今年初のライブレポートは、90年代ビーイングを牽引したアーティスト達による夢の競演「BEING LEGEND」ツアー、全19公演のうちの東京公演、10月31日(水)に中野サンプラザにて行われたライブの模様を報告いたします。
 週末に更新する予定だったのですが、ライブの余韻が醒めないうちに…ということで、珍しく(苦笑)ライブ翌日のレポートです。公演はまだまだ一ヶ月続きますが、セットリストなど、ネタバレ全開になっていますので、ご覧になりたい方は「続きを読む」からご閲覧ください。
BEING LEGEND LIVE TOUR 2012
2012年10月31日 東京・中野サンプラザホール


 …ということでやって来ました中野。
 ここに来るのは2011年1月のDEENのBreak15のセミファイナル以来でしたが、中野駅が当時とはまるで別の駅のように綺麗になっていてびっくり。
 いつものように駅前の中古CDショップでCDをチェックしつつ(笑)、友人と待ち合わせて中野サンプラザへ到着。
 席は1階席の後ろのほうでしたが、見晴らしは結構良かったです。開演前のBGMはビーイングのヒット曲のインストゥルメンタルをメドレーで編集したものが流れていました。
 ちなみに客層は自分と同じかそれ以上ぐらいの30〜40代ぐらいが男女万遍なく、といった感じでした。まあ、出演陣のラインナップを見れば納得、といったところでしょうか。
 会場ロビーに溢れんばかりのBEING LEGENDグッズ&各アーティストのグッズが並んでいたのは圧倒されました。なぜかカレーも売っていました(笑)。

 定時の19時を少し過ぎたあたりで開演。
 まずは大きなプロジェクターに、B.B.クィーンズの「おどるポンポコリン」のPVから始まる、90年代のビーイングアーティストの代表曲のPVが、紹介のテロップと共に約5分間、ダイジェストで流れる演出から。
 WANDS、DEEN、T-BOLAN、Mi-Ke、FIELD OF VIEW、ZYYG、MANISH、BAAD、そしてZARDなどなど、ビーイング黄金期を築いたアーティストのPVが連発されたのですが、今回出演のDEEN以外の現役組、B'zやTUBEのPVはなし。そしてあれほどヒットを飛ばしまくった大黒摩季は完全にスルー(ついでに言うと織田哲郎もスルー)。これは意図的なものとしか考えられない(苦笑)。

 そんなこんなで、最後にFIELD OF VIEWの「君がいたから」のPVで締めくくり、ライブスタート。この流れではやはり、と思いましたが、トップバッターは彼らでした。


FIELD OF VIEW
 1.突然
 2.ドキッ
 3.Dreams
 4.青い傘で
 5.この街で君と暮らしたい
 6.Beautiful day
 7.Last Good-bye
 8.DAN DAN 心魅かれてく
 9.君がいたから

 2002年の解散から実に10年ぶりにFIELD OF VIEWとしてステージに上がったメンバー達。浅岡雄也(Vo)は全公演出演ですが、公演によっては他のメンバーは出たり出なかったりするらしく、今回は小橋琢人(Dr)、安部潤(Key)の「3人でのFOV」でした。他の会場では新津健二(Ba)も出演しているのですが、オリジナルメンバーの小田孝(G)は残念ながら不参加とのこと。
 彼らのライブは観に行ったことはなく、解散ライブのDVDを観たぐらいなのですが、解散から10年経っても浅岡さんのヴォーカルは相変わらず爽やか。キーは全曲オリジナルのままだったと思います。爽やかな歌声に対してMCは「お前らもっと盛り上がれ〜!」みたいな煽りもあり、結構熱血な人なのかな、と思いました(笑)。小橋さんは髪が結構伸びていて「LOVELY JUBBLY」の頃ぐらいの長さ。安部さんは激しいフリなどはなく、極めて堅実にキーボードを演奏されていました。
 なお、3〜6はメドレーで、1コーラスずつ。ZAIN時代のヒット曲だけでなく、Beat reC期の「青い傘で」「Beautiful day」がリストに入っていたのは意外でしたが嬉しかったです。
 最後に「10年ぶりのメンバー紹介」。小橋さんは安部さんとライブで一緒に演奏するのが今ツアーが初めてだったそうです(FOVのファーストライブ時には安部さんは脱退していたので)。そして小橋さんは10年経っても「兄貴〜!」と呼ばれていました(笑)。
 総じて、良い意味でCD通りの演奏を見せてくれたステージでした。なぜかサポートのギターの人の音がやたらメタルだったのが印象的(?)。


