hirosewinter 2014年12月3日発売、通算6枚目となる広瀬香美のベストアルバム。過去のヒット曲の他、配信限定リリースだった「Friday Call Me」のCD初音源化、新曲「Snow Fall」「運命のクリスマス」を含む全15曲収録。なお、新曲がクリスマスソングだからか、アルバムでは珍しく、発売日と同時にレンタルも開始されています。

 「ロマンスの神様」、「ゲレンデがとけるほど恋したい」、「promise」、「ストロボ」など、彼女の代表曲のセレクト+数曲の新規音源で構成されたベストアルバムは既に2007年の「Alpen Best」、2009年「タイアップコレクション」が存在していますが、本作もその流れであり、「ハイトーン・ハイスピード・ハイテンションな楽曲を集めた冬のパーティーベストアルバム」というコンセプトに沿ってバラード曲はラストの新曲1曲(ボーナストラック扱い)という差異はあるものの、選曲には正直新鮮味はまったくなし。強いて挙げれば真新しさは森口博子に提供した「LUCKY GIRL〜信じる者は救われる〜」のセルフカバーがベスト盤初収録というぐらいで、アップテンポベストならヒット曲に拘らずにアルバムからも選べばいいのに、それが駄目でも今までも時系列のベストばかりなのでせめて曲順を捻ってくれれば、と思ってしまいました。セールス全盛期の楽曲多数ということで、さすがに佳曲が並んではいるのですが…。

 新曲「Snow Fall」は今シーズンのAlpenのCMソングということもあり、疾走感のあるメロディアスなデジタルナンバー。「運命のクリスマス」はNHK-BSの深夜ドラマの主題歌としてオンエア中。「Search-Light」系(?)の歌い上げバラードで、どちらもリスナーの期待を裏切らない楽曲。これに「Friday Call Me」を加えてシングルでリリースすれば良かったのに、と思わずにはいられません。
 前述二作のベストや2011年までの全シングル収録の「SINGLE COLLECTION」もリリース済ということを考えると、存在意義が微妙な作品であり、新曲発表の場が通常アルバム価格のベスト盤の中…というのが何とも残念なのですが、コンセプトもあり、ラスト1曲までは常にビート感のあるナンバーが連発されるので、ドライブ等のお供には最適ではあるかも。