bestangleforthepianist 2008年12月3日発売。末光篤のソロプロジェクトバンド、SUEMITSU & THE SUEMITHのベストアルバム。

 初のベストにしてソニーからは最後のリリースになりそう・・・というのは、今年をもって彼は事務所とレコード会社から離れることが決定しているそうで、今回はこうした状況を踏まえてのベストアルバムのリリースとなった模様。
 とはいえ、本人の要望で新曲も3曲収録、そして既発表曲のニューミックス(前作「SHOCK ON THE PIANO」からの曲がミックスし直されているのが多いと思うのは気のせい?)もありと、なかなかのファンサービスぶり。また、全シングル曲や、アルバムからの代表曲がしっかりと選び抜かれていて、「これぞスエミツの王道!」という曲が満載。まだ彼の音楽を聴いたことのない人向けの入門的なアルバムとしてもバッチリだと思います。

 そして、今回のベストアルバムを聴いて思ったことなのですが、やはり曲順って大事だな、と(苦笑)。
 というのは、SUEMITSU & THE SUEMITHのナンバーは日本語詞、英語詞に関わらず、末光氏の卓越したピアノのテクニック+突き進む生バンドの疾走感あふれる、技巧派ピアノロックといった曲が良くも悪くも多いわけで、1曲1曲がとにかく濃く、オリジナルアルバムを1枚通して聴くと正直疲れてしまっていたのですが(汗)、今作ではその辺が考慮されたのか、ノリノリの序盤の終わりにミディアムの「It's OK(I Guess)」(新曲)を挿入したり、中盤にバラード「Sagittarius」を配置したり、ほぼオルガンのみの演奏という「Amen」(これも新曲)を終盤に持ってくるなど、1枚通しての緩急が上手くつけられているアルバムだな、と思いました。というか、こういう構成でオリジナルアルバムを作ってくれれば良かったのに^^;

 彼の今後の活動は未定、というのが残念なのですが、またいずれ何らかの形で世に新作を発表してくれることを期待しています(クラシックピアニストとして再登場!とかでもそれはそれで面白いとは思いますが・笑)。