disneyrocks 2014年4月23日発売、ディズニーとミュージシャンのコラボレーションシリーズ「Disney Rocks」シリーズの第4弾。ミュージシャン各々によるオムニバス形式だった前三作と異なり、本作は→Pia-no-jaC←がすべての曲の演奏を担当した全8曲を収録。三方背ボックス付のヴィレッジヴァンガード限定盤と、一般に流通している通常盤(こちらは5月21日発売)が発売されていますが、収録内容は同一のものです。

 ディズニーの著名な楽曲をセレクトした本作(現在大ヒット中のあの曲は未収録ですが・笑)、どれもどこかで聴いたことのある曲ばかりを→Pia-no-jaC←の手によってリアレンジ。元々「EAT A CLASSIC」シリーズの実績もある彼ら、さあどんなアレンジで驚かせてくれるのか?と思いきや、「EAT A〜」シリーズで見られるような挑戦的なアレンジは5曲を半ば無理やりメドレーにして1曲に繋げた「チムチムチェリー〜」ぐらいで、破天荒さよりも原曲の雰囲気、メロディーラインを守ったような曲が多く、堅実な印象。これはディズニーファンに配慮してのことかもしれません。
 なお、全8曲中2曲は既存の「Disney Rocks」シリーズからの再収録で新録音は6曲であり、ピアノ+カホンが縦横無尽に暴れる彼ららしい持ち味が生かされている曲もある一方、ピアノだけのインタールード風「いつか王子様が」、ハイテンポナンバー「彼こそが海賊」はどちらも約1分という短さで、もっと聴いていたいところで終わってしまう(特に後者)のはややマイナスポイントといったところ。

 近作ではオリジナル楽曲も増え、コンセプトの斬新さはさすがに薄れてきており、前作「Re:EARTH」あたりでは良いアルバムなんだけど間口がだんだん狭くなってきたな…と思い始めてきていたのですが、ディズニーの曲ということで興味を持ったリスナーが彼らのサウンドに初めて触れてみるきっかけという点では本作はまさに教科書的な役割を果たせそう。トータル30分と手軽に聴けるので、彼らに興味があるけどベスト盤はボリュームありすぎるし…という方はこのアルバムから是非どうぞ。