PIKAPIKA 2014年7月9日発売、きゃりーぱみゅぱみゅの3作目のオリジナルアルバム。シングル「もったいないとらんど」「ゆめのはじまりんりん -album mix-」「ファミリーパーティー -album mix-」、限定生産シングル「きらきらキラー」を含む全12曲収録。初回限定盤は二種類あり、それぞれ映像内容の違うDVDが付属しているとのこと。

 基本的な路線、構成は過去二枚のオリジナルアルバムと同様。1曲目がインストで、2曲目からいつものきゃりー節(?)が間断なく配置され、ラストで大団円っぽい歌詞の曲を持ってくる…という、まあこれは予想通りと言いますか。ブッ飛び気味の曲も特に見当たらず、本作はかなり盤石に来たな〜、という印象です。サウンドの方は中田ヤスタカらしいテクノポップですが、音遣いとしては可愛らしく、あまりバキバキした曲もなく、テクノ色はやや薄めなので、同じような曲調の曲が並んでいますが、コンポのスピーカーから聴く分には聴き疲れのしない音のバランスかな、という気がしました。

 …そして、彼女の曲のレビューを書く時に毎回言及している(笑)歌詞なのですが、今回は「ゆめのはじまりんりん」や「すんごいオーラ」のような、比較的(あくまで、彼女の作品の基準で、という意味ですが)情景を切り取ったような曲も数曲登場しており、歌詞の面に関しては少し変化が訪れはじめたかな、と。前作同様、1曲CAPSULEのカバーも収録されている(「do do pi do」)のですが、浮きまくりだった前作の「Super Scooter Happy」と異なり、アルバムの中の1曲として馴染んでいる辺りは、他の作品の歌詞とのバランスが取れはじめてきたのかも、と思います。一方で、いかにもやっつけっぽい「こいこいこい」のような歌詞の曲もあるわけですが(笑)こういう電波っぽい曲は二十歳を過ぎた彼女にはちょっと歌わせるのも辛くなってきているような気もします…^^;。

 前作、前々作と比べると、何だコレ?というインパクトは薄め。今回は攻めより足元を固めにいったという姿勢での作品かな、と思います。ただ、先述の通り歌詞にやや変化が見られてきたので、次作以降彼女(と中田ヤスタカ)がどのような攻勢をかけてくるかが楽しみ半分・不安半分(笑)でもあるアルバムでした。