2020年09月19日 22:14

evabox 1995年10月より放送を開始したTVアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」は来たる2020年の10月でちょうど25周年。そのアニバーサリー企画として、2020年10月7日にTVシリーズ(全26話・1995〜1996年)、劇場用映画(2作・1997年)関連の既発サウンドトラックを5枚組のCD-BOX「NEON GENESIS EVANGELION SOUNDTRACK 25th ANNIVERSARY BOX」に収めて発売されます。今回の「CD Review Extra」では、BOX発売を記念して、鷺巣詩郎が手掛けた収録5作のサントラ+劇場版公開前に発売された番外編CD1枚の計6枚を1枚ずつレビュー。「続きを読む」からご閲覧ください。続きを読む

2020年09月12日 20:57

tmclips 2020年8月26日発売、TM NETWORKデビュー35周年のフィナーレ企画として「DECADE 2020 HD REMASTER」と同時にリリースされたBlu-ray映像作品。

 元々はデビュー20周年時の2004年末「All the Clips」としてソニー在籍時代(1984〜1994年、1999年)の公式MVを網羅(1曲に複数あるMVは1バージョン)したDVDとして発売。今回はリニューアル盤としてそのDVDの全編をリマスターしたのに加え、特典映像として、1987年にリリースされた映像作品「Self Control and the Scenes from "the Shooting"」をリマスターし収録。「Self〜」も2005年にDVD化されており(現在は廃盤)、本編共々すべてが既発映像。ブックレットは「All the Clips」を踏襲したデザインに加え、3頁に渡る藤井徹貫のライナーノーツ(といっても本作品には全く触れていないからエッセイ?)、そして今回のリマスタースタッフ一覧が詳細に記載されていて僅かながらバージョンアップを感じさせる内容になっています。

 本編の内容に関しては以前に全曲レビューを行っているのでこちらも参照(今回の発売にあたって一部加筆しました)。リニューアル盤の画質ですが、デビュー当時の作品より1985〜1986年の作品のほうが画像がかなり粗かったり、90年代のTMN期以降は画質が向上していたりと、昨年発売のライブBlu-rayボックス同様の感想で、元の映像の保存状態によって大きく左右されている印象。まあ最新のものでも20年以上前の作品だし、現在の家庭用の平均的なテレビの大きさで「ギリギリ観られる」画質になった、というのが正しい表現でしょうか。個人的には「Rhythm Red Beat Black」で宇都宮隆が顔にうっすら白塗りメイク(?)しているように見えたのは新鮮な驚きでしたが。なお、旧DVDと比較すると、画面に出る白い文字(「Kiss You」「Nights Of The Knife」)の明度が少し落ちた=画面に馴染んだかな?という違いを感じました。

 特典映像は、本編でも収録されている「Self Control」のMV制作時に同時進行で撮影されたと思われるショートムービーが約10分、そしてアルバム「Self Control」の収録曲をBGMに、撮影時のメイキングやオフショットを収めた映像が約15分という内容。ショートムービーはストーリー性は一応ありますが、セリフなどは一切なく、メンバー三人の出番よりも出演している子供達のシーンの方が多いという「Self〜」のMVを素材にしたイメージビデオといったところ。むしろエンドロールの木根尚登の妙な動きのほうが気になりました(笑)。メイキング映像も特にメンバーの意外な素顔が!というサプライズもなく普通だな…という感じでしたが、宇都宮が片足を上げて映る映像(後に「Nights Of The Knife」MVで使用)はここからの引用だったのか、という発見が嬉しかったりしました。

 前述の通り、全既発映像のアップコンバーター版なので、旧盤を持っていないリスナー、あるいは筆者のような重度(?)のファン向けで、DVD盤で満足できる層にはわざわざ買う必要はないかな、というのが正直な感想。なおSONY公式では9月末まで、今回の2作品の発売を記念したWebラジオを公開中。旧知の仲であるアナウンサー・上柳昌彦の進行で宇都宮・木根がそれぞれ当時の裏話を語るなかなか面白い内容です。こういうのを副音声にでも入れてくれれば良かったのに(笑)。ファンの方は公開終了前までに是非ご視聴のほどを。

