xjapanbest 2014年6月17日発売、発売元のワーナーのHP等で「初の全世界ベスト」と冠されたX JAPANのベストアルバム。Disc1には歴代の代表曲をセレクト+αの全11曲、Disc2には1993年にリリースされた30分近い組曲「ART OF LIFE」を収録のCD2枚組。更に初回限定盤には「ワールドツアーライブ映像によるWorld Tour Trailer」を収録したDVDが付属。

 オリジナルアルバムよりもベスト関連の点数のほうが多いX JAPANですが、2007年の再結成後初のCDアイテムはまたまたベスト…(苦笑)。それでもこれ以前のベスト盤は2001年の「X JAPAN BEST 〜FAN'S SELECTION〜」以来13年振り。とは言っても発表したオリジナル楽曲の絶対数が少ないということもあり、今回もまた看板楽曲が中心のセレクションという結果に。他のベストと異なる点を挙げるとすれば、最大ヒットの「Tears」や、「Say Anything」「CRUCIFY MY LOVE」を未収録にしバラードの配分を減らした点、そしてライブ音源とはいえ新曲「Without You」を収録している辺りでまあ何とか差別化は図れているかな?と思います。

 そんなわけで久々に通して聴く彼らのアルバム。オリジナルアルバムは一通り聴いてはいますがコアなファンとは言い難い筆者の言うことなのですが、やはり素直に良い曲が揃っているな、と感じられました。「Silent Jealousy」「Rusty Nail」「DAHLIA」のようなハイスピードナンバーも、「ENDLESS RAIN」や「Forever Love」といったバラードも様式美の極みといったきらいはあるものの、それでこそX!とでも言いましょうか(笑)。また、音源のほうは最新リマスタリングにて収録ということで、さすがに音質は良好。といっても筆者手持ちの1993年発売の「X SINGLES」(最近リマスター盤が発売されたそうです)が比較対象なので当然といえば当然なのですが(笑)、本作では各楽器の分離も良くなり、音圧も上げすぎずに適度なレベルで調整されていて好印象でした。

 先述の「FAN'S SELECTION」が入手困難になってしまっている今、ライト層が入り口として手にするオールタイムベストとしては現時点で最適な1枚。それでもやはりコアなファンには「再結成してからもう7年、いい加減新作オリジナルアルバムを…!」というのが切実な願いだと思いますし、筆者もそういう経験をTM NETWORKで散々味わってきたので(苦笑)、そろそろ善処をお願いしたいところですね^^;。