去る2014年5月21日、TM NETWORKがかつてTMNと名乗って活動していた(1990年〜1994年)時期にリリースされた2枚のオリジナルアルバム「RHYTHM RED」「EXPO」が、2014年New Remaster+Blu-spec CD2仕様でSONY MUSICから再発売されました。オリジナルアルバムのリマスターに関しては、他のTM NETWORK時代のアルバムに比べるとやけに冷遇されてきた感がありますが、ようやく単品で永続発売となりファンとしては嬉しいところ。今回の「Artist Archive」では、TM30周年の波にも乗って(笑)TMN時代の全アルバムを1枚ずつレビューいたします。Blu-spec CD2リマスター盤発売&デビュー30周年記念
TMN全アルバム(1990〜1994)レビュー
RHYTHM RED

1990年10月25日発売、同年夏にリニューアル宣言を行い、TM NETWORKからTMNへとユニット名を改名しての第1弾(通算7作目)オリジナルアルバム。全11曲収録。初回限定盤は白い紙箱の中にCDケース、歌詞カード、ミニポスターを封入したボックス仕様。
「シークレット・リズム」「終末への逃走」「ピュア・デカダンス」というキーワードと共に届けられた本作は、全編生音メインのハードロックサウンドで統一。先行シングル「TIME TO COUNT DOWN」に代表されるような、エレキギターや高速ドラムでスピード感を前面に押し出した演奏や、男性陣のみのコーラスがアルバム全体の野性的な雰囲気に一役買っている。既発のシングル「THE POINT OF LOVERS' NIGHT」はシンセ色を弱め、リズムパターンまで変更して本作に合うように再録音された。
木根尚登が初めてリードボーカルを務めた「LOOKING AT YOU」や、小室哲哉の怒涛のシンセプレイが堪能できるインスト「SECRET RHYTHM」、そして「69/99」「RHYTHM RED BEAT BLACK」「WORLD'S END」の作詞を手掛ける坂元裕二(脚本家)の登場により、従来よりも対象年齢を上げたような内容の歌詞が増えるなど、新機軸への積極的な挑戦も窺える。
前年までのダンス、ユーロビート路線や、デビュー以来のSFファンタジー的なコンセプトと対極にある作品がリリースされたことで、当時はファンからの賛否が渦巻いていた。また、後にも先にもこの作風での音楽活動はこの時期のみということで、TM30年の活動の中では異質なアルバムとも呼べると思う。個人的には本作が初めて発売日に買った彼らのオリジナルアルバムということで、他にも好きなアルバムはあるが、思い入れという点ではこのアルバムが随一。
EXPO

