reearth 2013年11月20日発売、インストゥルメンタルユニット・→Pia-no-jaC←の通算5枚目のオリジナルアルバム(「EAT A CLASSIC」シリーズやベスト、ライブ盤を含めると11枚目)。4月公開の映画「サンブンノイチ」テーマソング「Triad」を含む全7曲収録。一般流通に乗るのはCDのみの通常盤、通常盤CDにPVとドキュメンタリー映像を収めたDVD付属の初回限定盤。さらにヴィレッジヴァンガード限定盤として通常盤CD+ライブDVD同梱盤の3形態で発売。今回レビューするのはヴィレッジ盤です。

 オリジナル作品では2012年3月の「暁」以来となる本作のテーマは「地球」。煽り文句で“涙で覆われていく地球に友愛のビートを打ち込みたい”とありますが、ピアノとカホンのインストユニットである以上、メッセージは言葉ではなく、二人の演奏に託されているため、リスナーが各楽曲を聴いて彼らからの「音」のメッセージを解釈してほしい、ということなのでしょう。それ故か、今回はイメージを特定しやすい「METROPOLIS」「Savanna」「Evergreen」といったタイトルが付けられ、聴き手による想起が従来の作品よりはしやすいかな、という気がします。
 演奏的な面では、新たな試みとして初のピアノソロ曲「“Destruction”a moll Op.1,No.38」が中盤に収められていますが、彼ら定番の激しくテクニカルで熱量の高いアレンジの楽曲が多いので、オリジナル5作目ともなると初めて聴いた時の強烈な印象はさすがに受けませんでしたが、安定、盤石、といったところ。メロディーのフックの強い「これぞタイトル曲!」といったナンバーが特にない分、トータルで聴き通したいアルバムであるかも。

 ライブDVDは、去年の9月21日に日比谷野外大音楽堂にて開催されたワンマンライブ「EAT A 野音2〜今年もやります全曲ジャック〜」から、名シーンを集めた約1時間の内容。野音のメインステージに加え、客席の中にセンターステージを設け、メンバー二人が両ステージを行ったり来たり、メインとセンターでそれぞれ離れて演奏したりなどと、視覚的にも楽しい映像。演奏は完全にメンバー二人のみですが、観客を煽って掛け声や振付(というほど難度の高いものではありませんが)で参加するように促したりと、会場全体での参加型ライブ、という印象。
 この日は彼らの全レパートリーを演奏するということで、演奏された曲は全70曲。その中から21曲を収録。全曲演奏といっても、実際はメドレーで繋げたり、ショートバージョンで演奏したりしているわけで、さすがにこの膨大な曲数をフルで…というわけではありません(笑)。とはいえ、矢継ぎ早に演奏曲が移り変わるメドレーが観ていて一番スリルがあって面白く、中でもオリジナル曲をリメイクした「EAT A →Pia-no-jaC←」メドレーは特筆モノ。演奏もアドリブを含めつつCD音源に負けず劣らず素晴らしく、トータルではCDで聴くよりもライブで体感したほうが良さが分かるユニットなのかも…と思いました。なので(?)、購入を迷われている方は、是非ライブ映像付属のヴィレッジヴァンガード盤をお薦めいたします。