2020年10月18日 13:35

ishikawadenims 1990年9月25日にパイオニアLDCよりシングル「Spirits」でデビューした石川よしひろは今年でデビュー30周年。「二十歳の夜」「明日への卒業」「ENDLESS DREAM」等の代表曲を持つシンガーソングライターとしての音楽活動を軸に、オールナイトニッポンなどのラジオDJ、舞台音楽担当、そして役者としても幅広く活動を続ける彼ですが、ベストアルバムの類は意外と少なく、オリジナル音源を基調にしたベストは全3枚。今回の「CD Review Extra」では、その3枚のベストアルバムを1枚ずつレビュー。「続きを読む」よりご閲覧ください。続きを読む

2020年10月11日 18:16

gundambeyond 2020年6月24日発売、「機動戦士ガンダム」放送開始40周年を記念してリリースされたコンピレーションアルバム。完全生産限定盤はDISC1(全13曲)+DISC2(全8曲)+特典映像入りのBlu-ray+ブックレット、初回限定盤はDISC1、2の2枚組CD+ブックレット、通常盤はDISC1のみという形態での発売。なお、完全受注生産でDISC1の内容を2枚組にしたアナログ盤も同年9月8日に発売。本エントリーは通常盤のレビューとなります。

 元々は「機動戦士ガンダム」のキャラクターデザインを手掛けた安彦良和のコミック「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」のアニメ化として、2015年〜2018年にかけて劇場上映+OVAソフトとして発表された全6作品を、2019年4月よりNHK総合で全13話に再編集し、タイトルも「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 前夜 赤い彗星」と改めてオンエア。その際に制作されたオープニング、エンディング全7曲を本作に一挙収録し、加えてガンダム40周年のテーマ曲、さらに本作用に制作された新たなカバーソングを5曲収録したという内容構成。ブックレットにはスタッフクレジットの一番上にSupervisorとして、LUNA SEAのギタリスト・SUGIZOの名前が冠されています。彼は「〜赤い彗星」の各主題歌や40周年のテーマ曲のプロデュースも担当しており、また今回追加のカバー曲に関してもアーティストの選考や選曲、曲によってはアレンジやマスタリングにも関わっているそうで、トータルではSUGIZOのガンダム系プロデュースの集大成的な作品と言えるのかも。

 LUNA SEAとしても「〜赤い彗星」のオープニング3曲(「宇宙の詩」「悲壮美」、カバーで「BEYOND THE TIME」)、そして40周年テーマソングの「BEYOND」を担当するなど、全体的にLUNA SEA色(?)が散りばめられた中、エンディングテーマにはアイナ・ジ・エンドコムアイmiwaといった女性シンガーを起用し、歴代ガンダム曲のカバーやオリジナルをアコースティックから打ち込みも取り入れたバンドサウンドまである程度の幅で味付け。新作カバーも含めて様々なアーティストを起用していることもあり、同じガンダムソングカバー系でもこちらとはまたひと味違ったバラエティに富んだ楽曲が楽しめます。中でも原曲を現代的な音色で再現したSUGIZO feat. GLIM SPANKY名義の「めぐりあい」や、SUGIZO自身がインストでカバーした「ビギニング」などが出色。個人的にはOAUによって「機動新世紀ガンダムX」のエンディングだった英詞バラード「HUMAN TOUCH」がカバーされたのにはガンダムXファンとして大変感激しました(正直あまり人気のある作品ではないので…)。

 なお、完全生産限定盤ならびに初回限定盤に付属のDISC2は「〜THE ORIGIN」の劇場公開/OVA発売時の主題歌6曲と挿入歌2曲を収録した「OVA『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN』SONGベストCD」。こちらには柴咲コウ山崎まさよしなどの結構意外な(?)アーティストも参加しています。21世紀以降のシリーズでリリースされている各作品のコンプリートベストに類するコンセプトのディスクで、配信のみや限定販売だった曲もあるようで、主題歌系を一気に揃えたいガンダムファンには絶好のコンピレーション。ライトに楽しむなら通常盤を、ディープに楽しむならそれ以外を、といったところでしょうか。

