aikotoki 2012年6月20日発売、aikoのメジャー通算10枚目となるオリジナルアルバム。シングル「向かいあわせ」「恋のスーパーボール」「ホーム」「ずっと」を含む全13曲収録。初回限定盤は恒例のカラートレイCDケース仕様。

 ベストを挟んで2年3ヶ月ぶり、一番古いシングル「向かいあわせ」も2年ひと月前の作品と、前作に続いて過去最長のインターバルを更新した本作ですが、基本的な路線は今作も変わらず。恋愛をテーマにして綴られたaikoの歌詞、複雑なメロディーの楽曲をポップなアレンジに仕立てる島田昌典によるピアノを核としたバンドアレンジ+ストリングスという構成は従来通りで、「aikoがこんな曲を?!」的な驚きもないですが外しもない、高いアベレージを維持するJ-POP界の三割打者(?)という佇まいは相変わらず。さすがに初期アルバムでのインパクトの強さや鮮やかさは薄れてはきているものの、今までのaikoを愛聴してきたファンにとっては盤石の1枚だと思います。しかしラブソングだけでオリジナルアルバムを10枚を作ってしまった彼女は本当に凄いな^^;。

 …と、ここまでは彼女のオリジナルアルバムをレビューする度に毎回書いているようなことを今回また書いてしまいましたが(苦笑)、本作を聴いての印象をここでひとつ。重たいバラード「Aka」で幕を開け、アルバムリード曲の「くちびる」も含めてミディアム〜バラードが前半に多く配置されているので、穏やかなアルバムなのかな?と思いきや、「運命」あたりからアルバムのテンポが上がってきて、後半はシングル曲も含めアップテンポの曲の割合も比較的多く、この振り分けのおかげか、65分という演奏時間の長さをそれほど感じさせなかったのは本作の特筆すべき点だと思いました。

 毎回、安心して聴けるアルバムを生み出すaikoですが、本作も予想を大きく裏切ることのない、ベテランらしい良盤でした。