begin20th 2015年3月18日発売、BEGINのライブDVD。デビュー25周年を記念し、過去リリース作品のプライスダウンを含む、音楽・映像作品を9タイトル同時発売したうちの一作となっており、本作は2011年6月に4枚組ボックスで発売された「BEGIN 20周年記念 LIVE DVD BOX」のDISC1&2の内容、2010年3月21日に大阪城ホールで行われたアニバーサリーライブを2枚組DVD(1,852円+税)として再リリースした作品です。

 記念すべきデビュー日に開催された一夜限りのスペシャルライブを収録した本作は、活動20年×メンバー3人=60曲(実際は65曲演奏)を一公演で披露するという、トライアル的な内容。全曲フルサイズの演奏ということはもちろんなく、「かりゆしの夜」「恋しくて」「オジー自慢のオリオンビール」「涙そうそう」、そして「笑顔のまんま」に「島人ぬ宝」など、フルサイズで演奏した看板楽曲(12曲)以外はメドレーだったり、短縮バージョンだったり、MCでちょっと歌って1曲扱いにするという反則的な(苦笑)カウントもあったりしますが、全公演収録時間は実に3時間10分超という大ボリューム。長時間の公演にメリハリをつけるべく、当時閉店したばかりのバナナホールを模したサブステージでブルースメドレー、また彼らの故郷である石垣島にあるライブバーを模しての洋楽カバーメドレー、メインステージでもメンバー三人のみの演奏で隠れたオリジナル島唄にスポットを当てるオモトタケオメドレーなど、矢継ぎ早に様々な趣向が凝らされていて視覚的にも飽きさせないステージ構成になっています。

 個人的に白眉なのはDISC2。約45分間で19曲もの楽曲をショートサイズで演奏するブロックがあるのですが、そこで選ばれた「いっとうはやく」「いつものように」「東京Ocean」「I Shall Be Released」「海の唄」「灯り」「僕らのこの素晴らしき世界」等々の、通常のライブではあまり披露されない(と思われる)曲が次々と飛び出すあたりは感激モノ。良くも悪くもマニアックな曲が多くセレクトされているので、観に来たライトなファンの反応はどうだったのか若干気にはなりますが(笑)、アニバーサリーライブならではの彼らのサービス精神を垣間見た思いでした。また、このブロックに限らず、BEGINのライブはサポートメンバーも含めて皆楽しそうに演奏していて、観ているこっちも何だか楽しくなってしまうんですよね。CDを聴いただけでは分からない、彼らの良さを改めて感じたライブ作品でした。

 活動歴の長さの割に、ライブDVDは数えるほどしかリリースしていない彼ら。「ちょっとBEGINのライブを観てみたい」という方には9タイトル同時発売の中のひとつ、日本武道館での15周年記念ライブのDVD(1,389円+税)をお薦めしますが、「より一層BEGINのライブが知りたい」という方にはこちらをお薦めいたします。