mylittlebest 2010年5月5日発売。デビュー15周年を迎えたマイラバことMy Little Loverのベストアルバム。akkoのソロプロジェクトになってからの楽曲をDisc1に、そしてそれ以前の楽曲をDisc2にそれぞれ収録した2枚組、全27曲。

 時系列順にレビューしていきたいという都合上(笑)まずはDisc2から。デビュー曲「Man&Woman」から、ユニット時代最後のシングル「深呼吸の必要」までの歴代シングルタイトルから15曲をセレクト。2000年に発売されたベスト「singles」と似通った内容…というのは否定できませんが、メンバーでありプロデューサーである小林武史の手腕による豊かなメロディーラインと、実験性あふれる多様なサウンドが満載で、ユニット時代のマイラバの魅力を堪能できる1枚になっています。個人的には名バラード「Days」が外されてしまったのが残念ですが、収録時間の都合ということにしておきましょう(?)。

 そしてakkoプロデュースとなった、ソロ時代からの12曲を収録したDisc1。いわゆる現在進行形のマイラバがこのディスクには詰まっています。
 ソロプロジェクト以降は作詞はすべてakko、そして作曲は提供という体裁が基本形。そのほとんどが初期マイラバを彷彿とさせる、王道ガールポップ的な楽曲で、どれもシングルタイトルに相応しい佳曲が揃っています。元メンバーとなってしまった小林武史も作家として「あふれる」「イニシャル」等を楽曲提供。そんな彼の提供曲をアレンジも含めて聴いてみると、他の提供作家の楽曲は、残念ながら「かつてのマイラバの模倣」みたいな印象を受けてしまうのは仕方ないことなのかも。やっぱり一番akkoの声の良さを生かした曲を書けるのはこの人なんだなぁ、と思ってしまうわけです^^;。
 …とはいえ、ディスクの後半「音のない世界」以降は、また少し作風が微妙に変わりつつあり、akkoの歌い方にも変化が現れてきたり、新曲の「ハーモニー」は彼女自身の作詞作曲だったりと、今後見られるであろう「新しいマイラバ」にも期待が持てる内容でした。

 二人ないし三人時代のマイラバの曲は他のベストでも十分聴けるから…という方には、Disc1のみのベストアルバムも同時に発売されていますので、そちらの方をどうぞ。