curiovivid 2014年10月29日発売、本格的な再結成を宣言したCURIOの復活後初の音源リリースとなるミニアルバム。スタジオ録音の新曲3曲+過去楽曲の最新ライブ音源が2曲の全5曲収録。初回限定盤にはライブ映像を収録したDVDが付属。

 1997年にメジャーデビュー、「粉雪」「君に触れるだけで」のヒット、ボーカルNOBの逮捕による活動休止、ギターのAJAが脱退しての活動再開を経て2003年に解散と、激動の歴史を辿ったCURIOが再結成。今回集まったのはオリジナルメンバー四人のうち、NOB、AJ(AJAから改名)、ドラムのBRITAINの三人でベースのKASSAIは不参加(現在はグラフィックデザイナーとして活動しているそうです)。AJはCURIOを離れていた時期もあるので、この三人が集まるのは実に13年ぶりでしょうか。なお本作に関するインタビューはこちら。

 そんなわけで久々に届けられた新曲3曲は、作詞作曲がAJの手によるもの。基本的にCURIOの作詞はほぼNOBが手掛けていたのでこの点は驚きでしたが、彼が在籍していた時期のCURIOのポップなパブリックイメージを損なうことなく、またメインコンポーザーとして多くの楽曲を産み出してきた手腕は健在。どの曲も良い意味で「CURIOらしい」出来。中でもサビの「微笑み返しで乱れてる♪」のメロディーが耳を惹きつける「ロマンス」が頭ひとつ抜けてキャッチーでしょうか。ストレートなポップロックの「BABY BEAT IT!」、曲調は異なりますがメロディアスなサビが往年の名曲「祈り」を想起させる「DAY DREAM」も好印象でした。
 ライブ音源の2曲は今年9月のワンマンライブ(後述)からデビュー曲「ひまわり」と、3rdアルバムから「GOOD MORNING BLUES」。どちらも原曲に沿ったアレンジで、NOBのボーカルもあの頃のまま。ボーカリストの喉は加齢などで個人差はあっても変化していくものだと思うのですが、彼の声は未だに若々しさを感じさせ、過去の楽曲との明らかな乖離も見られず爽やか。この音源を聴きながら筆者もこれらの楽曲の発表当時(90年代末)の記憶が脳裏をよぎってしまいました(笑)。

 初回限定盤のDVDは、復活後初のワンマンライブとして開催された、今年の9月20日、下北沢GARDENでの模様から「BABY BEAT IT!」、「ひまわり」の2曲を収録(「ひまわり」はCDに収録されているテイクと同じ)。三人+ベースとキーボードのサポートメンバーを加えての五人編成で、ステージは結構ぎゅうぎゅうでしたが、カメラワークは商品化に際してきっちり編集されており見映えは十分。「BABY〜」はコーラスが同期のようですが、基本的にはもちろん生演奏。彼らのライブ演奏を観るのは初めてでしたが、SAXが吹けるボーカルって絵になっていいなぁ、と改めて思いました(笑)。機会があればライブに一度足を運んでみたいものです。

 「新たなる序章」とCDの帯に銘打たれた復活CURIOのキャッチコピー。ここで終わることなく次は是非オリジナルアルバムを期待。インディーズからのリリースなので入手に若干手間がかかるかもしれませんが、特にかつて彼らの音楽を聴いていた世代に健在ぶりが届くことを願います。