2020年10月03日 18:31

wandssn 2020年9月19日、iTunes、mora等の各ダウンロードサイトで配信開始された、第5期WANDSのデジタルシングル。

 昨年秋に19年振りの再始動を宣言したWANDS。メンバーチェンジ毎に「第〇期」と分類されている彼らですが、現在は第5期として、オリジナルメンバーの柴崎浩(G)、第2期から参加し、第3期ではリーダーも務めた木村真也(Key)、そして第4期より参加の上原大史(Vo)の三人で活動中。本作は来たる10月28日に通算6枚目のオリジナルアルバムとしてリリースされる「BURN THE SECRET」からの先行配信シングルとなっています。

 元々は1989年発表の栗林誠一郎の全英詞ナンバー「It's My Treat」を、1995年に当時のボーカル・上杉昇が日本語詞を付け、池田大介の編曲でカバーした、という立ち位置の作品。なので厳密には「カバーのセルフカバー」ということになります。再始動以降、これまでも第5期バージョンとして過去の楽曲をセルフカバーしてきた各楽曲よりも、今回はかなり原曲に忠実なリ・レコーディング仕様で、基本的に曲中の各パートのリフをほぼ完全に再現。ただし原曲では全くといって良いほど目立った出番がなかった木村もしっかりとAメロ、Bメロに間奏と、エレピ系の音で存在感を出していたり、上原のボーカルも上杉を意識した歌い回しの上で、上杉とは少し異なる艶っぽい色気(っていう表現も何か変ですが・笑)を醸し出しているなど、全くのコピーというわけではなく、現在の彼らのエッセンスを注入しているバージョンに仕立てられていて、熱心なファンほど細かい聴き比べが楽しいかも。

 既発シングル曲も含めたニューアルバムのティザー映像はこちら。21年振りのオリジナルアルバム、楽しみにしています。

2020年09月26日 21:17

milesmovie 2020年9月4日より全国順次公開のドキュメンタリー映画「マイルス・デイヴィス クールの誕生」を先日都内のミニシアターで鑑賞してきましたので、その鑑賞記を。
 ドキュメンタリー映画なのでネタバレも何もないと思いますので、今回は畳まずに書きます(笑)。

 アメリカで昨年夏より公開された本映画は、ジャズ界の帝王と呼ばれるトランペッター、マイルス・デイヴィスの65年の人生を彼の遺した発言からの引用や関係者からの証言を基に構成された約2時間のドキュメンタリー作品。
 基本的には時系列順に出来事を並べ(一部前後している箇所もあったような)、彼の生前のモノクロ写真、動画などを使用、BGMは彼の音楽作品からの楽曲をふんだんに使用。オープニングからラストまでひたすら彼の生涯を追った作品に仕上がっていました。

 マイルス・デイヴィスの没年は1991年。その頃筆者は中学に入学したばかりの頃だったわけで、リアルタイムで彼の音楽を意識して聴いたことのない世代ではありますが、「マイルスはこういう性格の人間だった」ということは後に情報を得て知っており、作中でも「世間一般のイメージ通りのマイルス」像が展開。こんな意外な一面が!?的な要素は特になかったような。生涯で4回も妻(あるいはそれに近い女性?)を娶るなど、恋多き人物だった面も語られていましたが、映画を観ていると彼女らの存在も音楽制作のモチベーションのひとつだったようにも思えました。

 エピソードとしては初めて聞くような話と、何度もドラッグ中毒になっては立ち直り…の繰り返しや、名声を得たアルバム「Kind of Blue」発売直後であるにも関わらず、白人警官に言いがかりをつけられ暴行を受けて血まみれに…などの既知の話が半々ぐらい。あまりマニアックになり過ぎず、彼の情報をほとんど知らない観客がふらりと観に来ても楽しめるという意味ではそれほど敷居が高くない内容だと思います(ディープなマイルスファンにとってはほとんど知ってる話になっているのかもしれませんが)。個人的にはこれぐらいの案配がちょうど良かったな、という感想。

