
The LOVEの無期限のバンド活動休止から約半年、ソロとして再始動した平義隆の第1弾シングル「蛍川」を含めた全13曲を収録。極端にThe LOVEの時のイメージを払拭しようとか一掃しようとか、そういった意志はどうやらないようで、これらの曲達はぱっと聴いた印象ではソロでもバンドでもあまり変わらないな〜というのが正直な感想です。
まあ確かに、The LOVEのほとんどの曲は彼自身が手がけていたわけだし、極端に変わることはないだろうなぁ、と聴く前から予想していましたが・・・。
敢えて違う点を探すとすれば、バンド時代よりも比較的オケはおとなしく、よりアコースティック色を強め、ベースとギターの主張はかなり控えめ、といったところで線を引いている、といったところでしょうか。
あとは、歌詞。色々な愛の形を歌っていた平氏ですが、ちょっと世間を俯瞰して見ているような「彼や彼女の物語」や、故郷の博多弁を全編に取り入れた「櫛田入りの頃に」などは新境地といってもいいかな、と思います。
とはいえ、このアルバムで新たなファンを開拓できるかどうかと問われれば、正直「どうかな?」と思うし、「これThe LOVEの新曲だよ」と事情を知らない人に説明すればすんなりと納得されてしまいそうなアルバムではありますが、裏返せば、今までの音楽性を愛してくれているファンやリスナーの期待を裏切らない堅実な作り。地味ではありますが、良作だと思いました。
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