
前作「guitarissimo」では曲によっては鋭さというか、世間一般でいうところの「YUIっぽい」というイメージ戦略で売り出された感のある曲もチラホラ入っていたのですが、本作は全編を通じて普遍的なガールポップな作風でまとめられた作品に感じました。前作で見受けられた、曲調によっては意識して声色を変えていた(と思われる)アプローチも本作ではほとんど試みられず、「miwaの声」で一本筋を通したアルバムのような印象です。バラード曲を挟みながらも全体的に勢いのある曲が続く一方で、歌詞はちょっと大人になったかも。基本的にはポップなバンドサウンドを中心に固めてあり、各楽曲のアレンジはバラエティに富んでいます。
総じてJ-POPの王道路線を貫いた聴きやすい作品。突出した「これは!」という曲がない代わりに外れ曲もないという、ハイアベレージなアルバムで、この手のガールポップ好きにはお薦めです。ただ、全14曲ということもあり、総演奏時間は70分近く。オリジナルアルバムでこの長さはちょっと長過ぎ…と感じてしまったことは難点ですかね。前回の真心のレビューと同じようなことを書いていますが…(苦笑)。全体の構成をもう少しコンパクトに練ってくれれば、とも思いました。
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