remioyoursong 2011年4月27日発売。「Flash and Gleam」以来約5年ぶりとなるレミオロメンのライブアルバム。2011年3月9日に横浜アリーナにて開催されたストリングス隊を従えてのスペシャルライブの模様を2枚組で全曲収録。なお、初回限定盤には本公演のライブ映像を全曲収録したDVDが付属。

 今回選ばれた曲は、ほとんどがオリジナルアルバムでもストリングスが導入されている曲がほとんど。何度か彼らのライブには足を運んだことはあるのですが、ストリングスは毎回生演奏ではなく同期で流していたようなので、アルバムの再現という意味では若干物足りなさを感じてはいましたが、今回のライブアルバムは「バンドサウンド+ストリングス隊生演奏によるスタジオ録音盤の忠実な再現」といった趣を持った作品でなかなかに好感触。
 もちろんライブならではのアレンジもあるにはあるのですが、意表を突いて「えっ?この曲がこういうアレンジに?」というような新鮮な驚きの曲はほとんどなし。「明日に架かる橋」がこのコンセプトで選ばれたのには少し驚きましたが(笑)、ヴォーカル藤巻亮太の声やバンド演奏も、5年前のライブアルバム「Flash and Gleam」の時よりも格段に安定していて、安心して聴くことができます。

 3月9日当日開催ということで(まあこの日以外にもスペシャルライブはあったわけですが)、最初に「3月9日」のストリングスアレンジ版で始まり、そしてアンコールのラストに同曲のオリジナルアレンジ版で締める、というのはなかなか心憎い構成。ストリングス隊以外にも後半ではブラス隊が登場し、ストリングス+ブラスが合わさっての「もっと遠くへ」の今回のバージョンはなかなかにお勧め。

 ひとつ気になったのは、今回のライブの選曲がやけに「レミオベスト」以前、つまり以前所属していたスピードスターレコード時代の曲が多かったということ。エイベックスに移籍した後の曲も披露されてはいますが数曲程度。別にレコード会社の関係で…ということはないと思いますが、移籍後にもストリングスを大々的に導入した曲はあるわけで、それらの曲にスポットを当てないライブだった、というのは意外でした。まあ個人的には一番好きなアルバム「ether」からかなり披露されたので嬉しかったんですが(笑)。

 …それはさておき、ライブアルバムとしてのクオリティはかなり高い作品ですので、「ライブ盤ベスト」として、ライトリスナーの方々も楽しめる作品だと思います。