deenbodohkan2011 2011年12月21日発売。今年の5月に開催された、DEEN4回目の日本武道館公演を全曲収録したライブDVD。発売形態は2枚組DVD+今年の夏のサマーリゾートライブの模様を収録したCD+写真集が付属の初回限定生産盤と、Blu-ray Disc(DVDと映像内容は同じ)の通常盤の2形態でのリリース。筆者はDVDのほうを購入。

 震災後の不安定な状況下の中で開催された本公演。本来予定されていた曲目プランを一度白紙に戻し、「歌詞」に重きを置いたセットリストに変更してのステージだったそうで(この辺りは特典映像で詳しく触れられています)、当日観に行ったライブレポートでも書いているのですが、筆者が「通常のLIVE JOYの延長という感じでスペシャル感が薄い」という感想を抱いたのはDEENのメンバーの発言からすると今思うと納得の内容。例年登場したダンサーやホーン隊、特殊効果、花道などのステージ的な演出はほぼなく、あくまでもバンド演奏、中でも「歌」を聴かせることにポイントを絞っていた公演だったんだ、ということを鑑賞しながら思いました。
 今回のテーマに合わせて定番のヒット曲もかなり減らされ、代わりにライブでフル演奏されるのはご無沙汰なマイナー曲が比較的多いので、ステージプランも含めて全体的に地味目な公演である点は否めないのですが、初披露の新曲ながらライブ映えのする「'need love」「NEXT STAGE」といったニューアルバムの曲での盛り上がりは楽しいですし、今日の世界情勢に対してのメッセージを歌に込めたかのような名バラード「Tears on Earth」は鳥肌モノ。「LIVE JOY SPECIAL」と銘打っていますが、お祭り的な意味ではない「SPECIAL」を味わえる映像作品になっています。

 一方、サマーリゾートライブCDのほうは、今年の9月に開催された神戸、軽井沢でのライブから抜粋して収録。夏がテーマということで「Ballads in Blue」シリーズを意識したセットリストになっているのか、「瞳そらさないで」「日曜日」「いつか僕の腕の中で」「永遠の明日」などは「Ballads〜」収録バージョンで演奏されたり、「I could change」「雨上がりの空、この道を行こう」等のAOR期のレア曲が披露されたりと、なかなか新鮮。アンプラグドライブですが参加楽器は多く、アレンジのバリエーションも豊かで飽きさせません。DEENのライブCDは特典を含めて何度か発売されていますが、本作は今までの中で一番好きなライブ盤かも。

 映像特典のインタビューも含めて、ファン必見&必聴の作品です。これでもうちょっと値段が安ければなぁ…(定価8,400円)^^;。