1991年9月5日発売、「月とピアノ」をコンセプトワードに制作された通算8作目のオリジナルアルバム。全12曲収録。初回限定盤は歌詞カードが貼り付いたデジパックのCDトレイを三方背ケースに収めた「CAROL」と同じ体裁の仕様。
前作のハードロック色は払拭され、「Just Like Paradise」(ハウス)、「Jean Was Lonely」(ラテン)、「月の河/I Hate Folk」(フォーク/メタル)、「あの夏を忘れない」(ポップス)、「大地の物語」(バラード)、「Tomorrow Made New」(ロック)等々、アルバムタイトルの如く「音の博覧会」の様相を呈した1枚。
木根が「月はピアノに誘われて」、小室が「Think Of Earth」でボーカルを担当しており、メンバー全員がリードボーカルを務めているアルバムは2014年現在、本作のみ。一番の異色作は7分を超えるインストをBGMに、宇都宮隆と恋人(?)との密会を描いた「Crazy For You」。歌詞は無く、すべて宇都宮と恋人役のセリフ回し(作:坂元裕二)で構成されており、ファンの度胆を抜いた(笑)。
以上のように各楽曲がバラエティに富んでいるのだが、音作りとしては全体にハウスサウンドを意識したミックスでまとめられているため、それほど散漫な印象は受けずに聴ける。最大ヒットの「Love Train」が収録されているアルバムだが、この曲のようなキャッチーな曲はほとんどないので注意。結果的に1994年までのTMの活動の中での最後のオリジナルアルバムになってしまったので、振り返ってみると「これまでのTMの集大成」という印象の作品である。
TMN COLOSSEUM I/II
1992年8月21日二枚同時発売、過去の各ライブツアーからの音源を繋ぎ合わせた架空のライブ、というコンセプトで制作されたライブアルバム。帯には「時間を超え、今再び'92年に再現されるTMN伝説。」という大仰なキャッチコピーが掲載されていた。
「I」は未商品化だった「CAROL TOUR」のミュージカルパートを(音だけだが)完全収録した「Carol Suite」がメイン。「II」はヒット曲を中心に「Be Together」「Kiss You」などライブの定番曲で構成されており、2枚それぞれに性格が異なる。大胆にアレンジされた「Crazy For You」や「Don't Let Me Cry」が特に聴きどころだが、既に映像化されている音源からの再利用も多く、ライブビデオまで持っているコアなファンにはあまり面白くない作品かも。
「EXPO」ツアー終了後、何の動きもなくなってしまったTMNの(一応の)ニューアルバムということで個人的には嬉しかった記憶がある。が、その後も本当の意味での新作はなかなかリリースされないのであった…(苦笑)。
TMN CLASSIX 1/2
1993年8月21日二枚同時発売、小室哲哉自身が選曲・リミックスを手掛けたベストアルバム。初回限定盤は表面の中央部分を円形にくり抜かれた三方背ボックス仕様。「COLOSSEUM」と異なり、2枚共に明確なコンセプトの違いはない。
リミックスの手法は様々で、かつて海外のプロデューサーに依頼した「DRESS」でのリプロダクション的な手法の「Ano Natsu o Wasurenai」「Human System」、原曲の音の編成を一部変更した「Rhythm Red Beat Black」「Just Like Paradise」「Love Train」、オリジナル音源の上にオーバーダビングを試みた「Get Wild」「Come On Everybody」、原曲を素材にまったく別の曲に変えてしまった「U.K.Passenger」「Time Passed Me By(moonlight mix)」など、リミックスの完成度としては玉石混交ではあるものの、小室のTMN再始動に向けての意欲が感じられる作品。一方で、バラード曲などは原曲をそのまま再収録していたり(特に「2」)と、収録曲の水増しをしているような印象も受けた。どうせなら1枚ものの完全リミックスアルバムでリリースしてくれたほうが完成度も上がったと思うのだが。
なお、発売当時のキャッチコピーは「TMNへのウォーミング・アップ?」であった。「?」が付いているところがまた何ともヤキモキさせられたものであるが(苦笑)、翌月には完全新作のシングル「一途な恋」も発売と、デビュー10周年に向けて本格的に再始動開始!のはずだったのだが…。
TMN GROOVE GEAR

1994年5月26日発売、TMN「終了」宣言を受けての完全生産限定ボックスセット。縦長の紙製ボックスの中にCD3枚、VHS1本、36ページのカラーブックレット、メタルキーホルダー、Tシャツが同梱。定価は10,000円。
CDには年代を追っての代表曲を少々に、未発表ライブ音源(17曲)、小室や木根が仮歌を歌っているプリプロ段階と思われるデモ(5曲)に、「一途な恋」の未発表リミックスを収録するなど、高額ボックスならではのコアファン向けのマニアックな内容。VHSは1992年4月の「EXPO」ツアーのアリーナ公演を2時間にわたって収録した初商品化ライブビデオ「EXPO ARENA FINAL」。
5万セット限定生産ということで即完売し、発売以降の数年間は定価の3倍以上で取引されるほどのレアアイテムであったが、CD3枚は20周年時(2004年)の限定生産ボックス「WORLD HERITAGE DOUBLE-DECADE COMPLETE BOX」にリマスター盤が収録され、VHSは2005年にDVD化されているので、現在では某ブッ〇オフなどで廉価で並んでいるのを結構見かける。前述のとおり内容はかなりマニアックなので、よほどのコアファンでなければ入手する必要はない。なお、筆者は同梱のTシャツを勿体なくて着られず、未開封のまま現在に至る(苦笑)。
TMN BLACK/TMN RED/TMN BLUE



1994年6月22日三枚同時発売、TMN「終了」プロジェクトの一環としてリリースされたベストアルバム。シングルセレクションの「BLACK」、ダンスセレクションの「RED」、バラードセレクションの「BLUE」と、明確なテーマで選曲されている。
各作品の詳細はこちらを参照していただくとして、この後もレコード会社主導のベストアルバムが濫発されるTMだが、振り返ってみると音楽ジャンルのテーマ別に分けられたベストアルバムは後にも先にもこのシリーズのみ。発売当時は「他にももっと選ばれるべき曲があるのに…」と思っていたのだが(苦笑)、TMの音楽性を知りたいのならば、以降のシングル集的なベストよりも、入門を兼ねてこれらをまずチェックしたほうが良いと思う。
TMN final live LAST GROOVE 5.18/5.19

