lindbergbest 2010年2月3日発売。レコードレーベル企画によるリンドバーグのベストアルバム。2007年発売の同作品を「Blu-spec CD」仕様にて初回限定生産販売だそうです。

 そもそも2007年に本作が出ていたことすら私は知らなかったわけですが(汗)、数あるこの類のメンバー非公認のリンドバーグのベストアルバム、本作を購入に踏み切ったのは、発売元が(ベスト乱発元のテイチクではなく)徳間ジャパンコミュニケーションズで、JAPAN RECORDレーベルからのリリースという理由から。初期の版権を持っていると思われるこのレーベルからの作品となれば、リテイクバージョンではなくオリジナル音源でのベストなんだろうな、と考えてのことでした。

 収録楽曲は全16曲中、デビューから1991年前半までの作品が12曲、それ以降の作品が1996年までで4曲と、リンドバーグの歴史的にはかなり初期に偏って収められています。
 一聴してみると、基本的にほとんどの音源はオリジナルバージョン…だと思われます。「と思われます」と歯切れが悪いのはリンドバーグの初期のオリジナルアルバムを現在手元に所有していないので断言はできないのですが、「今すぐKiss Me」や「JUMP」、「MINE」などはリテイクバージョンと明らかに演奏が違うので「たぶんオリジナルバージョンなんだろうな」と判断しました。
 後年のリテイク版に耳が慣れているからか、デビュー当時の勢い重視な演奏、荒削りながらパワーのある歌唱がパッケージされた今回の音源集はなんだか新鮮。そして、やっぱりこの時代のリンドバーグには若さ溢れる疾走感というか、勢いがあるよなぁ…と改めて思った次第です。

 ところで、なぜか「Dream On 抱きしめて」と「BELIEVE IN LOVE」はリテイクバージョン音源で収録。あと「10セントの小宇宙(ゆめ)」もかな?(←どうやらオリジナルで収録のようです)この辺の選定基準が気になるところですが^^;不遇のデビュー曲「ROUTE 246」や、アルバム曲「RUSH LIFE」「TOUCH DOWN」など、普通のベストアルバムには収録されなそうな楽曲も少しですが収められているのが嬉しいところ。
 あと、なぜかラストにテイチク移籍後の「every little thing every precious thing」が収録。この曲だけストリングスが大々的に導入されていて、年代的にもかなり浮いているのですが、ごった煮ベストの最後を綺麗に締めるには良い配置かな、と思いました(笑)。名曲だし。

 …とまあ、若干「?」は残るものの、初期リンドバーグ+αを堪能できる作品ではあります。Blu-specで2,000円、これが高いか安いかは意見が分かれそうなところではありますが、私は楽しんで聴けました。