2020年09月05日 15:20

sakaitouch 2020年3月4日発売、さかいゆうの通算6作目のオリジナルアルバム。全12曲収録。初回限定盤はSHM-CD仕様+昨年10月に日比谷野外大音楽堂で開催されたライブの模様と本作のレコーディングドキュメンタリーやMVを収録したDVDが付属。なお、本作から厳選された9曲をアナログ盤で8月29日にリリース。さらに収録曲「Soul Rain」のピアノ弾き語りバージョンのシングルCDと同梱で本作の全曲のインストトラックを収録した「Soul Rain + Touch The World Instrumentals」も6月に限定生産で発売。本レビューはCDのみの通常盤となります。

 昨年1月の前作リリース後、6月、7月に配信限定のリミックス曲を2作リリースした後、8月からは新曲の配信がスタート。その際の楽曲「Journey」は本作には未収録(MVのみ初回盤のDVDに収録)で、以降の「She's Gettin' Married」(9月)、「Dreaming of You」(10月)、「孤独の天才 (So What) feat.Terrace Martin」(11月)を収録。さらにアルバム発売に先行して「21番目のGrace」(2月頭)「Getting To Love You」(2月末)も先行配信されたので、アルバム発売時の未発表新曲は7曲。なお、「21番目〜」の配信時よりユニバーサルミュージック内のオフィスオーガスタ専用レーベル・newborder recordingsに移籍しています。

 国内・海外問わずのミュージシャンを招いて制作された前作と異なり、本作はさかいが世界を旅しながら海外のミュージシャンとのレコーディング(ロンドン、ニューヨーク、ロサンゼルス、サンパウロ)を重ねて作り上げたとのこと。だからというわけではないのでしょうが、英語曲(一部日本語が混じっている曲も含めて)は4曲と多め。どの曲をどこの地域で誰とレコーディングしたのかは歌詞ブックレットのクレジットで詳細に記載されているので判別可能ながら、その地域独特の音が色濃く出ているか?というのところまでは正直分かりませんでしたが、どの曲も日本の(いわゆる世俗的な)ポピュラーミュージックからはかけ離れた音、フルートやサックスなどの金管楽器をフィーチャーしたソロの上質さ、そして全体に漂うきめ細やかなバンド演奏という印象は強く感じました。
 その他、耳を惹いたのは「孤独の天才〜」でのこぶし回しっぽい歌い方や、他の曲でも従来よりもハスキーな歌い方をするなど、表現力が上がっているな、と感じさせる曲が数曲あり、ソングライターやアレンジャー、プロデューサーとして評価されがちな彼の、ボーカリストとしての成長もうかがうことができました。

 ライトリスナーが興味を示しそうなシングル級のナンバーが特になく(強いていれば再録でシングルカットされた「Soul Rain」は結構いい線行ってるような気もしますが)、前作のレビューでも書きましたが、活動を重ねる毎に一般ウケから遠ざかっていくという傾向が更に強まったかな、という感想。所属のオフィスオーガスタの中のみならず、いよいよ日本の音楽界で異色のポジションを築き始めた彼、次の一手はどう出てくるのか期待です。

2020年08月30日 14:24

fovextrarare 2020年5月13日発売、FIELD OF VIEWのデビュー25周年(1995年デビュー、2002年解散)を記念してのベストアルバム。CD2枚組全30曲収録+初の商品化映像を収録した約1時間のDVD1枚の計3枚組。

 2002年末の解散までに公認ベストを3枚、解散後はビーイング主導の非公認ベストを3枚リリースしている彼ら。今回のベストはデビュー25周年を迎えたタイミングの2020年にボーカルの浅岡雄也がビーイングに掛け合い実現した(要約)そうで、通算4作目の公認ベスト作品になります。基本的にシングル集だったこれまでのベストと異なり、未発表テイクのシングル曲に加え、アルバム初収録となるカップリング曲4曲、さらに未発表の新曲を5曲収録という大盤振る舞い。リマスターは勿論のこと、歌詞ブックレット内には4頁にわたって収録曲ごとの浅岡本人のライナーノーツも掲載され、かつてないほど気合の入った内容になっています。

