makiharatribute 2011年1月12日発売。マッキーこと槇原敬之の代表曲を、13組のアーティストによってカヴァーしたトリビュートアルバム。全13曲収録。

 既にデビューから20周年を迎えている槇原敬之。筆者は中学生の時に「どんなときも。」で彼の存在を知り、90年代に彼が発表してきた作品を熱心に聴いて青春時代を過ごしてきた、いわゆるオールドファン。今回のトリビュートアルバムは、その90年代の作品が大半を占める、ということで、他のアーティストが彼の曲をカヴァーしたらどんな感じになるんだろう?と興味が湧き、レンタルしてきました。

 今回の参加メンバーは藤井フミヤやゴスペラーズといったベテランから、キマグレンやJUJUといった若手まで、ソロやグループを問わずに様々な年代がそれぞれのやり方で槇原ソングを歌い、演奏しています。比較的原曲に近いカヴァーもあり、一方で一気に幅を振り切った「えっ?!」と思えるようなカヴァーもあり、この人達ならこういう解釈でカヴァーするよね、という、参加アーティストの色がしっかりと出た作品もあり。まあカヴァーの内容的には玉石混交あるかな、という感じがするものの、良い意味でまとまりがなく、次から次へと往年のヒットシングルを様々な味付けを施された新解釈の作品として聴くのは楽しい体験でした。

 個人的に良かったのは、さかいゆうの「遠く遠く」。ピアノとピアニカ、そしてドラムというシンプルな編成に、決意を込めたヴォーカルを絡ませる、アンサンブルが耳に残りました。中村中の「PENGUIN」も出色。こちらは終わった恋を振り返る歌で、もともと原曲はポップなアレンジでそのポップさが逆に切ない印象を与えていたのですが、彼女の場合はこの曲のテーマである失恋を真正面から受け止めるシリアスなアレンジ。これがまた良かったです。あとは「北風〜君にとどきますように〜」のmiwaの浮揚感のある歌声が気に入りました。彼女の作品、聴いてみようかな。

 …久々に槇原敬之の作品に触れてみる良い機会となりました。やっぱり彼の曲はいいですね。アルバム聴きたくなっちゃいましたよ。カヴァーを披露した各アーティストのファンの方はもとより、筆者のようなかつてマッキーを熱心に聴いた人達にも是非一度聴いていただきたい1枚でした。