fkora 2014年3月26日発売、マクロスシリーズ放送開始30周年を記念したコラボ企画作品(正確には30周年は2012年10月からの一年間だと思うのですが…)。歴代のマクロスシリーズの楽曲を最新作「マクロスF」(以下「F」)のキャラクターを演じる声優達がメインでカバーを務めるデュエット集。ボーナストラックを含む全10曲収録。

 収録曲は、「F」のドラマCDに収録されていた各カバー曲の再録(一部ボーカル変更有)も含まれていますが、半分以上が新録作品の模様。歴代楽曲には新たにアレンジャーを迎えており、原曲からかなり印象の変わった曲もチラホラ入っています。ボーカルの面々に関しては、「REMEMBER 16」ではオリジナルを歌唱した「マクロス7」の福山芳樹が、「アイモ〜鳥のひと」では「マクロス ゼロ」に出演の南里侑香がそれぞれ参加していますが、本編の他の楽曲は「マクロスFのキャラクター同士の組み合わせ」のデュエットに終始しているので、作品(時空?)を超えたコラボ、というよりも「F」のオールスターによるお祭りボーカルアルバムといった要素が濃く、あくまで「F」ファンターゲットのアルバムであり、もうちょっと本格的に他作品とのコラボを増やして欲しかったかな、とは思います。

 とはいえ、各曲それぞれに様々なデュエットで、劇中では絶対になさそうな(笑)組み合わせもあり、特に原曲のアイドルポップスから勇ましく変貌を遂げた「小白竜」、ハモリも含めて一番デュエットらしい「突撃ラブハート」などは気に入りました。正統派から色物系まで選曲の幅は広いですが、本作では飛び道具的な「0-G Love」などは狂気スレスレのデュエットに耳が奪われそうですが(苦笑)、バックトラックも本格的に作ってあるところは好印象です。

 なお、ボーナストラックは豊口めぐみの驚異の一人二役デュエット(厳密には違うのですが)「ライオン」、そして1997年リリースの飯島真理と桜井智のコラボシングル「Friends〜時空を越えて〜」の2曲を収録。「F」中心の作品ながら、最後の最後で「F」と関わりのないキャラのデュエットで締めてはいますが、コラボレーション・ベストアルバムとしては値段も2,000円ちょいと比較的安価ですし、なかなかに楽しめたアルバムでした。