 CD2枚は時系列ではなく、DISC 1は「君がいたから」、DISC 2は「突然」という大ヒットシングルから始まり、シングル曲の合間にカップリングやアルバム曲、そして新曲を適度に配置し、最後はバラードナンバーで締めるという、1枚ずつ完結している流れのある構成。シングルの未発表テイクはデビューシングルの「君がいたから」から「ドキッ」までの5作のシングルになりますが、どの曲も正式採用されたテイクの微妙なミックス違いといった感じで、よほどのコアなファンでなければ違いがすぐには分からないようなバージョンなので、正式テイクとの差異を気にしなくても特に問題ないと思います。むしろテイク違いが公言されなかった「青い傘で」のほうが冒頭から明らかに各楽器のバランスが異なる未発表バージョンだったというのがサプライズではありました(笑)。

 新曲5曲は前述のライナーノーツによると制作時期がそれぞれ異なるようで、浅岡が令和の時代になってから歌詞を書きおろしたと公言している曲あり、編曲クレジットに当時ビーイング在籍だった明石昌夫の名前があったり、録音メンバーのクレジットに新旧ミュージシャンの参加表記があったり…と、どこまで作っていてどこからが今回用に再録音したのかは曖昧。曲調は幅があり、彼らのパブリックイメージ的なバンドサウンドから、活動末期の打ち込みを全面的に使用したナンバーまで様々ですが、歌詞は基本的にひとつのテーマを様々な角度から描いているという意味で統一感がありました。ただ、浅岡以外のメンバーで今回の録音に明確に参加していたのはドラムスの小橋琢人が1曲だけ、しかも担当パートはドラムの打ち込みだったというのが少し残念。彼の生ドラムが響く新曲ももう数曲録音して欲しかったな、と思います。

 DVDは「FIELD OF VIEW 〜the Extra Reflections〜」。各オリジナルアルバムから1コーラス程度のプロモーション映像39曲、さらに「Still」「青い傘で」のライブ映像(2000年開催のライブツアーの映像のようです)を収録。プロモーション映像はこの時代のビーイングにありがちだった「スタジオで作業中のついでに素材的に撮る」というものではなく、ちゃんとロケ地やステージセットで撮影用の衣装も着て演奏している本格的なもの。当時のビーイング情報番組「NO.」あたりで流れた映像ではないかと推測しますが、アルバムの曲までこんなに沢山撮影してたんだ…というのが驚き。「CAPSULE MONSTER」だけは謎のモノクロアニメで1曲のみというのが残念でしたが、解散時のMV集「VIEW CLIPS」との被りも全くといっていいほど無しでコアなファンも満足できそうな内容。あとはメニュー画面と曲目表記があれば完璧でした。そして今回は2曲だけだったライブ映像もまだまだ眠っていそうで、今後何かの機会にでも放出してくれたらな、とも思いました(笑)。

 …ということで結構なボリュームのコアファン向けベストであり、代表曲もほぼ網羅されているとはいえ、いきなり初心者がこれを聴くのはちょっと重ため。これまでのベストを1作聴いて、更に彼らの音楽世界を体験したい、というライトリスナーへ「2作目のベスト」として聴く流れがお薦めです。それにしても解散から約18年、まさかこの時点でここまで凝ったベストが制作されるとは思ってもみなかったし、カップリングの名曲達も長い時を経てようやくアルバムに収録され、さらに新曲多数と、ファンとしては「予想さえしてないギフト」を有難く受け取らせてもらいました。

2020年08月23日 10:26

begin24-7 2020年8月19日、各音楽配信サイトで販売開始されたBEGINの通算4作目の配信限定シングル。

 作詞・作曲は単独名義でのシングル発売は初となるギターの島袋優、編曲はBEGIN名義。沖縄発祥のビール会社・オリオンビールが発売したプレミアムクラフトビール「75BEER」のCMソングとして起用され、BEGIN本人達も楽曲を演奏する役としてCMに出演。既に昨年末の時点で冒頭のスロー部分にスキャットを入れたバージョンでのCMオンエアは開始されていたようですが、フルサイズバージョンでこの夏ようやく配信という形での発売となった模様。

