90bestmix 2013年9月11日発売、先々週のエントリーでご紹介した「90's BEST MIX Platinum 1990〜1994」と同時発売の、90年代中盤から後半にかけてヒットシーンを賑わせた名曲の数々をDJ MAGIC DRAGONの手によりノンストップメドレーで仕立てたMIX CDシリーズの1枚。

 いわゆる前編、「1990〜1994」の後を引き継いで、90年代の残り5年間を時系列ランダムにEDMアレンジを施し、時に強引に(笑)メドレーで繋いでいく構成は全く同じ。選曲を見渡してみるとやはり、と思うのは、94年から始まった小室哲哉プロデュース全盛期の年代にあたる、ということもあり、「I'm proud」「CRAZY GONNA CRAZY」「BE TOGETHER」「WOW WAR TONIGHT」など、小室関連の曲が29曲中7曲を占める、というのは妥当といえば妥当(なぜ「Departures」と「Can You Celebrate?」は英語バージョンなの?という疑問はさておき)。
 TKブームが過ぎ去った後は、ジャンルはより細分化されて何がヒットするかも分からない多様化の時代になるわけですが、本作ではアレンジの方向性もあり、選曲は割とダンスビート中心のような気がします。また、前作同様、洋楽のヒット曲が不意に挿入される箇所もあるのですが、「1990〜1994」よりも全体を洋楽が占める率はわずかながら上昇したような印象です。なお、「Livin' la Vida Loca」は同年に郷ひろみが「GOLDFINGER'99」としてカバーしていますが、本作では原曲のほうがピックアップされたようです(笑)。

 「タイミング」(Black Biscuits)や「叫び」(野猿)といった90年代末に一世を風靡した「バラエティ番組発ユニット」の曲も選出されており、ASAYAN組からはモー娘。の大ヒット曲「LOVEマシーン」も選ばれている一方で、この時期にブレイクを果たしたMr.Childrenやスピッツ、ラルク・アン・シエルや宇多田ヒカルといった、今や日本の音楽シーンの重鎮たるアーティストがミリオンセールスを達成した曲が一曲も選ばれていないのは、まあぶっちゃけ版権の壁なりアーティストの意向なり、ということなのでしょうが、ちょっと残念なポイント。同じ意味では以前にも書きましたが純ビーイング関連も「1990〜1994」に続いてゼロなのですが、メドレー中にB'zの某曲の間奏のフレーズが突然2小節出てくるあたりは故意犯的で意表を突かれました。やるな!DJ MAGIC DRAGON。

 前々回の「1990〜1994」、今回の「1995〜1999」、結論から言うと感想はどちらも同じ、なのですが、完全とは言わないまでも、両作あわせて約2時間で、90年代の大ヒット曲を矢継ぎ早に聴けてしまうのはなかなか面白い試みだと思います。もちろん、オリジナル音源あってのカバーでありメドレーですから、原曲に勝ることはありませんが、リアルタイムで学生時代を過ごしてきた身としてはこの2作品、楽しんで聴けました。なお、DJ MAGIC DRAGONは洋邦問わずに様々なMIX CDを手がけているようなので、ご興味のある方はこの辺りからどうぞ。