seiya 今回の「今週の1枚」は久々にマニアックな趣味に走らせていただきます(笑)。TVアニメーション「聖闘士星矢」のヒット曲集第2弾「いかなる星の下に」をピックアップ。1987年7月1日発売。CD、カセット、そしてレコードの3種類で発売された今作。ちなみに我が家ではカセットテープ版を購入していました。

 もう放送開始から20年以上経ってしまった今となっては一応作品の説明も必要でしょうかね^^;。原作は「週刊少年ジャンプ」に連載された車田正美氏の同名コミック。一言でいえばギリシャ神話や星座をモチーフにした格闘漫画、といったところでしょうか。TVアニメとしては1986年から約3年間放映され、当時小学生だった私は毎週土曜日の夜の放送時間を楽しみにしていたものです。また、21世紀になってからは原作の未消化部分のアニメ化もされ、今でもファンからの根強い人気を保っている作品です。

 さて、この「ヒット曲集」。その名の通り音楽シーンを賑わせた曲を収録した…というわけではなく、この時代の東映アニメのソングコレクションの総称と思ってください(笑)。前年発売の第1弾は、「星矢」の世界観を忠実にイメージしたヴォーカル集だったのに対し、今作は「キャラクターテーマ集」と銘打たれており、星矢他、紫龍、氷河、瞬、一輝、そして沙織といった主人公サイドの登場人物にひとりひとりスポットを当てた楽曲を集めたアルバムとなっています。

 キャラクターにスポットを当てたイメージソング的な作品といえば、おそらく現在のアニメでもよくあるのではないかと思うのですが、本作に収録された楽曲群は、キャラのイメージ…というよりも、まさにそのキャラそのもの、他に想像の余地がないほど各登場人物に肉薄した作品ばかり。ファンなら一発で「この曲、このキャラのことを歌っているな」というのが分かる…というか、「ドラゴンブラッド」とか「不死鳥伝説」とか「ネビュラチェーン・兄弟の絆」とか、タイトルからしてそのまんまなのがまた、魅力的です(マジで)。
 なんでここまで深く掘り下げた詞が書けるんだ?!と思って確認してみると、作詞に「星矢」のシリーズ構成・小山高男(現・高生)氏が連名または単独でクレジットされていて、なるほどな、と納得。原作の車田氏が手掛けた「星よ流れるな」「いかなる星の下に」といった曲もありますが、こちらはキャラクター個人の歌というより、登場人物達を大局的に捉えた歌詞で、どちらかというとヒット曲集第1弾の雰囲気に近く、例外的な感じがします。

 ちなみにこれらの歌を歌っているのはアニメで各キャラの声をあてた声優の方々ではありません。当時は声優が主題歌はおろか挿入歌を歌う、というのも結構珍しいケースであり、今作でもMAKE UP PROJECTというポップロックユニット(当時解散したばかりのMAKE-UPの松澤浩明氏が作曲に関わっているので、MAKE-UPの延長上のプロジェクトだったのかも)や、アニソンの女王・堀江美都子女史がその役を担っています。このプロジェクトは匿名性が高く、曲によってヴォーカルも異なるようなのですが、それぞれのキャラクターに合ったイメージの歌声を聴かせてくれています。今聴くとミックスが中音域に集中していて音がやや籠っている印象があるのですが、これが80年代中盤の流行のミックスだったのかも。各楽曲のメロディーやアレンジの完成度は高いので、2010年代に突入した現代の感覚でリミックスやリマスタリングを施したバージョンも聴いてみたい気がします。

 なお、この「ヒット曲集」は全部で3作。第3弾は影山ヒロノブ氏を中心としたプロジェクトでの作品で、今作ほど各キャラクターに沿った曲はなく、J-POPアルバムとしても楽しめる作品です。というか、今作がちょっと異色すぎるのかもしれませんね(汗)。もうこのアルバム自体は生産されていないようなのですが、「コンプリートソングコレクション」というベストアルバムに全曲が収録されているので、色んな意味で(笑)「星矢」ファンは必聴だと思います。