 タイトルの「24-7」は音楽用語?と思いきや、24時間・7日間、「年中無休」を意味する(読みは「にいよんなな」)という造語らしく、「頑張っている全ての方に向けた、BEGINの応援ソング」とのこと。辛い出来事や上手くいかない事が多い世の中だけど、明日に向かって歩いていこう、というメッセージ(大意)を大上段からではなく彼ららしい水平の角度から綴った、曲調はブルース寄りのロックですが前向きで力強い楽曲に仕上がっています。

 なお本作で特筆すべきはボーカルのパート割り。Aメロとサビの大部分を島袋が、Bメロをキーボードの上地等が歌い、普段はメインボーカルを務める比嘉栄昇は曲全体にほぼ休みなくフレーズを入れるブルースハープの演奏に徹し、歌うのはサビで2回出てくる「Have a good life / good life」のみ、という斬新な試みがなされています。かつて「海の声」でも島袋がメインボーカルを務めるなど、タイアップ関連曲で比嘉が脇に回る曲は初めてではないですが、初めてMVを観た時は結構衝撃的でした。比嘉が全部歌うとかなり濃い感じになったと思われ、曲の印象も全く違ったものになるのでしょうが、ビールのCMソングらしい爽やかさにはナチュラルな島袋・上地の歌声がマッチ、といったところでしょうか。そこに短いフレーズ担当ながら聴き手に強烈なインパクトを残す比嘉のボーカルが飛び込んでくるのが良いアクセントになっていると思います。

 2010年前後ぐらいから共同名義のクレジットがほぼなくなり、メンバー個人名義での楽曲クレジットが増えてきたBEGINですが、今回は「三人で歌うBEGINナンバー」として新鮮な作品でした。

2020年08月15日 21:30

makiharafront 1997年よりデビュー以来在籍したワーナーを離れ、Sony Records(→SME Records)に籍を移した槇原敬之。同時にセルフプロデュースを開始し、ワーナー時代とは少し違った角度からの楽曲が増えてきた時期でした。自身の楽曲制作以外にもカバーアルバム、他者のプロデュース、初のアリーナ級のツアー、変わったところでは菓子パンのプロデュースなど、意欲的な活動が目立っていたのですが、思わぬ形でソニー時代は終わりを告げることに。今回の「Artist Archive」では、そんな彼の1997〜1999年に残した全アルバム、その後にリリースされたソニー関連の非公認的なベストも含めて1枚ずつレビュー。「続きを読む」からご閲覧ください。

第1次ワーナー時代(1990〜1996)の全アルバムレビューはこちら
同時期の全ベストアルバムレビューはこちら

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2020年08月09日 11:35

artblakeyjustcoolin 2020年7月17日発売、アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズの世界初登場となる発掘音源アルバム。未発表楽曲2曲を含む全6曲収録。

 2019年はアート・ブレイキー生誕100周年、そして今年2020年は同氏の没後30年。このタイミングで本作のリリースがアナウンスされたのは今年の3月。本来は4月24日に全世界での同時発売を予定していましたが、新型コロナウイルスによる影響と国際状況を鑑みてリリースを8月7日に延期。その後発売が前倒しになり、通常盤SHM-CD、LP盤は7月17日に、SA-CD盤は8月7日にそれぞれリリースという経緯を辿りました。本作のレビューはSHM-CD。なお印刷差し替えが間に合わなかったのか、ジャケットの発売表記が8月7日のままなのはご愛嬌。

 録音年月日は1958年3月8日。ブレイキーの録音史としては代表作「MOANIN'」の約半年後の録音で、演奏パーソネルはブレイキー(Ds)、リー・モーガン(Tp)、ボビー・ティモンズ(P)、ジミー・メリット(B)に、「MOANIN'」でのベニー・ゴルソンに代わってハンク・モブレー(Ts)が加わった五人編成。発売レーベルはかつてブレイキーが所属していた老舗のジャズ・レーベル、ブルーノート・レコーズ名義からで、全曲スタジオ録音、ブルーノートの公式レコーディング記録にも残っていた「未発表公式スタジオ録音盤」となっています。

