KOBUKUROBEST2 2012年9月5日発売、タイトル通り「ALL SINGLES BEST」(2006年発売)の続編にあたるコブクロのシングルズベストアルバム第2弾。CD2枚組の「通常盤」、CD2枚組+DVD1枚の「初回限定盤A」、セブン&アイ限定販売としてCD2枚組+ライブCD2枚組の「初回限定盤B」の三形態での発売。今回レビューするのは「初回限定盤A」です。

 DISC1は「ALL SINGLES BEST」の直後、2007年の「蕾」から、2009年の「STAY」までの全シングル曲+タイアップ付きのカップリング曲を発売順に並べた9曲に、絢香×コブクロ名義のコラボシングル「WINDING ROAD」「あなたと」を収録した全11曲。
 彼らの最大のヒット曲である「蕾」から幕を開けるこのディスクは、同曲路線のいわゆる「ストリングス+バンドサウンドの壮大なバラード」が潤沢。1曲目から5曲目までの約30分がバラード続きで、発売順なので仕方がないとはいえ、これはバラードベストかと錯覚してしまうほど(苦笑)。これらの思いをありったけに込めた入魂の作品、単独で聴く分には良バラードであることは間違いないのですが、フルコースを注文したらいきなりステーキが出てきたかのようなこの展開はかなり胃もたれで、アルバムの流れってやっぱり大事なんだな、と改めて思いました^^;。後半は「虹」「Summer rain」、そして「WINDING ROAD」といったアップテンポの曲が出てきますが、分厚いバンドアレンジのせいか軽やかな印象はなく、最後までずっしりきます(笑)。

 DISC2は2010年の「流星」から2011年の「あの太陽が、この世界を照らし続けるように。」までの全シングル曲(…といっても3曲)+タイアップ付きのカップリング曲の5曲に、配信限定シングル「蜜蜂」、2011年のライブツアーで歌われた「焚き火の様な歌」、路上時代の「ココロの羽」の初CD化、2010年の今井美樹×小渕健太郎 with 布袋寅泰+黒田俊介名義のコラボシングル「太陽のメロディー」、そして最後のボーナストラックとして「交響曲第5296番」を収録した全10曲。
 王道バラードの「流星」、爽やかで軽快なミディアムの「Blue Bird」、オーケストラとの競演の「君への主題歌」、フォーキーな「焚き火のような歌」などなど、楽曲のバラエティー感、という意味ではこちらのディスクのほうが幅があって聴きやすいかも。2010年以降はオリジナルアルバムのリリースがないので、すべてのシングルがアルバム初収録ということでまとめて聴けるのも嬉しいところです。ラストの「交響曲第5296番」は、デビューから数年間、コブクロを手がけたプロデューサー・笹路正徳の手による、オーケストラによるその名の通りのコブクロ楽曲のシンフォニック・メドレー。本当にストリングスが大好きなんだなぁ、という感じですが(苦笑)、7分超という長さにも関わらず彼らのメロディーを追いながらオーケストラを聴くのは結構楽しかったです。

 そしてDISC3のDVDはデビュー当時から本作発売時までに製作されたシングル曲PV27曲をすべて収録した「ALL SINGLES MUSIC VIDEOS」。近年では各シングルやアルバムの初回盤付属のDVDで小出しにされていたこれらの映像ですが、この度「YELL〜エール〜」から「あの太陽が〜」までの約10年が一気にディスク1枚で網羅され、素晴らしく充実した内容になりました。メンバー二人より出演俳優が目立っているようなPVもありますが(苦笑)ファンのみならず、ライトリスナーも持っていて損なしの内容(ベスト+全PV集にしては安いし)。個人的に好きなPVベスト3は「永遠にともに」「君という名の翼」「Blue Bird」(順不同)ですかね。しかしカップリングでは破格の扱いの「赤い糸」はともかく、「ベテルギウス」もPVがあったとは驚きでした。

 前作「ALL SINGLES BEST」の時より少ないシングルタイトル曲を、カップリング曲やコラボ曲、ボーナストラックで補っている、という意味では満を持して、というベストではないものの、活動再開直後の今までの「まとめ」的なアイテムとして、2007年以降のコブクロを知るには最適なアイテムだと思います。