 モダンジャズの全盛期を彩った、存命の関係者ミュージシャンがスクリーンに次々出てくるシーンではやはり興奮(笑)。特に50年代末のカルテットのドラマー、ジミー・コブ(今年逝去)、60年代カルテットのウェイン・ショーター(サックス)、ハービー・ハンコック(ピアノ)、ロン・カーター(ベース)らが本人の口からマイルスのエピソードを語るシーンはテンションが上がりました。あと彼らも含めて皆マイルスのセリフを言う時は彼の声色を声帯模写して物真似っぽく語るのは何だか微笑ましかったです。ちなみにそのハスキーな声になったエピソードも劇中で語られていましたね。

 常に開明的であり、古い伝統よりも新しい音楽に刺激を受け、興味を持ったジャンルの音楽に積極的に挑戦する…という彼の芸風には賛否両論あるでしょうが、最後まで守りに入らず、死の間際までミュージシャンとしてそのスタンスを貫いたのはなかなか真似できない格好良い生き方。前述の通り一見さんお断りな内容では決してないので、マイルス・デイヴィスという人間に興味を少しでも持っている方には是非鑑賞してもらいたい映画でした。

 なお、上記ミュージシャン達のコメントトラックを含む映画のサントラも公開に先行して今年の2月に発売されたとのことです。

2020年09月19日 22:14

evabox 1995年10月より放送を開始したTVアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」は来たる2020年の10月でちょうど25周年。そのアニバーサリー企画として、2020年10月7日にTVシリーズ(全26話・1995〜1996年)、劇場用映画(2作・1997年)関連の既発サウンドトラックを5枚組のCD-BOX「NEON GENESIS EVANGELION SOUNDTRACK 25th ANNIVERSARY BOX」に収めて発売されます。今回の「CD Review Extra」では、BOX発売を記念して、鷺巣詩郎が手掛けた収録5作のサントラ+劇場版公開前に発売された番外編CD1枚の計6枚を1枚ずつレビュー。「続きを読む」からご閲覧ください。続きを読む

2020年09月12日 20:57

tmclips 2020年8月26日発売、TM NETWORKデビュー35周年のフィナーレ企画として「DECADE 2020 HD REMASTER」と同時にリリースされたBlu-ray映像作品。

 元々はデビュー20周年時の2004年末「All the Clips」としてソニー在籍時代(1984〜1994年、1999年)の公式MVを網羅(1曲に複数あるMVは1バージョン)したDVDとして発売。今回はリニューアル盤としてそのDVDの全編をリマスターしたのに加え、特典映像として、1987年にリリースされた映像作品「Self Control and the Scenes from "the Shooting"」をリマスターし収録。「Self〜」も2005年にDVD化されており(現在は廃盤)、本編共々すべてが既発映像。ブックレットは「All the Clips」を踏襲したデザインに加え、3頁に渡る藤井徹貫のライナーノーツ(といっても本作品には全く触れていないからエッセイ?)、そして今回のリマスタースタッフ一覧が詳細に記載されていて僅かながらバージョンアップを感じさせる内容になっています。

 本編の内容に関しては以前に全曲レビューを行っているのでこちらも参照(今回の発売にあたって一部加筆しました)。リニューアル盤の画質ですが、デビュー当時の作品より1985〜1986年の作品のほうが画像がかなり粗かったり、90年代のTMN期以降は画質が向上していたりと、昨年発売のライブBlu-rayボックス同様の感想で、元の映像の保存状態によって大きく左右されている印象。まあ最新のものでも20年以上前の作品だし、現在の家庭用の平均的なテレビの大きさで「ギリギリ観られる」画質になった、というのが正しい表現でしょうか。個人的には「Rhythm Red Beat Black」で宇都宮隆が顔にうっすら白塗りメイク(?)しているように見えたのは新鮮な驚きでしたが。なお、旧DVDと比較すると、画面に出る白い文字(「Kiss You」「Nights Of The Knife」)の明度が少し落ちた=画面に馴染んだかな?という違いを感じました。