B.B.クィーンズ with Mi-Ke
 1.We Are B.B.クィーンズ
 2.ゆめいっぱい
 3.ドレミファだいじょーぶ
 4.しょげないでよBaby
 5.Love...素敵な僕ら
 6.一番先に、君が好き
 7.おどるポンポコリン

 去年オリジナルメンバーの中の4人、坪倉唯子(Vo)、近藤房之助(Vo&G)、増崎孝司(G)、宇徳敬子(Cho)で再結成を果たしたB.B.クィーンズ。サポートベース、ドラムス、キーボードを従えての総勢7人編成。宇徳さんはメンバーのはずですが、この表記ではMi-Ke扱いだったのでしょうか?
 B.B.クィーンズといえばコスプレなのか、この日はハロウィン当日ということもあり、各メンバーが仮装(変装)的な格好で登場。増崎さんがDIMENTIONの時とはもはや別人のような銀色ロン毛のカツラで髪を振り乱しながらギターを弾いていたのがすごいインパクト(笑)。宇徳さんの頭のでっかいリボンも強烈でした。
 セットリストの方はトリの「おどるポンポコリン」はともかくとして他の曲もどこかで聴いたことのあるような曲が満載。3〜5はメドレーですが結構長めに時間を取っていました。6は新曲だそうです。
 個人的には「ギンギラパラダイス」が聴きたかったかな、といったところ。ちなみに一部会場では近藤さんと宇徳さんの二人のみ出演ということもあるらしく、「思い出の九十九里浜」や「Good-bye morning」も演奏されているとの事。そっちのほうにも興味アリ!(笑)


DEEN
 1.このまま君だけを奪い去りたい
 2.瞳そらさないで
 3.未来のために
 4.ひとりじゃない
 5.夢であるように
 6.翼を広げて
 7.心から君が好き〜マリアージュ〜

 1993年のデビューから来年で20年、ずっと現役で活動中ということもあってか、「スペシャル・ゲスト」というクレジットで出演のDEEN。とはいえ持ち時間はFOVやB.B.クィーンズとほぼ同じの35分〜40分前後でした。池森秀一(Vo)、山根公路(Key)、田川伸治(G)のメンバーに、サポートベース、ドラムの5人編成。いつものツアーのサポートメンバーとは異なっていました。ちなみにベースの人はここまで3組のアーティストを続けてサポート。
 既にビーイングからは離脱している彼らですが、今回はBEING LEGENDということで、90年代後半のヒット曲(ライブの超定番曲)を連ねた内容。2〜6はメドレー。「瞳そらさないで」は「もう一度♪」まで、「未来のために」は1コーラス、「ひとりじゃない」はフル、「夢であるように」はテイルズ・オブ・デスティニーのOPサイズと同じ(「君の迷い〜♪」の部分もメロディーが上にあがる仕様)、「翼を広げて」は2番のサビから最後の合唱部分まで、と、曲によって演奏される長さがかなり違っていました。
 さて、今回は最新曲の7以外はすべてキー下げ。池森さんは「このまま〜」に関しては調子の良い日の声、といった感じでしたが、他の曲に関しては矢継ぎ早に昔の曲を歌うのに慣れていないのか結構苦戦していました。ラストの「心から君が好き〜マリアージュ〜」では喉が温まったのか、最新曲だからか好調でした。ちなみにこの曲、最後に「三人だけで演奏します」と言っていたのですが、リズムボックスとコーラスはオケを流していた模様^^;。
 筆者のようにずっとファンで彼らの音楽性の変遷を追いかけていた身としては、まあいつも通りかな、という印象なのですが、90年代当時のままのDEENのイメージのままで、このライブが初DEENだったお客さんにはどう映ったのでしょうか。ちなみに、「このまま〜」の後で5分ぐらいの長いMCをする辺りは、従来のLIVE-JOYに倣ったのか?と思いました(笑)。


