ASKA12 2010年2月10日発売。CHAGE and ASKAを無期限活動休止中のASKAがリリースしたセルフカヴァーアルバム。タイトル通りに(?)全12曲収録。

 収録曲はチャゲアス名義で発表した8曲と、ASKAソロ名義の4曲。
 チャゲアスの楽曲は一番新しい曲でも「DO YA DO」(1990年)と、どの曲も初出から20年以上を経過しているナンバーばかりなのですが、アレンジに関しては原曲を尊重した楽曲がほとんど。
 アレンジャーのクレジットもオリジナルと同一(のはず)ですし、どちらかというと新しい解釈でのリメイクというより、再演奏・再録音といった趣きです。かつて「STAMP」というセルフカヴァーアルバムをチャゲアスで発表した時にあった、原曲とかなりかけ離れているぶっ飛んだ(笑)新アレンジの曲というものは今作には存在しないので、その辺を期待すると肩透かしを喰らうかも。
 印象としては当時よりも音遣いを若干変更させた楽曲に、ASKAの「2010年時点でのヴォーカル」を吹き込んだ感じ。原曲にあったCHAGEの上ハモリがないのはちょっと物足りない気もしますが…。

 一方、ソロの方は、オリジナルよりも生演奏度を高めた曲が多いかな、と思いました。原曲ではリバーブ深めの打ち込みバラードといった印象だった「伝わりますか」などはアコギ一本の弾き語り風になっていたり、「月が近づけば少しはましだろう」は、壮大さが増していたりと、元々ソロと発表された曲ということもあり、原曲との違いをチャゲアスの楽曲よりも打ち出してきていると思います。ちなみに「はじまりはいつも雨」はサビの歌い方に明確な違いが(笑)。

 個人的には、そろそろオリジナルアルバムを…という願望もあるのですが(苦笑)、元の曲の選曲も良く、久々にASKAのソロを聴いてみたい、またはチャゲアスのカヴァーを聴いてみたいという方にもお薦めな一枚です。