
森俊之プロデュースによる先行シングル「大切にするからね」以外の11曲は風味堂自身のプロデュース&アレンジとなる意欲的なアルバム。
全体的な印象としては、ピアノロックの王道を突き詰めた「風味堂2」、アコギや打ち込みを注入して実験的な要素を持ち込んだ「風味堂3」、この過去二作のアルバムの良いところを上手い具合に抽出したアルバムと呼べるでしょうか。
これぞ風味堂!といった「Hey,Boys and Girls!」に始まり、「禁煙宣言」「未確認飛行物体な少女」といったユニークな歌詞、おなじみのエロ路線(笑)「昼下がりのBallerine」、ちょっとセンチな「ウィスキーコーク」など、収録曲には今までの彼らの路線の集大成のような作品がずらり並んで、バラエティ豊かな内容になっています。
風味堂といえば「ナキムシのうた」や、「愛してる」といったちょっとメロウな路線の曲が代表曲として認識されているとは思いますが、それだけではない彼らの歌詞、演奏ともに感じられる多面性を楽しめるアルバムだと思いました。
そんなわけで今作も安定したレベルの作品を届けてくれた彼らですが、個人的にはデビューアルバム「風味堂」を聴いた時ほどのインパクトはさすがに感じなかったのが正直なところ。
集大成的な作品を作り上げた今、果たして次回作はどのようなアプローチで来るのか?楽しみに待ちたいと思います。
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