traveling 2012年4月25日発売、真心ブラザーズの通算13枚目となるオリジナルアルバム。配信限定シングル「朝が来た!」「サニー」を含む全19曲収録。初回限定盤はライブツアーのドキュメンタリーを収録したDVDが付属。

 過去のベストは何枚か持っているものの、筆者が真心のオリジナルアルバムを手に取るのは実は今回が初めて。きっかけは平日の朝と夜に2010年からEテレで放映されている5分間番組「0655」「2355」。この番組に彼らの「朝が来た!」そして「のりこえるの歌」が起用されていたのですが、なかなかCD化されずにヤキモキしていたところ(笑)この度ようやくこの2曲を収録したアルバムが発売されたということでこれは借りねば、ということでレンタルして来た次第です。
 …さて、本作は彼らにとっては実に3年5ヶ月ぶりのオリジナル作品で、ライブツアーで全国を回った際に披露した新曲数十曲の中から、厳選してスタジオレコーディングを行ったアルバムとのこと。一聴した感想は「かなり聴きやすいな…」でした。適度にフォークロック、適度にバンドサウンド、そして時にはラップなどを盛り込んでいる曲もあるわけですが、過剰に個性を主張している曲はほとんど無しでした。ベストアルバムでも何曲か真心の「パブリックイメージ」から逸脱しているように感じた曲が入っていたと思うのですが、本作はとにかく世間の印象に沿ったアルバム、といったところでしょうか。コアなファンとなるとまた別の感想になるとは思うのですが、筆者のように「朝が来た!」「のりこえるの歌」的な王道な真心を期待しているリスナーにはイメージそのままで良いね〜、という印象でした。

 全19曲はすべて歌入り、総演奏時間は約73分にも及ぶということで、正直オリジナルアルバムの構成としては長すぎるな、という気もするのですが(苦笑)、曲単体で聴いていくとユニークな曲もあり、特に「炎の後半戦」やtvk(神奈川ローカルテレビ局)の地元LOVEソングで「tvkが映るんだ〜♪」と歌う(笑)「カモン!カナガワン」はお薦め。フォーキーな「青木橋に陽は落ちて」「ぼくのギター」も良いです。前述の通り、ライト層にとって入りやすいオリジナルアルバムでした。