1994年8月11日二枚同時発売、同年5月18、19日に東京ドームで開催された「TMN 4001 DAYS GROOVE」の演奏曲目から各日それぞれ10曲ずつをセレクトしたライブアルバム。初回生産分にはスタッフパス風のステッカーが封入されていた(両日色が異なる)。曲目は抜粋されているが、曲間の歓声などは繋がるように編集されている。
ベスト的なライブから更に絞って選曲されたことで、ベストオブベストなライブアルバムになっているが、遡ること10日前の8月1日に、セットリストを完全収録したVHSが二作同時発売されており、公演の抜粋である本作の意義は、1本あたり7,000円近かったVHSを買えないファンへの配慮と、スタジオ録音版の存在しない初期の楽曲「Timemachine」のライブ音源のCD化といったところだろうか。「終了」ライブの雰囲気を手軽に味わえる作品ではあるが、現在ではVHS版は廉価でDVD化もされており、せっかくならば聴くだけよりも映像を見ながらのほうをお薦め。
以上、TMN時代にリリースされた全アルバムのレビューでした。
約4年間の活動期間の中で、それなりの点数のリリースはありましたが、オリジナルアルバムは前半2年間の2枚のみで、後半2年間に発売されたのはほとんどが過去音源からの寄せ集めの作品ばかりで、80年代の彼らの濃密な活動と比べるとどうしても見劣りしてしまうのも事実で、最初に書いた通り、この時期はTM30年の歴史の中でも冷遇されている気がするのもこの辺りに原因があるような気もします。筆者としては一番TMに夢中になっていた年代だったので、この扱いは正直不満に思っています(苦笑)。
さて、リマスターされた「RHYTHM RED」と「EXPO」、早速発売日に入手して聴いてみました。元々、音質に関しては80年代のアルバムよりもオリジナルの時点でクオリティが高かったと思いますが、原盤で潰れていた低音がちゃんと聴こえたり、軽くなってしまっていた高音に厚みが加わったり、全体的に音像に立体感が増したりと、より良くなった印象を受けました。また、歌詞ブックレットも各原盤の通常盤のコピーという、作品の世界観を壊さない作りになっています。欲を言えば、昨年のリマスター盤もですが、リマスタリングエンジニアの名前も追加して欲しかったところですね。
さて、今回のレビューをもって、インスト集を除くSONY時代のTMの全アルバムのレビューが一通り揃いました。一覧を並べておきますので、より深くTMを知りたい方は(笑)以下からどうぞ。
TM NETWORK 80's 全オリジナルアルバムレビュー
「DRESS(完全版)」レビュー
TM NETWORK/TMN 全ベストアルバムレビュー(2009年まで)
「ORIGINAL SINGLES 1984-1999」全曲レビュー DISC1 DISC2 DISC3
TMN全アルバム(1990〜1994)レビュー
RHYTHM RED

1990年10月25日発売、同年夏にリニューアル宣言を行い、TM NETWORKからTMNへとユニット名を改名しての第1弾(通算7作目)オリジナルアルバム。全11曲収録。初回限定盤は白い紙箱の中にCDケース、歌詞カード、ミニポスターを封入したボックス仕様。
「シークレット・リズム」「終末への逃走」「ピュア・デカダンス」というキーワードと共に届けられた本作は、全編生音メインのハードロックサウンドで統一。先行シングル「TIME TO COUNT DOWN」に代表されるような、エレキギターや高速ドラムでスピード感を前面に押し出した演奏や、男性陣のみのコーラスがアルバム全体の野性的な雰囲気に一役買っている。既発のシングル「THE POINT OF LOVERS' NIGHT」はシンセ色を弱め、リズムパターンまで変更して本作に合うように再録音された。
木根尚登が初めてリードボーカルを務めた「LOOKING AT YOU」や、小室哲哉の怒涛のシンセプレイが堪能できるインスト「SECRET RHYTHM」、そして「69/99」「RHYTHM RED BEAT BLACK」「WORLD'S END」の作詞を手掛ける坂元裕二(脚本家)の登場により、従来よりも対象年齢を上げたような内容の歌詞が増えるなど、新機軸への積極的な挑戦も窺える。
前年までのダンス、ユーロビート路線や、デビュー以来のSFファンタジー的なコンセプトと対極にある作品がリリースされたことで、当時はファンからの賛否が渦巻いていた。また、後にも先にもこの作風での音楽活動はこの時期のみということで、TM30年の活動の中では異質なアルバムとも呼べると思う。個人的には本作が初めて発売日に買った彼らのオリジナルアルバムということで、他にも好きなアルバムはあるが、思い入れという点ではこのアルバムが随一。
EXPO

