2013年9月18日発売、井乃頭蓄音団でヴォーカルを務める松尾よういちろうが「松尾よういちろうと井乃頭蓄音団」名義でリリースしたソロ作品で、ソロ名義としては初めて公式通販以外(関東近郊のDisk Union)で店頭販売中のマキシシングル。インストゥルメンタルを含む全4曲収録。
井乃頭蓄音団と並行してソロ活動も積極的に行っている松尾よういちろう。既に「松尾な自分」「松尾な気分」などのアルバムを通販やライブ会場で販売していた経歴もある彼ですが、基本アコギ一本でガシガシ弾き語る攻撃性の強い路線から一転、今回は「アコースティック」「家族」がテーマということで、サウンド的には今までにないマイルドな一面を見せてくれています。自ら率いる所属バンドとの共同名義でのクレジットは矛盾を感じさせなくもないですが、松尾ソロの演奏を井乃頭メンバーの力を借りて行っている、という解釈が正しいのかもしれません。
まずタイトル曲「逆上がり」。鉄棒を握りながら自らの生き方を振り返る…という妙なシチュエーションの曲なのですが、歌詞の「俺、もっと生きてたいよ」「人生最後は逆上がり」といったフレーズが何やら意味深なのが気になるところ。続いて2曲目の「弟」は、出来の良い弟に対しての屈折した想いを綴った愛憎渦巻く(?)楽曲。優秀な弟ネタは井乃頭の曲でも登場するので、これは松尾自身の実弟を基にした作品なのかも。「逆上がり」よりはシリアス度は低めですが、「両親の事は頼んだぞ」「兄弟で居させてくれないか」という歌詞が出てくるあたり、前曲に続いて聴き手に行間を読ませ、解釈を委ねるタイプの曲ではないでしょうか。
軽快なアコギが奏でる高速インスト「テンテケテン」を挟み、ラストは「カニの缶づめ」。お歳暮に貰ったカニの缶詰めをいつか食べることを夢見つつ、事故でこの世を去った父親を淡々と偲ぶ字余り風の作品。珍しく作詞は松尾+鈴木匠(Recエンジニア)の共作ということで、若干他の松尾作品とは毛色が違う感がありますが、本作の中では一番分かりやすく、共感できた曲ですね。
従来のソロ作品ではもっとエグい性世界(笑)や汚い人間の本性などを曝け出す楽曲を手掛けてきた彼ですが、今作は割とライトな路線。とはいえ井乃頭蓄音団の作品としてはプライベート色が強い、ということで、今回の名義でのリリースになったのかな、とも思います。歌詞はともかくとしてロックバンドの疾走感、爽快感を追求していた井乃頭とはまた違った、体温を感じさせる作品といったところでしょうか。完成度では過去の松尾ソロ作品の中では現時点で最高。なかなかにお買い得(1,000円)の作品でした。
井乃頭蓄音団と並行してソロ活動も積極的に行っている松尾よういちろう。既に「松尾な自分」「松尾な気分」などのアルバムを通販やライブ会場で販売していた経歴もある彼ですが、基本アコギ一本でガシガシ弾き語る攻撃性の強い路線から一転、今回は「アコースティック」「家族」がテーマということで、サウンド的には今までにないマイルドな一面を見せてくれています。自ら率いる所属バンドとの共同名義でのクレジットは矛盾を感じさせなくもないですが、松尾ソロの演奏を井乃頭メンバーの力を借りて行っている、という解釈が正しいのかもしれません。
まずタイトル曲「逆上がり」。鉄棒を握りながら自らの生き方を振り返る…という妙なシチュエーションの曲なのですが、歌詞の「俺、もっと生きてたいよ」「人生最後は逆上がり」といったフレーズが何やら意味深なのが気になるところ。続いて2曲目の「弟」は、出来の良い弟に対しての屈折した想いを綴った愛憎渦巻く(?)楽曲。優秀な弟ネタは井乃頭の曲でも登場するので、これは松尾自身の実弟を基にした作品なのかも。「逆上がり」よりはシリアス度は低めですが、「両親の事は頼んだぞ」「兄弟で居させてくれないか」という歌詞が出てくるあたり、前曲に続いて聴き手に行間を読ませ、解釈を委ねるタイプの曲ではないでしょうか。
軽快なアコギが奏でる高速インスト「テンテケテン」を挟み、ラストは「カニの缶づめ」。お歳暮に貰ったカニの缶詰めをいつか食べることを夢見つつ、事故でこの世を去った父親を淡々と偲ぶ字余り風の作品。珍しく作詞は松尾+鈴木匠(Recエンジニア)の共作ということで、若干他の松尾作品とは毛色が違う感がありますが、本作の中では一番分かりやすく、共感できた曲ですね。
従来のソロ作品ではもっとエグい性世界(笑)や汚い人間の本性などを曝け出す楽曲を手掛けてきた彼ですが、今作は割とライトな路線。とはいえ井乃頭蓄音団の作品としてはプライベート色が強い、ということで、今回の名義でのリリースになったのかな、とも思います。歌詞はともかくとしてロックバンドの疾走感、爽快感を追求していた井乃頭とはまた違った、体温を感じさせる作品といったところでしょうか。完成度では過去の松尾ソロ作品の中では現時点で最高。なかなかにお買い得(1,000円)の作品でした。
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