31nyvk+hA3L__SL500_AA300_ 2011年11月9日発売。ソロプロジェクト・SUEMITSU & THE SUEMITHの末光篤が個人名義に名前を変えて三年ぶりにリリースしたオリジナルアルバム。ピアノインストや「A Lover's Concerto」のカヴァーを含む全8曲収録のミニアルバム。

 2008年の「Shock on The Piano」以来、実に三年ぶりとなるオリジナル作品。同年暮れのベスト以来、アーティスト活動は休止し、楽曲提供やプロデュース業に力を入れている末光氏を見て、もう表立った活動はしないのかな…と淋しく思っていた矢先の復活ミニアルバムということで、喜び勇んで(笑)買いに行きました。

 ジャケットワークやアーティスト写真などは良くも悪くも三年前のまま(笑)という感じの本作ですが、収録内容といいますか、作風には三年を経て若干の変化が見られました。既に配信されていた「Hello Hello」や、アルバムのリード的な「百花繚乱 the World」あたりは、以前と変わらない、ピアノを軸にストリングスを絡めた爆音ロックサウンドが展開されているのですが、その他の曲、特に末光氏本人が作詞を手掛けた曲の歌詞は、かつてのアカデミック的な歌詞の代わりに、明快で分かりやすい歌詞が並んでいて、言葉の数々が抽象的ではなくダイレクトに耳に伝わってくる内容だと思います。さらに、ミックスの影響か、海外ミュージシャンを起用した影響なのか、従来のパワフルなサウンドから少し引いたアレンジの曲が多いのも特徴でしょう。アルバムの統一感という点では、以前のソロプロジェクト時代には一歩譲るものの、力強い曲と力の抜けた曲が上手いバランスで並んでいる作品に仕上がっています。

 とりあえず、私的なことを言わせていただくと、最初に聴いた時に、1曲目のピアノインストが終わり、2曲目のバンドサウンドが始まった時に、「おっ!ついに久々のスエミツサウンド!!」と無条件で喜んでしまったわけで(笑)。三年ぶりの復活を祝うには十分な完成度を持ったミニアルバムです。ちなみに来年4月にもミニアルバム第2弾がリリースされるとのこと。「末光篤」としての今後のアーティスト活動にも大いに期待を持たせる作品でした。