kobukurosongs 2013年12月18日発売、コブクロ通算8枚目となるオリジナルアルバム。シングル「流星」「Blue Bird」「あの太陽が、この世界を照らし続けるように。」「紙飛行機」「One Song From Two Hearts」「ダイヤモンド」、配信シングル「蜜蜂」、そして今月19日にシングルカットされる「今、咲き誇る花たちよ」を含む全15曲収録。初回限定盤には秋に行われたゲリラストリートライブの模様を収録したDVDが同梱。

 オリジナルとしては前作「CALLING」から約4年半ぶり。間に活動休止を挟んでいたこともあり、ファンにとっては待望のニューアルバムといったところ。小渕健太郎の喉の病気からの復帰というトピックもあり、シングルにしてアルバム表題曲である「One Song〜」以外にも、小渕からは「モノクローム」、黒田俊介からは「LIFE GOES ON」といった、二人それぞれの活動休止期の思いから生まれた、「歌を届ける、歌い続ける」という強い決意が感じられる曲が目を引きます。また、甲子園関連の「ダイヤモンド」、そしてソチオリンピック開催期間の今、テレビから毎日のように流れる「今、咲き誇る花たちよ」など、アスリートを鼓舞するナンバーも収録され、ライトな「SPLASH」や「未来切手」を挟み、情熱的な部分とポップな部分とのバランスの良い新曲が並んでいます。

 それらの曲に施されたアレンジは…というと、バンドサウンドに加え、歌詞ブックレットの各曲参加ミュージシャンのリストを見ると圧巻な人数のストリングスプレイヤーが集結していることでも分かる通り、全15曲中12曲で何らかの形でストリングスが絡んでいるという傾向は本作でも変わらず。もはや彼らのことを「フォークデュオ」と呼べるかどうか考えてしまうほどの、ストリングスを含めての一大プロジェクトの様相を呈してきた感のあるこの頃ですが(苦笑)、曲中で仰々しく盛り上げる!という曲は意外と少なく、「曲を聴いていて気がつくと鳴っている」曲が多い印象。それでもほぼ全曲に導入する必要性は正直無いと思うのですが…。そのストリングスが完全に入っていない「SPLASH」のように、ブラスを前面に押し出し、バンド演奏がしっかり主張している曲もあるので、そういった曲の比率も今後は上げてもらいたいものです。

 なお、「流星」「Blue Bird」「あの太陽が〜」のシングル3曲は活動休止前の作品で、オリジナルアルバムには今回初収録。とはいえ、2012年の「ALL SINGLES BEST 2」に収録されたものと同じ音源がそのまま収録されています(1曲ごとのライナーも同ベストのライナーから転載)。以前「5296」にベスト収録済の「君という名の翼」が収録された時と同様、シングルは全てオリジナルアルバムに収録するというアーティスト側の方針なのでしょうが、おかげでトータル演奏時間は70分超えという超大作になってしまったのはちょっとマイナス。いっそ重複曲は一切なしで全11曲のアルバムでも良かったのではないかと思います。

 …と、色々注文をつけていますが(苦笑)、久々のコブクロのオリジナルアルバムとしては(ちょっと長いですが)十分に楽しめる作品。それでもジャケット写真のような、彼らの原点であるストリート的なスタイルもそろそろ聴きたくなってきたので、その辺りは5年ぶりのストリートライブを経て制作されるであろう次回作に期待です。