 収録楽曲はバラードは1曲もなく、ミディアムテンポとアップテンポが半々ぐらい。ステレオ録音になっており二管はモーガンが左、モブレーが右に配置され、どの曲もモーガンの勢いのあるトランペットと、モブレーの朗々としたテナーサックスの競演にティモンズの転がるようなピアノが彩りを添えるのが基本的な楽曲進行で、ブレイキーはドラムソロをドカドカ披露するというよりも、各演奏者を鼓舞するような合いの手的なリフを入れる曲が多いのですが、未発表曲「JIMERICK」では長尺のソロも披露しており、このソロ直前の「来るぞ来るぞ〜」的なタメがベタながらとても良いです(笑)。
 ティモンズのピアノのラインを追いかけて聴くのが楽しいもう1曲の未発表曲「QUICK TRICK」は5分弱、他の曲もスタジオ録音ということもあり、ラストのタイトル曲「JUST COOLIN'」以外は6分半前後の曲で比較的コンパクト。熱いソロが繰り出されるライブ録音盤がメッセンジャーズの醍醐味であり、それに比べると(彼らにしては)随分スマートに演奏してるな、という印象なのですが、収録時間約40分、1曲ごとの適度な長さもあってちょうど集中して聴ける演奏時間なので、繰り返し聴いても飽きないような耐久度を持ったアルバムと呼べるでしょう。

 今回のリリースにあたってはクレジットにマスタリングエンジニアとしてバーニー・グランドマンの名前が明記され、音質は今から約60年以上前のマスターを現代においても特に違和感なく聴かせる仕上がり。2020年の今日に至るまでなぜ陽の目を見なかったのか、というのは録音約一ヶ月後のライブで本作の収録曲の大半を演奏した音源が、後に2枚のアルバムとして発売されたから…という当時の状況があったようで。それを差し引いてもここまで眠らせておくには惜しい完成度の作品であり、ジャズ・メッセンジャーズ愛好家には必聴の1枚ではないでしょうか。

2020年08月01日 21:25

gundam40th2 2019年12月11日発売、ガンダムシリーズ放送開始40周年を記念したプロダクトの一つ、DJシーザーによる歴代ガンダムシリーズ主題歌のミックスCD第2弾。

 コンセプトとしては同年4月にリリースされた第1弾の延長戦的な本作ですが、ジャケットは歴代のガンダムがズラリと並んだ前作とうって変わり、シャア専用ザクを筆頭に各作品のライバル機や敵の親玉(笑)が不規則に並んだガヤガヤっぷり。そして内容に関しても、ほぼ作品の顔的な主要オープニングテーマを選び尽くした感があった前作と対になるかのように、普段あまり陽の目の当たらないオープニング(後半話数の主題歌など)やエンディング、番外編的な映画の主題歌などファンは知ってるけど一般的には知名度はそれほど…な楽曲を取り揃えるなど、前作と好対照。これらの曲を40曲、ほぼ1コーラス程度、約67分に渡ってノンストップで収録しています。

 選曲は40周年の前半にあたる20世紀までの楽曲は40曲中12曲と、後半年代の21世紀以降の曲が圧倒的で、第1弾よりもバランスが偏りがち。まあこれは20世紀作品の映画を含む主題歌が前作で大体出尽くしてしまった一方、1クールごとに交代する傾向のある21世紀以降の作品主題歌のストックはまだ潤沢にあるから、という理由なのかもしれませんが、それもあって懐かし需要的要素は比較的薄く、「ガンダムNT」や「ガンダムUC RE:0096」といった最近の作品からのセレクトもあって、全体的には割りかしマニアックな印象を受けました。
 前作と変わらないのは、ポップ色の強い80年代、それにロック色が加わり後半になるとデジタルサウンドに移行していく90年代、各アーティストの色に基本的にお任せしているようにも見える00年代以降と、各年代ごとのサウンドが行ったりきたりで流れが進行するのを聴く楽しさでしょう。ちなみに一番落差があって衝撃的だったのは中盤に出てくる「Meteor -ミーティア-」からの「永遠にアムロ」。同じバラードでもいかにも浅倉大介なデジタルサウンドの前者と、牧歌的サウンドの後者の対比には結構クラクラしました(笑)。

 前作の中盤であったセリフの引用演出は今回はないのかな?と思いきや、一番最後、40曲目の「めぐりあい」の序盤で待望の登場。使いどころの分かっている演出が嬉しいところです。総じて前作よりは敷居が高め、むしろ21世紀以降のガンダム作品がリアルタイム、という世代が懐かしむミックスCDかな、と思いました。さすがに玉を打ち尽くした感はあるので、第3弾は出ないとは思いますが、個人的には劇中挿入歌縛りの超マニアックなミックスCDもあったら面白いな、などと思っております(笑)。

