AMAUTA 2013年8月28日発売、今月末に最終回を迎えるNHK朝の連続テレビ小説「あまちゃん」の劇中歌を収録したコンピレーションアルバム。オリジナルカラオケ5曲を含む、全15曲収録。初回生産分には着せかえジャケットとステッカーが同封。

 文字通りのヴォーカルアルバムということで、劇中で重要な位置を与えられ、既に同年7月末にシングルリリースされた80年代アイドル歌謡風「潮騒のメモリー」(天野春子)や、同じく6月よりDL配信されていた00年代末のアイドルポップス「暦の上ではディセンバー」(アメ横女学園芸能コース)に加え、「地元に帰ろう」(GMT)、「潮騒のメモリー(お座敷列車バージョン)」(潮騒のメモリーズ)など、ドラマ視聴者には馴染みの曲が序盤〜前半にかけて収録されています。個人的には実際の岩手の高校の潜水土木科で歌われているという唱歌「南部ダイバー」が2バージョン収録されたのが嬉しいサービス(笑)。

 …とはいえ、ちゃんとした歌モノは上記の実質4曲+劇中で使用された「いつでも夢を」(橋幸夫&吉永小百合)以外は、元々商品化する予定はなかったんじゃないか?と思わせる曲が目白押し。「潮騒のメモリー」と「地元に帰ろう」の「太巻デモバージョン」(古田新太が朴訥な声で歌っています・笑)はサビの直前で強制終了の簡易なものだったり、CMソングということで30秒にも満たない「いらないバイク買い取るぞう!」など、マニア垂涎の音源であることは間違いないのですが(苦笑)これらを収録してフルアルバムに仕立てる必要はあったのかなぁ…などと思ってしまうことしばし。かと思えばラストの「潮騒のメモリー」のカラオケは原曲のオケではなく、わざわざカラオケ仕様のプログラミングで収録され、劇中のカラオケシーンで使われた「スナック梨明日カラオケ」バージョンという、妙なところで凝っているのが不思議です^^;。

 既発売の「オリジナル・サウンドトラック」は劇伴集ということでかなり聴きどころのある1枚だったのですが、本作はちょっとコアなファン向けという感じで、フルアルバム並みの値段の割に内容は…という感は否めないのが正直なところ。あとは本作発売直後の展開だったので、主人公・天野アキ(能年玲奈)が歌う最新リアレンジ版の「潮騒のメモリー」が収録されなかったのが残念。結構良いリアレンジだったと思うので、このバージョンも何らかの形で公開してもらえることを願っています。