T-BOLAN
 1.泥だらけのエピローグ
 2.じれったい愛
 3.Bye For Now
 4.LOVE
 5.SHAKE IT
 6.傷だらけを抱きしめて
 7.My life is my way

 EN1.離したくはない
 EN2.Heart Of Gold

 DEENから20分の休憩を挟んでの「第2部」は1999年末の解散から13年、今年正式に再結成を発表したT-BOLAN。実質、今回のライブのメインアクトも彼らでしょう。アンコールも含めて1時間近くのライブだったと思います。
 森友嵐士(Vo)、五味孝氏(G)、上野博文(Ba)、青木和義(Dr)のメンバー全員がライブステージに集結するのは17年ぶりとのこと。サポートメンバーを配置せず、ピアノやオーケストラヒットの音は同期で流していました。
 メインアクトということもあり、待望の再結成ということもあり、彼らを観るためにやってきたお客さんが一番多かったような気がします。中野サンプラザはコンサートホールですが、照明の使い方やファンの盛り上がり方はライブハウス(ZEPPなど)的で、熱いライブパフォーマンスには圧倒されました。他の三組とはバックのセットも変わっていましたね。
 3のみがショートバージョンで、他の曲はすべてフルコーラス。「SHAKE IT 」以外はすべてキー下げだったような気がします(「SHAKE IT」もBメロは1オクターブ下で歌っていました)。最近発売されたT-BOLANのライブDVDとは森友さんの声の出し方に変化が。発声方法を変えたのか、出声のリリースが遅れ目になるような声の出し方をしていましたが、相変わらず上手いし、ニヒルな喋り方(笑)も板についていました。
 大トリなのでアンコール有。「離したくはない」(歌詞はシングルバージョン)の後で再結成を決めた経緯について大まかに語りつつメンバー紹介。この日の前日が森友さんの誕生日だったようで、ハッピーバースディを歌ったり、花束を貰ったりという小粋なサプライズがありました。
 最後は「また会おうぜ!」で締め。おお〜、これぞT-BOLANのライブ!と感慨にふけりました(笑)。


 終演は22時15分過ぎ。転換もあったので実質2時間半ぐらいのライブでした。
 8,500円とやたらチケットが高かったのですが、これだけの豪華なメンツを見られるのなら、元は取れたかな、という感じです。もうFIELD OF VIEWは観られないかもしれないし。
 FOV、B.B.クィーンズ、DEENもそれぞれ印象に残るライブでしたが、やはりT-BOLANが最後ですべてを持っていった感じの今回のライブ。彼らの再結成お披露目ライブとしても成功でしょう。是非次は新曲を引っ提げてのワンマンライブを行ってもらいたいものです。
 …それにしても、彼らが現役でヒットシーンを賑わせていた頃は筆者は中学生〜高校生。一番多感な頃に聴いていた音楽だったからか、ほとんどの曲の歌詞を覚えていたのは自分でも驚きでした。青春を共に過ごした音楽、アーティスト、そして同じ世代のファンの皆さんと同じ時間を共有できたことを嬉しく思います。

 なお、このBEING LEGENDツアーは11月29日(木)の埼玉・大宮ソニックシティ大ホールまで続きます。まだ愛知、鹿児島、新潟、長野、福岡と全国を回るそうなので、各アーティストに興味のある方ならば、観に行って損はないと思いますよ。