います。

 多種多様の豪華楽曲提供陣に対して、作詞はほぼ全曲くまのきよみ(アニメ関連のキャラクターソングを多く手掛ける他、ボーカリストとしても活動しているそうです)が担当。こちらもかなりの実績を残している作家のようで、本作でも各キャラクターの特徴・性格・行動・発言等を上手くメロディーに乗せて作り上げている手腕はかなりのもの。真面目な曲以外でもダジャレや小ネタ(?)をしれっと曲中に盛り込むあたりは感服いたしました(笑)。

 個人的には「1」は「Fire of Soul」、「2」は「Crazy my Beat」、「3」は「NAKED SILVER」が一押し。各2,000円+税×3枚という値段は少々高めで、キャラソンも第3部に特化した内容になっているのでCD1枚の作品にしても良かったんじゃないか、とも思いつつ、ミニアルバム的な内容にも関わらず、3枚共発売と同時にレンタルが開始されたのでプラマイゼロ(?)。その第3部の放映もいよいよ佳境になってきましたが、いつの日か第4部以降もアニメ化されることを祈っております。