
1クール(3ヶ月)ごとに主題歌が変わった本作、ということで、2年間のオンエアでオープニングもエンディングも8曲ずつ。起用されたのはソニー系列のアーティスト達で、ユニコーンや真心ブラザーズのような大御所、スキマスイッチ、アンジェラ・アキ、秦基博などの実績のある中堅、カサリンチュやSerenaなど2010年代前後にメジャーデビューのニューカマーまで、実にバラエティ豊かな16組。曲のほうは作品世界を直接的に描いたものもあり、間接的なイメージで作られたものもあり、まったく作品内容と関係なさそうな曲もあり(苦笑)…なのですが、どれも親しみの沸く曲達であり、アニメや原作漫画を知らなくても、ソニーのアーティストカタログになりそうなCDだと思います。ただ、しょっちゅう主題歌は変遷していったので、どの曲が「宇宙兄弟といえばこれ!」かと言われるとちょっと考えてしまうのですが、ここは第1期の「Fell So Moon」(ユニコーン)と「素晴らしき世界」(Rake)の2曲を推しておくとしましょう。
また、ボーナストラック「早口カレー」はユニコーンの作品で、既に彼らのオリジナルアルバムにも収録されているそうです。タイトルの奇抜さとは裏腹に牧歌的な楽曲で、映画のほうでどう使われるのかが楽しみです。
DVDのノンクレジットのオープニング、エンディング映像は上記の16曲をTVサイズで収録の約25分。意外とテロップに気を取られて、オンエア時に見られなかった細かい映像部分もしっかりと見えます。初期は(特にオープニング)コミカルな路線なのですが、話が進むに従って新キャラが登場したり、真剣な表情の描写も増えていったり…中には南波兄弟のプロモーションビデオみたいな映像もあります(笑)。そんな中で印象深いのは物語がハードな方向に向かっていった中で一服の清涼剤的だった「グッバイ・アイザック」(秦基博)、同じくシリアスな時期に流れた「HALO」(tacica)の2曲といったところ。
厚めの三方背ボックスケースに、中のプラケースにも描き下ろしのジャケットイラスト、歌詞の他にも各アーティストの細かい紹介文、アニメスタッフのクレジットなども事細かく記載されたブックレット、おまけのキャラクターステッカーなど、ファンサービス満載の仕様になっているので、「宇宙兄弟」ファン必聴の作品。来年1月末までの半年間の期間限定生産とのことなので、ファンの方はお買い逃しなく。
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