2020年07月26日 13:21

boom 宮沢和史(Vo)、小林孝至(G)、山川浩正(Ba)、栃木孝夫(Dr)の四人組ロックバンド・THE BOOM。1986年結成、原宿ホコ天での活動を経て、1989年5月にCBSソニーよりメジャーデビュー。1993年のリカットシングル「島唄」のヒットで全国に知名度を広げ、「berangkat -ブランカ-」「帰ろうかな」「風になりたい」等がヒット。以降、数回のレコード会社移籍と活動休止、各自のソロ活動を繰り返しながら、2014年12月17日の日本武道館公演をもってバンド解散という歴史を辿った彼ら。今回の「CD Review Extra」では、彼らが残した全ベストアルバムを公認・非公認含めて1枚ずつレビュー。「続きを読む」からご閲覧ください。続きを読む

2020年07月18日 22:14

hzettrioresola 2020年1月1日発売、H ZETTRIO通算5枚目のオリジナルアルバム。本編全12曲に加え、異なるボーナストラックを1曲ずつ収録する「DYNAMIC FLIGHT盤」「EXCITING FLIGHT盤」の2種でのリリース形態。本レビューは「DYNAMIC FLIGHT盤」となります。

 従来の彼らのリリースパターンは「シングル曲を4〜5曲先行配信し、数ヶ月後に未発表の新曲を交えたCDアルバムを発売する」というものでしたが、本作は2019年1月1日の「Journey」を皮切りに、毎月1日に配信シングルをリリース。それが1年分(=12曲)貯まった翌年の1月1日に全曲を網羅し、オリジナルアルバムとして発売、という新しい試みがなされています。「Birds Fly」は再録バージョン、「Z界のテーマ」はハンドクラップを追加したアルバムバージョンというオリジナルとの違いはあるものの、ボーナストラックも含めて全曲が既発曲。

 収録曲は「レソラ」「幻想ノスタルジック」などを筆頭に、基本的にはピアノ+ベース+ドラムスのトリオ編成でのノリの良い曲が多め。曲順は時系列ではなく、アルバムの流れを考えたようで、ほぼベースが主役の「NIRE The Bassman」を序盤に、ミディアムの「Relax Time」を中盤に、途中までは熱量のある演奏なのに最後のほうで緩いラップが入る(苦笑)「Z界のテーマ」を中盤明けに配置。これらはシングル曲ながら「アルバム曲っぽい楽曲」なので、他のキャッチーな曲に挟まれることでアルバムの良い緩衝材になっており、全体のバランスを取るのに一役買っている印象です。元々押しの強い演奏が持ち味(?)の彼らですが、各シングル曲を1枚のアルバムに纏めるにあたって前述の工夫が見られ、緩急の付いた構成で比較的聴きやすいのはポイント高め。
 ちなみに「DYNAMIC FLIGHT盤」のボーナストラックは、1曲目の「レソラ」のライブバージョン。原曲は途中からキーボードが入ってくるのですが、このバージョンは正真正銘のトリオスタイルで演奏の違いを楽しめるトラック。なお「EXCITING FLIGHT盤」には2018年7月の配信シングル「Make My Day」が収録されています。

 …ということでH ZETTRIOの2019年の全音源をCDにまとめて一気に堪能、という点では有意義なアイテム。ただ、せっかくのCDパッケージなのだから新曲を1〜2曲ぐらい入れてくれれば…などと思ってしまうのですが、前述のバージョン違いを考えなければ全曲配信購入済(1曲各200円)の場合の総額とCD1枚の価格はそんなに変わらないし、配信で聴きたい人、CDで欲しい人のどちらかに特別な付加価値を与えるということもなくイーブンで、というのが彼らのスタンスなのかもしれません。
 そんな彼らは2020年に入っても毎月1日の配信シングルリリースを続行。何でも2020年末まで24ヶ月連続配信に挑戦中とのこと。今年は音楽業界でもイレギュラーな出来事が相次ぐ年になってしまっていますが、完遂できることを願っています。

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