
1トラック目、ダイジェスト的な「Intro Megamix」が終わると、約1時間にわたって全29曲のヒットソングが数珠繋ぎの如くEDMアレンジを軸に時系列ランダムで展開されていく本作。「YAH YAH YAH」「ロマンスの神様」「どんなときも。」「恋しさとせつなさと心強さと」「愛は勝つ」「涙のキッス」…等々、ミリオンセラーとして輝かしい記録を残した楽曲をはじめ、現在30代中盤辺りの当時リアルタイムでこの時代の音楽を聴いていた中高生にとっては懐かしい曲のオンパレード、といったところ。当時のポップスリスナーならばほとんど全て知っている曲ばかりではないでしょうか。てっきりJ-POPオンリーと思いきや、中盤では突如「Trouble」や「Smells Like Teen Sprit」などの洋楽がちょいちょいと紛れ込んできたのには意表を突かれましたが、「接吻」や「浪漫飛行」もなぜか英詞になっていたのが謎。
選曲自体はまあ妥当な線だと思いますが、当時ブームだったビーイング勢の曲が「世界中の誰よりきっと」(版権は中山美穂側の模様)しかなく、B'zの各代表曲やZARDの「負けないで」ぐらいは収録してもいいような気もするのですが、「1995〜1999」でも同様だったので、これはビーイングとの版権問題が関わっているのかもしれません。
アレンジは基本的には原曲のエッセンスを残してEDM化を施した、という印象の曲が多く、バラード曲でも少しテンポを上げる程度で驚愕のリアレンジ、という曲は無かったような。歌い手はオリジナルではなく、本作用に新たに数人のヴォーカル担当を起用しており(VOCALOIDもいる?)、男性ヴォーカルの曲なのに女性が歌っていたり、その逆もあったり。男女混声だった「DA.YO.NE」のラップが女性のみになっているのもそれはそれでアリかと思いました。が、曲によってヴォーカルの出来不出来が激しく、正直な話、音程を取れていないテイクを採用している曲もあり、原曲のアーティストのファンが聴いたら怒るんじゃないかな…という箇所もチラホラありました。
90年代を二つに分けてヒットメドレーを作る、というアイデアは面白いと思います。ただ、こういうMIX CDって自宅でじっくり聴くものではないですね^^;。聴き続けると耐性がない人には辛い、というバキバキタイプなEDMサウンドではないので、ドライブ中の盛り上がりのアイテムとしてや、チェーンの居酒屋あたりで薄くBGMで流すには最適かな、といったところ。個人的には本作選曲の中でも結構マニアックな「It's My JAL」をピックアップしてくれたことを嬉しく思います(笑)。
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