LINDBERGTRIBUTE 2014年7月23日発売、同年に二度目の再結成を宣言し、継続的に活動をしていくことを発表したリンドバーグの楽曲を各アーティスト達がカバーした初のトリビュートアルバム。全13曲収録。初回限定盤には代表曲の既発ライブ映像を7曲収録したDVDが付属の2枚組。

 本作の制作にあたって集結したアーティストをざっと紹介しますと、矢野顕子のような大ベテラン、リンドバーグと同時期にヒットシーンを賑わせた森高千里や元PRINCESS PRINCESSの岸谷香といった同世代、彼らの活動晩期の活躍組である花*花、ガガガSP、幼少期に聴いていたという近藤夏子、さらに現役時の記憶がほとんどないであろう90年初頭生まれのLIFriends、さらに下の世代であるRicoなど、実に幅の広い年齢層のメンバーが集結しています。

 そんな各アーティスト達のリンドバーグへの「愛情」が感じられるのは、歌詞やメロディーを尊重した上で、自分達の持ち味で再構築している点。原曲をベーシックにしつつも男声ボーカルが新鮮な10-FEETの「LITTLE WING」、ベスト盤にも収録されていないコアな曲を引っ張り出してきたN'夙川BOYSの「DESTINATION」、自分達の世界観に原曲を引き寄せたガガガSPの「大キライ!」、そして飛び道具ここに極まる的な(笑)バンドじゃないもん!の「もっと愛しあいましょ」等々、とにかく個性がバラバラ、でも何だか聴いていて楽しいナンバーが並びます。そんな中、個人的にベストだと思ったのは近藤夏子の「GAMBAらなくちゃね」。原曲のビートロックから、テンポを落としたアコースティックセッション的なアレンジにガラリと変わっているのですが、これが意外と歌詞の世界とハマって好印象でした。

 元々リンドバーグは中高生を中心に支持を得ていたバンドだったこともあり、その支持層が大人になると卒業していく…というパターンで人気が頭打ちになってしまった、と筆者は思っているのですが、上記のように若いアーティスト達がリアルタイムで聴いて育ち、時を経てトリビュートアルバムに参加するというのは何だか感慨深いものがあります。さて、時代は2015年。再結成宣言から一年、ライブなどは行っているものの、新たな楽曲はまだリリースされていないリンドバーグ、彼らの今後の活動は如何に?!