 特典映像は、本編でも収録されている「Self Control」のMV制作時に同時進行で撮影されたと思われるショートムービーが約10分、そしてアルバム「Self Control」の収録曲をBGMに、撮影時のメイキングやオフショットを収めた映像が約15分という内容。ショートムービーはストーリー性は一応ありますが、セリフなどは一切なく、メンバー三人の出番よりも出演している子供達のシーンの方が多いという「Self〜」のMVを素材にしたイメージビデオといったところ。むしろエンドロールの木根尚登の妙な動きのほうが気になりました(笑)。メイキング映像も特にメンバーの意外な素顔が!というサプライズもなく普通だな…という感じでしたが、宇都宮が片足を上げて映る映像(後に「Nights Of The Knife」MVで使用)はここからの引用だったのか、という発見が嬉しかったりしました。

 前述の通り、全既発映像のアップコンバーター版なので、旧盤を持っていないリスナー、あるいは筆者のような重度(?)のファン向けで、DVD盤で満足できる層にはわざわざ買う必要はないかな、というのが正直な感想。なおSONY公式では9月末まで、今回の2作品の発売を記念したWebラジオを公開中。旧知の仲であるアナウンサー・上柳昌彦の進行で宇都宮・木根がそれぞれ当時の裏話を語るなかなか面白い内容です。こういうのを副音声にでも入れてくれれば良かったのに(笑)。ファンの方は公開終了前までに是非ご視聴のほどを。

2020年09月05日 15:20

sakaitouch 2020年3月4日発売、さかいゆうの通算6作目のオリジナルアルバム。全12曲収録。初回限定盤はSHM-CD仕様+昨年10月に日比谷野外大音楽堂で開催されたライブの模様と本作のレコーディングドキュメンタリーやMVを収録したDVDが付属。なお、本作から厳選された9曲をアナログ盤で8月29日にリリース。さらに収録曲「Soul Rain」のピアノ弾き語りバージョンのシングルCDと同梱で本作の全曲のインストトラックを収録した「Soul Rain + Touch The World Instrumentals」も6月に限定生産で発売。本レビューはCDのみの通常盤となります。

 昨年1月の前作リリース後、6月、7月に配信限定のリミックス曲を2作リリースした後、8月からは新曲の配信がスタート。その際の楽曲「Journey」は本作には未収録(MVのみ初回盤のDVDに収録)で、以降の「She's Gettin' Married」(9月)、「Dreaming of You」(10月)、「孤独の天才 (So What) feat.Terrace Martin」(11月)を収録。さらにアルバム発売に先行して「21番目のGrace」(2月頭)「Getting To Love You」(2月末)も先行配信されたので、アルバム発売時の未発表新曲は7曲。なお、「21番目〜」の配信時よりユニバーサルミュージック内のオフィスオーガスタ専用レーベル・newborder recordingsに移籍しています。

 国内・海外問わずのミュージシャンを招いて制作された前作と異なり、本作はさかいが世界を旅しながら海外のミュージシャンとのレコーディング(ロンドン、ニューヨーク、ロサンゼルス、サンパウロ)を重ねて作り上げたとのこと。だからというわけではないのでしょうが、英語曲(一部日本語が混じっている曲も含めて)は4曲と多め。どの曲をどこの地域で誰とレコーディングしたのかは歌詞ブックレットのクレジットで詳細に記載されているので判別可能ながら、その地域独特の音が色濃く出ているか?というのところまでは正直分かりませんでしたが、どの曲も日本の(いわゆる世俗的な)ポピュラーミュージックからはかけ離れた音、フルートやサックスなどの金管楽器をフィーチャーしたソロの上質さ、そして全体に漂うきめ細やかなバンド演奏という印象は強く感じました。
 その他、耳を惹いたのは「孤独の天才〜」でのこぶし回しっぽい歌い方や、他の曲でも従来よりもハスキーな歌い方をするなど、表現力が上がっているな、と感じさせる曲が数曲あり、ソングライターやアレンジャー、プロデューサーとして評価されがちな彼の、ボーカリストとしての成長もうかがうことができました。

 ライトリスナーが興味を示しそうなシングル級のナンバーが特になく(強いていれば再録でシングルカットされた「Soul Rain」は結構いい線行ってるような気もしますが)、前作のレビューでも書きましたが、活動を重ねる毎に一般ウケから遠ざかっていくという傾向が更に強まったかな、という感想。所属のオフィスオーガスタの中のみならず、いよいよ日本の音楽界で異色のポジションを築き始めた彼、次の一手はどう出てくるのか期待です。

