
本作の制作にあたって集結したアーティストをざっと紹介しますと、矢野顕子のような大ベテラン、リンドバーグと同時期にヒットシーンを賑わせた森高千里や元PRINCESS PRINCESSの岸谷香といった同世代、彼らの活動晩期の活躍組である花*花、ガガガSP、幼少期に聴いていたという近藤夏子、さらに現役時の記憶がほとんどないであろう90年初頭生まれのLIFriends、さらに下の世代であるRicoなど、実に幅の広い年齢層のメンバーが集結しています。
そんな各アーティスト達のリンドバーグへの「愛情」が感じられるのは、歌詞やメロディーを尊重した上で、自分達の持ち味で再構築している点。原曲をベーシックにしつつも男声ボーカルが新鮮な10-FEETの「LITTLE WING」、ベスト盤にも収録されていないコアな曲を引っ張り出してきたN'夙川BOYSの「DESTINATION」、自分達の世界観に原曲を引き寄せたガガガSPの「大キライ!」、そして飛び道具ここに極まる的な(笑)バンドじゃないもん!の「もっと愛しあいましょ」等々、とにかく個性がバラバラ、でも何だか聴いていて楽しいナンバーが並びます。そんな中、個人的にベストだと思ったのは近藤夏子の「GAMBAらなくちゃね」。原曲のビートロックから、テンポを落としたアコースティックセッション的なアレンジにガラリと変わっているのですが、これが意外と歌詞の世界とハマって好印象でした。
元々リンドバーグは中高生を中心に支持を得ていたバンドだったこともあり、その支持層が大人になると卒業していく…というパターンで人気が頭打ちになってしまった、と筆者は思っているのですが、上記のように若いアーティスト達がリアルタイムで聴いて育ち、時を経てトリビュートアルバムに参加するというのは何だか感慨深いものがあります。さて、時代は2015年。再結成宣言から一年、ライブなどは行っているものの、新たな楽曲はまだリリースされていないリンドバーグ、彼らの今後の活動は如何に?!
コメント
コメント一覧
元々LINDBERGもJ-POP系バンドなだけに、面子も実力派が多い点も驚きでした。
しかしその分、どの曲も原曲の良さを残しつつ、
各アーティストの個性も際立った、本当にLINDBERGが好きであることが分かる
ファンとしても非常に嬉しいトリビュートアルバムだったと思います。
最近、トリビュートも海外アーティストの寄せ集めだったり、
レーベルメイト同士だったりとただの企画的内容になっているものが多いだけに、
他のレコード会社も見習って欲しい所です。
LINDBERGもそろそろ新曲が聴きたい所ですよね。ただ、バンドより、最近渡瀬マキさんがソロおよびタレントとしての活動が多いのは、正直「う〜ん」な感じなのですが・・・。
リンドバーグはあれだけのヒット曲を持ちながらフォロワーが全然いない・・・と感じていたのですが、彼らのコアなファンだったアーティストが集結した本作は、各曲リンドバーグへの愛情が溢れていて嬉しくなりました。
渡瀬マキはバラエティで見かけるようになりましたよね・・・。本業のバンドで音楽番組にも出て欲しいものです。とりあえず新曲待ちですかね・・・。