kazenokuroma 2008年10月29日発売、レミオロメン通算4作目のオリジナルアルバム。全15曲収録。

 メジャーデビュー作の「朝顔」から、アルバムをリリースする度にポップ色(というか小林武史色?)を強めてきた彼らですが、今回の新曲に関しては、前作の「HORIZON」と「ether」の中間ぐらいのバンドサウンドといった感じ。
 スリーピースロックバンドの面影は薄くなっている点は否めませんが、ギターサウンドも適度にあり、キーボードの装飾もそれほど過剰ではなく、歌詞も前作ほど「実験に走っている」という感もないので、ある意味、ここ一、二年でのレミオロメンの「予想の範囲内」の仕上がりになっていると思います。
 この盤石さが、特に昔からのファンからは賛否両論を呼んでいるわけですが、個人的には、この路線で進むなら軸をブレさせずにとことんやって、「新しいレミオロメンのスタンダード」と呼べるようにまで成長していってほしいと思います。

 ただ、今回は既にシングルで出た曲が8曲(新曲は7曲)収録されているのと、新曲、シングル、新曲、シングル・・・の繰り返しの曲順になっているので、あまりアルバム全体を通しての「アルバム一枚の統一感」は感じられませんでした。まあ製作時期がだいぶ違う(一番古い「茜空」で1年半前ですから・・・)ので仕方ないと言われればそれまでなんですが、次回作はビシっと一本筋の通ったアルバム構成にしてもらいたいです。