
前作からぴったり1年後のリリースの本作。シングル曲として先に出ていた「じょいふる」が詞曲共に(彼らにしては)アッパーなナンバーだったので、今作は若干作風全体に変化が?と思いきや、前作とは微妙に参加アレンジャー陣に変化はあるものの、基本的には全曲超王道のポップスにまとめられている印象。三人でヴォーカルを取っている「手のひらの音」あたりがちょっと異色なぐらいでしょうか。
既出のシングル曲を聴いた時点では、若干「最近は似たような曲調が多いかな…」というイメージを抱いていたわけですが、こうやって1枚のアルバムにまとめて聴いてみると、どの曲も芯が通った王道のポップス、これこそが「いきものがかり」のブランドイメージなんだろうな、と考えるに至った次第です。アルバムは4作目を数えますが、メロディーラインはまだマンネリを感じさせないし、吉岡聖恵の真っ直ぐな歌声は個人的にもツボなので(笑)。
また、今作で感じたのは「アルバムの曲もハズレがないな」ということ。1曲目のミディアムポップ「ハジマリノウタ〜遠い空澄んで〜」、2曲目のアップテンポの「夢見台」。この2曲を筆頭として、アルバム曲がどれもシングルに勝るとも劣らない楽曲レベルの高さなのには驚かされました。個人的には純和風のメロディーをしっとりと聴かせる「真昼の月」、マイナー調の「秋桜」が好きですね(どっちも本間昭光氏の編曲だ…)。「明日へ向かう帰り道」も、ラストをしみじみと締めくくるバラード曲で、これも良いかな。
総じて、今回のアルバムも納得度の高い1枚となりました。王道J-POPを愛するリスナーには是非聴いていただきたい作品です。
コメント
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名曲揃いの1枚でしたね。音も心地よくて(「ふたり」みたいなのではなく)。ドリカムの後継者はいきものがかりで決定かも?
曲としては個人的には爽やかサマーな『手のひらの音』が一番ツボでした。
ただ、そろそろ大作揃いになってきて2年ぐらい前みたいに気軽なときに聴けるユニットではなくなってきたな…とも少し思ったり…。すっかり大物になったような、デビューのときから聴いてた身としては中々複雑です(汗)
最近彼らは王道J-POPの後継者っぽい風格が出てきましたよね。楽曲も安定して良いですし。
確かに大物感が漂いはじめた気はしますが…いや、まだまだこれからでしょう(笑)。