bzmagic 2009年11月18日発売。通算17作目を数えるB'zの約2年ぶりとなるオリジナルアルバム。シングル曲「イチブトゼンブ/DIVE」「MY LONELY TOWN」を含む全13曲収録。

 彼らもデビューして21年目。その間にかなりの音楽性の変遷を経てきたと思うのですが、今作ではギター、ベース、ドラムスのシンプルな編成ながら骨太な音を鳴らす前半の楽曲と、その上にブラスやキーボード、そしてパーカッションなどの音を積極的に使用している後半の楽曲とに大きく分かれています。

 まあ、稲葉浩志の手がける歌詞も含め、どれも一聴して「B'zっぽさ」を醸し出している曲ばかりなので、良い意味で盤石だなぁ、という感想なのですが、今回は「MAGIC」のような一度聴いたら耳に残るメロディー、「Time Flies」「long time no see」のような印象的な決めのリフが前面に出ているアレンジの曲が多め。全体を通してカラっとして爽快な印象を受けました。最近のB'zのオリジナルでは一番聴きやすい作品ではないでしょうか。

 あと、今回のアルバムでの一番のポイントは、作品全体の流れの良さ。トータルタイム40分台という、彼らの作品では異例の短さの時間内で、山あり谷ありをしっかりとダレることなく構成されている点。正直前作「ACTION」は長すぎて1枚通して聴くのがちょっと辛かったのですが、今回は一気に最後まで聴き終わった後で「また最初から聴きたいな」という気持ちになる作品でした。オリジナルアルバムってこういう構成がとても大事だと思うので、この点はかなり好印象です。

 …ちなみに個人的に「これは!」と思ったのは、ラストに収められた「Freedom Train」の曲中で薄くなっているクラビネット系の音色だったりします。この曲の曲調やクラビの刻みが90年代中盤ぐらいの彼らの楽曲を彷彿とさせて、なかなかツボでした(笑)。