51dyqVS1mmL__AA300_ 2011年7月27日発売、B'zの通算18作目のオリジナルアルバム。シングル「さよなら傷だらけの日々よ」「Don't Wanna Lie」を収録、更に代表曲「ultra soul」の再録バージョンを収めた全13曲。初回盤にはシングル曲+リード曲「C'mon」のPVを収録したDVDが付属。

 アレンジャー寺地秀行氏をはじめとした前作「MAGIC」と同じ制作陣に加え、レコーディング演奏メンバーも今作はほぼ固定、ということで、アルバム全体を流れるギターを核にした生ロックバンドのサウンドが中心の「B'zらしい」アルバム。ピアノやストリングス、サックスといった上モノも曲によっては入っているものの、それらが極端に主張することはなく、あくまで全編に渡ってバンドサウンドで纏められています。ということで、楽曲の統一感は前作以上ですが、逆に言うと楽曲の幅やバランスという点では前作のほうが幅があったかも。とはいえ、これぞB'z王道!といったサウンドは昔からのファンにとっては嬉しいもの。また、稲葉浩志のいつもながらの唯一無二の(笑)歌詞世界は今作でも炸裂。今回はやけに内省的な歌詞が多かったような気がしますが、「ボス」「ザ・マイスター」のユニークな歌詞にはニヤリとさせられてしまいました(笑)。

 なお、本作ラストに収録された前述の再録曲「ultra soul 2011」は、原曲から打ち込み要素を取り除いたバンドでの生演奏バージョン。印象としてはベスト盤「Ultra Pleasure」で行われた「Bad Communication」のスタイルに近い再録だと思います。個人的には今回のリメイクでより良くなったかな、という感想。今作の中ではボーナストラック的な位置づけの曲ですが、シングルのカップリング辺りで過去曲の生演奏リメイクを今後も期待したいところ。

 総じて、マンネリを恐れずに突き進む勢いと、ベテランらしい貫禄を両方併せ持ったアルバムでした。