1991年9月5日発売、「月とピアノ」をコンセプトワードに制作された通算8作目のオリジナルアルバム。全12曲収録。初回限定盤は歌詞カードが貼り付いたデジパックのCDトレイを三方背ケースに収めた「CAROL」と同じ体裁の仕様。
前作のハードロック色は払拭され、「Just Like Paradise」(ハウス)、「Jean Was Lonely」(ラテン)、「月の河/I Hate Folk」(フォーク/メタル)、「あの夏を忘れない」(ポップス)、「大地の物語」(バラード)、「Tomorrow Made New」(ロック)等々、アルバムタイトルの如く「音の博覧会」の様相を呈した1枚。
木根が「月はピアノに誘われて」、小室が「Think Of Earth」でボーカルを担当しており、メンバー全員がリードボーカルを務めているアルバムは2014年現在、本作のみ。一番の異色作は7分を超えるインストをBGMに、宇都宮隆と恋人(?)との密会を描いた「Crazy For You」。歌詞は無く、すべて宇都宮と恋人役のセリフ回し(作:坂元裕二)で構成されており、ファンの度胆を抜いた(笑)。
以上のように各楽曲がバラエティに富んでいるのだが、音作りとしては全体にハウスサウンドを意識したミックスでまとめられているため、それほど散漫な印象は受けずに聴ける。最大ヒットの「Love Train」が収録されているアルバムだが、この曲のようなキャッチーな曲はほとんどないので注意。結果的に1994年までのTMの活動の中での最後のオリジナルアルバムになってしまったので、振り返ってみると「これまでのTMの集大成」という印象の作品である。
TMN COLOSSEUM I/II
1992年8月21日二枚同時発売、過去の各ライブツアーからの音源を繋ぎ合わせた架空のライブ、というコンセプトで制作されたライブアルバム。帯には「時間を超え、今再び'92年に再現されるTMN伝説。」という大仰なキャッチコピーが掲載されていた。「I」は未商品化だった「CAROL TOUR」のミュージカルパートを(音だけだが)完全収録した「Carol Suite」がメイン。「II」はヒット曲を中心に「Be Together」「Kiss You」などライブの定番曲で構成されており、2枚それぞれに性格が異なる。大胆にアレンジされた「Crazy For You」や「Don't Let Me Cry」が特に聴きどころだが、既に映像化されている音源からの再利用も多く、ライブビデオまで持っているコアなファンにはあまり面白くない作品かも。
「EXPO」ツアー終了後、何の動きもなくなってしまったTMNの(一応の)ニューアルバムということで個人的には嬉しかった記憶がある。が、その後も本当の意味での新作はなかなかリリースされないのであった…(苦笑)。
TMN CLASSIX 1/2
1993年8月21日二枚同時発売、小室哲哉自身が選曲・リミックスを手掛けたベストアルバム。初回限定盤は表面の中央部分を円形にくり抜かれた三方背ボックス仕様。「COLOSSEUM」と異なり、2枚共に明確なコンセプトの違いはない。リミックスの手法は様々で、かつて海外のプロデューサーに依頼した「DRESS」でのリプロダクション的な手法の「Ano Natsu o Wasurenai」「Human System」、原曲の音の編成を一部変更した「Rhythm Red Beat Black」「Just Like Paradise」「Love Train」、オリジナル音源の上にオーバーダビングを試みた「Get Wild」「Come On Everybody」、原曲を素材にまったく別の曲に変えてしまった「U.K.Passenger」「Time Passed Me By(moonlight mix)」など、リミックスの完成度としては玉石混交ではあるものの、小室のTMN再始動に向けての意欲が感じられる作品。一方で、バラード曲などは原曲をそのまま再収録していたり(特に「2」)と、収録曲の水増しをしているような印象も受けた。どうせなら1枚ものの完全リミックスアルバムでリリースしてくれたほうが完成度も上がったと思うのだが。
なお、発売当時のキャッチコピーは「TMNへのウォーミング・アップ?」であった。「?」が付いているところがまた何ともヤキモキさせられたものであるが(苦笑)、翌月には完全新作のシングル「一途な恋」も発売と、デビュー10周年に向けて本格的に再始動開始!のはずだったのだが…。
TMN GROOVE GEAR

