evangelion2 今回で第45回目となる「今週の1枚」は、先月末に劇場公開が始まった新劇場版第2作「ヱヴァンゲリヲン・破」の公開に便乗・・・したわけではありませんが(?)、アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」のテレビシリーズのサウンドトラック第2弾として、1996年2月16日に発売された「NEON GENESIS EVANGELION II」をご紹介。今週はちょっと趣味に走ったピックアップとなっております(笑)。

 今さら説明は不要かもしれませんが、「新世紀エヴァンゲリオン」は、1995年10月〜1996年3月までの放映当時、そして放映終了直後、劇場版として物語が完結するまでの数年間、社会現象にまで広がった、まあ一言で説明するならばSFロボットアニメ。最近ではパチンコなどで初めて知ったという方もいるかも?放映当時は筆者も高校生という多感な時期、もともとアニヲタの要素もありましたが(汗)、この「エヴァ」にもばっちりハマって、何度もビデオを見直したり、フィルムブックや考察本に手を出したり、そして主題歌CDを友達から借りてヘビーローテーションしていたりと、エヴァ一色の高校生活を送っていたことを思い出します。

 そんな個人的なことはさておき(笑)、今回の「NEON GENESIS EVANGELION II」は、テレビシリーズ用に鷺巣詩郎氏が書き下ろした3作のサウンドトラックのうちの第2作目。
 前年末にリリースされた「I」は、テレビシリーズ全26話全般に使われていた、いわゆる使用頻度の高い劇伴集だったのに対し、この「II」は、どちらかというと「ストーリーの中でピンポイントで使われていた印象に残る楽曲」を多く収録している作品集かな、といった印象のアルバム。

 特に、今回収録されている楽曲群が劇中で用いられているのは、物語中盤(9話〜16話ぐらい)の、1話完結がメインのロボットアクションが重視されていた作劇の頃。全体的にその戦闘音楽用BGMとでも言うような、生演奏を基調とした、ダイナミックな楽曲が数多く収録されています。
 例えば、「Both of you,Dance Like You Want to Win!」「MAGMADIVER」などは、その話の中の戦闘シーンでしか使われなかった1度限りの曲ということでインパクト大ですし、「She said,“Don't make others suffer for your personal hatred.”(奇跡の価値は)」「The Day Tokyo-3 Stood Still(静止した闇の中で)も含めて、アニメの各話のサブタイトル(カッコ内)のイメージを英詩に訳した(実際の意味合いは結構違いますが)楽曲タイトルが用いられていて、一度エヴァを観た人ならば、「あ、この曲あの話で使われたんだな〜」という映像の記憶とのシンクロを果たすことができるでしょう。

 また、前作「I」で収録され、その後全般にわたって使用されることになる、緊張感あふれる「ANGEL ATTACK」の別バージョン「Spending Time in Preparation」(これは後年のテレビドラマ「踊る大捜査線」でもBGMとして使われていた記憶が)や、主人公達が暮らすマンションでの何気ない日常のやり取りの時にふと流れるフレンチポップス風の「Waking up in the morning」や、後半(17話以降)の登場人物の深層心理にスポットが当たってどんどん話が暗くなっていく(苦笑)中で、自問自答のシーンなどに使用されるようになる無機質な「BORDERLINE CASE」、確か劇中でのテレビからのBGMだったかな?と記憶しているその名も「BACKGROUND MUSIC」など、軽くポップな楽曲から、何か心が重くなりそうな不協和音が奏でられるような楽曲まで、幅広く収められています。

 そんな中、個人的にオススメなのは、やり場のない想いや哀しみなどを、主旋律を奏でるストリングスで表現した「THANATOS」。最後が何か「ルパンIII世・愛のテーマ」みたいになるのも良い感じです(?)。後に旧劇場版完結作の映画主題歌として英詩が付けられ、シングル発売されているので、エヴァファンのみならずも一度は聴いたことがあるのではないでしょうか。

 なお、インスト楽曲だけではなく、いわゆる「歌モノ」も数曲収録されているわけですが、中でも高橋洋子が歌うバラードナンバー「予感」は、作品世界と非常にマッチした詞が奥深い名曲。エヴァの主題歌としては代名詞的とも呼べるオープニング「残酷な天使のテーゼ」のテレビサイズバージョン、そしてスタンダードナンバーを、ボサノバ風、そしてジャングル風へと斬新にアレンジした「FLY ME TO THE MOON」もありと、単なるインスト集で終わらない、遊び心も感じさせる作品になっています。

 今作の後、「NEON GENESIS EVANGELION III」が放映終了後に発売。おそらくエヴァのサントラCDの中では「III」が最高の売り上げを残した作品だと思いますが、あの作品はマニアック中のマニアックなサントラ集という感じで、あれだけ売れたのは今思えばブーム爆発の頃だったからなのかなぁ・・・とも思います。スタンダードな「I」とマニアックな「III」に囲まれて、少々影が薄いイメージのあるこの「II」ですが、エヴァファンならば一度はチェックしておいて欲しいサントラですね。

 ・・・とまあここまで書いて、エヴァに関心のない人には「?」な内容のレビューを書いてしまったかなぁ、ということに気づきましたが、まあそれはそれ、これはこれ(笑)。筆者はまだ未見の劇場版「破」。早く時間を作って観に行きたいものです。