hatahitomimi 2013年10月16日発売、秦基博自身が選曲を担当したセルフセレクションアルバム。全16曲収録。初回生産限定盤はDISC2にボーナスディスクとして新旧代表曲のライブバージョンをコンパイルした全14曲収録の「Live Selection 2007-2013」を同梱した三方背ボックス仕様の2枚組。

 DISC1の自選ベストで選ばれたのは、「アイ」の弾き語りバージョン、「鱗(うろこ)」の新録弾き語りバージョン、提供楽曲「スプリングハズカム」のセルフカヴァーの3曲を除くと、全てアルバム収録曲やシングルのカップリング曲(EPのカップリング扱い曲含む)。その13曲を最新アルバムからの「Girl」を先頭に、年代を遡って収録されています。本作で初めてアルバムに収録されたのは「月に向かって打て」「トラノコ」「My Sole,My Soul」の3曲。リマスタリング担当はStephen Marcussen。なお、秦本人のライナーノーツはこちら。
 選曲の傾向としては、各オリジナルアルバムから2曲程度、各アルバムの中でも印象に残る楽曲をピックアップした印象。ポップな「Girl」、バンド色の強い「SEA」、やや王道を外れた「Honey Trap」、そしてじっくりと聴かせる「風景」など、佳曲が満載です。聴き進めていくうちに時代が下っていくので、終盤(つまり初期)はアコギ中心の少々地味なミディアムが続くのですが、この辺りが秦自身の「素」に一番近い音楽性のような気もします。個人的にはカップリング曲として世に出て、後にミニアルバムの再発版にも収録された「プール」が選曲されたのが嬉しいですね。

 DISC2のライブ選集のほうは、DISC1とは対照的にシングル曲を中心にリリース順に楽曲が並べられているのですが、ライブ収録の年代は2011年の後に2009年が来たりと、時系列順とはやや異なる並びになっています。武道館ライブなど映像化されている音源もあるようですが、直近のツアーからの音源や、最新シングル「言ノ葉」が(ライブバージョンですが)早くも収録。こちらのマスタリングは柴晃浩が担当。
 「僕らをつなぐもの」「フォーエバーソング」「朝が来る前に」「Halation」「水無月」などの代表曲がアコギ一本弾き語りから、バンド編成、更にはストリングスを従えたライブまでと様々な会場・形態での収録で、選曲的には文句なしなのですが、編集がシームレスではなく、「一本のライブを聴いている」という感じではないのが少々残念かも。

 「BEST OF GREEN MIND」シリーズなど、期間限定生産でのライブ盤ベストのような作品は世に出ているものの、「代表曲をオリジナル音源で集めたベストアルバム」は未だにリリースされていないので、本作のDISC2で代表曲をライブバージョンで、DISC1ではオリジナル音源での隠れた佳曲を、という聴き方であれば、ややボリュームはありますが秦基博に触れてみたい層には良い作品。初回生産限定盤のDISC2付きのものがレンタルなどでも出回ると思われますので、ライトリスナーには通常盤ではなくそちらをお薦めします。DISC1のみの通常盤は…新録音源を入手できるという点が売りなので、コアファン向けでしょうかね。初回盤と通常盤が本来の立ち位置と異なるような気もしますが…(笑)。