1994年5月26日発売、TMN「終了」宣言を受けての完全生産限定ボックスセット。縦長の紙製ボックスの中にCD3枚、VHS1本、36ページのカラーブックレット、メタルキーホルダー、Tシャツが同梱。定価は10,000円。
CDには年代を追っての代表曲を少々に、未発表ライブ音源(17曲)、小室や木根が仮歌を歌っているプリプロ段階と思われるデモ(5曲)に、「一途な恋」の未発表リミックスを収録するなど、高額ボックスならではのコアファン向けのマニアックな内容。VHSは1992年4月の「EXPO」ツアーのアリーナ公演を2時間にわたって収録した初商品化ライブビデオ「EXPO ARENA FINAL」。
5万セット限定生産ということで即完売し、発売以降の数年間は定価の3倍以上で取引されるほどのレアアイテムであったが、CD3枚は20周年時(2004年)の限定生産ボックス「WORLD HERITAGE DOUBLE-DECADE COMPLETE BOX」にリマスター盤が収録され、VHSは2005年にDVD化されているので、現在では某ブッ〇オフなどで廉価で並んでいるのを結構見かける。前述のとおり内容はかなりマニアックなので、よほどのコアファンでなければ入手する必要はない。なお、筆者は同梱のTシャツを勿体なくて着られず、未開封のまま現在に至る(苦笑)。
TMN BLACK/TMN RED/TMN BLUE



1994年6月22日三枚同時発売、TMN「終了」プロジェクトの一環としてリリースされたベストアルバム。シングルセレクションの「BLACK」、ダンスセレクションの「RED」、バラードセレクションの「BLUE」と、明確なテーマで選曲されている。
各作品の詳細はこちらを参照していただくとして、この後もレコード会社主導のベストアルバムが濫発されるTMだが、振り返ってみると音楽ジャンルのテーマ別に分けられたベストアルバムは後にも先にもこのシリーズのみ。発売当時は「他にももっと選ばれるべき曲があるのに…」と思っていたのだが(苦笑)、TMの音楽性を知りたいのならば、以降のシングル集的なベストよりも、入門を兼ねてこれらをまずチェックしたほうが良いと思う。
TMN final live LAST GROOVE 5.18/5.19

1994年8月11日二枚同時発売、同年5月18、19日に東京ドームで開催された「TMN 4001 DAYS GROOVE」の演奏曲目から各日それぞれ10曲ずつをセレクトしたライブアルバム。初回生産分にはスタッフパス風のステッカーが封入されていた(両日色が異なる)。曲目は抜粋されているが、曲間の歓声などは繋がるように編集されている。
ベスト的なライブから更に絞って選曲されたことで、ベストオブベストなライブアルバムになっているが、遡ること10日前の8月1日に、セットリストを完全収録したVHSが二作同時発売されており、公演の抜粋である本作の意義は、1本あたり7,000円近かったVHSを買えないファンへの配慮と、スタジオ録音版の存在しない初期の楽曲「Timemachine」のライブ音源のCD化といったところだろうか。「終了」ライブの雰囲気を手軽に味わえる作品ではあるが、現在ではVHS版は廉価でDVD化もされており、せっかくならば聴くだけよりも映像を見ながらのほうをお薦め。
以上、TMN時代にリリースされた全アルバムのレビューでした。
約4年間の活動期間の中で、それなりの点数のリリースはありましたが、オリジナルアルバムは前半2年間の2枚のみで、後半2年間に発売されたのはほとんどが過去音源からの寄せ集めの作品ばかりで、80年代の彼らの濃密な活動と比べるとどうしても見劣りしてしまうのも事実で、最初に書いた通り、この時期はTM30年の歴史の中でも冷遇されている気がするのもこの辺りに原因があるような気もします。筆者としては一番TMに夢中になっていた年代だったので、この扱いは正直不満に思っています(苦笑)。
さて、リマスターされた「RHYTHM RED」と「EXPO」、早速発売日に入手して聴いてみました。元々、音質に関しては80年代のアルバムよりもオリジナルの時点でクオリティが高かったと思いますが、原盤で潰れていた低音がちゃんと聴こえたり、軽くなってしまっていた高音に厚みが加わったり、全体的に音像に立体感が増したりと、より良くなった印象を受けました。また、歌詞ブックレットも各原盤の通常盤のコピーという、作品の世界観を壊さない作りになっています。欲を言えば、昨年のリマスター盤もですが、リマスタリングエンジニアの名前も追加して欲しかったところですね。
さて、今回のレビューをもって、インスト集を除くSONY時代のTMの全アルバムのレビューが一通り揃いました。一覧を並べておきますので、より深くTMを知りたい方は(笑)以下からどうぞ。
TM NETWORK 80's 全オリジナルアルバムレビュー
「DRESS(完全版)」レビュー
TM NETWORK/TMN 全ベストアルバムレビュー(2009年まで)
「ORIGINAL SINGLES 1984-1999」全曲レビュー DISC1 DISC2 DISC3
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