06552355 2013年8月21日発売、Eテレ(旧NHK教育)にて平日の朝と夜の5分間にオンエア中のミニ番組「0655」「2355」で使用されている楽曲のコンピレーションアルバム。全30曲収録。

 「0655」「2355」は、共に2010年の春から放送開始され、5分間という適度に短い(?)時間の中で、我が家の犬猫紹介VTRや日めくりカレンダーをアニメにしたもの、前衛トリックアート、そして「おはようソング」「おやすみソング」などで構成された、ちょっとした息抜きにピッタリの番組。本作は、ここまでの約3年半の間に数々制作され、オンエアされてきた楽曲の数々の中からの選りすぐった内容で、前半は「0655」、後半は「2355」で使用された曲で構成。既に真心ブラザーズや小泉今日子など、歌い手が本人名義でリリースしたアルバムに収録された曲も何曲かはありますが、基本的にはほとんどの曲が本CDで初の音源化となります。

 さて、収録された全30曲、どの曲も1〜2分程度の小品的な作品ではあるのですが、短いながらも、日常生活に即したユニークな楽曲が満載。「0655」のほうの「忘れもの撲滅委員会」「2度寝注意報発令中!」「電車で化粧はやめなはれ」などは、タイトルからまさにその極致という感じです(笑)。犬猫紹介のBGMの「おれ、ねこ」「わたし、犬、いぬ」は動物目線のシンプルな歌詞が良いですし、海外の首都をメロディーに乗せて次々と歌い上げる「これを知ってるといばれるの唄」は覚えるだけで知識になりそう。「2355」のほうは、穏やかな「三日月ストレッチ」「プカプカたこ」「眠れ ねこ ねこ」などリラックスムードの曲が多く、就寝前のひと時に流れる曲として最適。そして「のりこえるの歌」を聴くと明日も頑張ろう、という気持ちになるのは筆者だけではないでしょう。歌詞カードも、ただ歌詞が書いてあるのではなく、写真やイラストなどを使ったオンエア時を彷彿とさせるレイアウトになっており、眺めているだけでもちょっとした楽しさがあります。

 …それにしても両番組に参加した歌い手の顔ぶれは先述の真心ブラザーズや小泉今日子をはじめ、GOING UNDER GROUNDの松本素生、木村カエラ、中尾ミエ、デーモン閣下、細野晴臣などのベテランや、ブラックマヨネーズやナイツの土屋伸之といったお笑い界の芸人までと本当に豪華。それ故に、これだけの曲を作りながら、おそらく各歌い手の権利関係などもあり、これらが一堂に会するコンピ盤のリリースは無理かな…とずっと思っていただけに、本作のリリース実現には驚きましたが、それだけに発売元の日本コロムビアをはじめ、権利の調整に関わった方々には深く御礼を申し上げたいですね。タイトルにもありますように「Best」であり「全曲集」ではないので、今回収録されなかった曲もあるのですが、個人的にはこのボリュームでもう満足です(笑)。