YAMAZAKIFLOWER 2013年9月18日発売、山崎まさよしの通算10枚目を数えるオリジナルアルバム。シングル「太陽の約束」「アフロディーテ」「星空ギター」「アルタイルの涙」を含む全13曲収録。初回限定盤は高音質SHM-CD仕様+上記4曲のシングル曲のPVが収録されたDVDが付属。

 前作「HOBO's MUSIC」発売後約3年振りのオリジナルアルバムということで久々な感はあるものの、基本的な路線としては「はじまりのDing Dong」のようなアコギを軸とした曲あり、お馴染みのライブメンバーとのセッション的な「Higher Round」「Flowers」等のバンドナンバーあり、美しいピアノ+ストリングスのバラード「道」もありと、ここ数年のシングルの傾向を反映させた、ブルース色に捉われないバラエティ豊かな曲が並んでいます。
 アルバム3曲目という重要な位置にカバー曲「Redemption Song」(原曲:ボブ・マーリー)が収録されているのには意表を突かれましたが、全体を通しての山崎節(?)は予想通り。新鮮さはありませんが、さすがベテランらしく各曲で耳に残るメロディーを聴かせてくれます。

 さて、歌詞の面ですが、本作ではデビュー初期〜2000年ぐらいまでに彼がよく歌っていた、身近なテーマを分かりやすく噛み砕いた曲は影を潜め、抽象的でパッと聴き情景が浮かばない、歌詞をしっかり読んで解釈を聴き手に委ねるような曲がほとんど。まあある意味「#9 story」などはテーマ的には今の世情にドンピシャのような気もしますが、歌詞カードを眺めていると、全体的に歌詞というよりも「ポエム」を読んでいるような錯覚も。作風的には詩人としての傾向が強まってきたかな、という印象を受けました。

 コアな山崎ファンには変わらない満足感を与えてくれるアルバムである一方、本作より数ヶ月前にリリースされた入門者ベスト「The Road to YAMAZAKI〜the BEST for beginners〜」を聴いた直後にこのアルバムを手に取ったライトリスナーにはちょっと敷居が高いかな?という気も。さしずめ本作は「The Road to YAMAZAKI〜for expart〜」といったところでしょうか(笑)。安定の一作であることは確かです。