2020年08月30日 14:24

fovextrarare 2020年5月13日発売、FIELD OF VIEWのデビュー25周年(1995年デビュー、2002年解散)を記念してのベストアルバム。CD2枚組全30曲収録+初の商品化映像を収録した約1時間のDVD1枚の計3枚組。

 2002年末の解散までに公認ベストを3枚、解散後はビーイング主導の非公認ベストを3枚リリースしている彼ら。今回のベストはデビュー25周年を迎えたタイミングの2020年にボーカルの浅岡雄也がビーイングに掛け合い実現した(要約)そうで、通算4作目の公認ベスト作品になります。基本的にシングル集だったこれまでのベストと異なり、未発表テイクのシングル曲に加え、アルバム初収録となるカップリング曲4曲、さらに未発表の新曲を5曲収録という大盤振る舞い。リマスターは勿論のこと、歌詞ブックレット内には4頁にわたって収録曲ごとの浅岡本人のライナーノーツも掲載され、かつてないほど気合の入った内容になっています。

 CD2枚は時系列ではなく、DISC 1は「君がいたから」、DISC 2は「突然」という大ヒットシングルから始まり、シングル曲の合間にカップリングやアルバム曲、そして新曲を適度に配置し、最後はバラードナンバーで締めるという、1枚ずつ完結している流れのある構成。シングルの未発表テイクはデビューシングルの「君がいたから」から「ドキッ」までの5作のシングルになりますが、どの曲も正式採用されたテイクの微妙なミックス違いといった感じで、よほどのコアなファンでなければ違いがすぐには分からないようなバージョンなので、正式テイクとの差異を気にしなくても特に問題ないと思います。むしろテイク違いが公言されなかった「青い傘で」のほうが冒頭から明らかに各楽器のバランスが異なる未発表バージョンだったというのがサプライズではありました(笑)。

 新曲5曲は前述のライナーノーツによると制作時期がそれぞれ異なるようで、浅岡が令和の時代になってから歌詞を書きおろしたと公言している曲あり、編曲クレジットに当時ビーイング在籍だった明石昌夫の名前があったり、録音メンバーのクレジットに新旧ミュージシャンの参加表記があったり…と、どこまで作っていてどこからが今回用に再録音したのかは曖昧。曲調は幅があり、彼らのパブリックイメージ的なバンドサウンドから、活動末期の打ち込みを全面的に使用したナンバーまで様々ですが、歌詞は基本的にひとつのテーマを様々な角度から描いているという意味で統一感がありました。ただ、浅岡以外のメンバーで今回の録音に明確に参加していたのはドラムスの小橋琢人が1曲だけ、しかも担当パートはドラムの打ち込みだったというのが少し残念。彼の生ドラムが響く新曲ももう数曲録音して欲しかったな、と思います。

 DVDは「FIELD OF VIEW 〜the Extra Reflections〜」。各オリジナルアルバムから1コーラス程度のプロモーション映像39曲、さらに「Still」「青い傘で」のライブ映像(2000年開催のライブツアーの映像のようです)を収録。プロモーション映像はこの時代のビーイングにありがちだった「スタジオで作業中のついでに素材的に撮る」というものではなく、ちゃんとロケ地やステージセットで撮影用の衣装も着て演奏している本格的なもの。当時のビーイング情報番組「NO.」あたりで流れた映像ではないかと推測しますが、アルバムの曲までこんなに沢山撮影してたんだ…というのが驚き。「CAPSULE MONSTER」だけは謎のモノクロアニメで1曲のみというのが残念でしたが、解散時のMV集「VIEW CLIPS」との被りも全くといっていいほど無しでコアなファンも満足できそうな内容。あとはメニュー画面と曲目表記があれば完璧でした。そして今回は2曲だけだったライブ映像もまだまだ眠っていそうで、今後何かの機会にでも放出してくれたらな、とも思いました(笑)。

 …ということで結構なボリュームのコアファン向けベストであり、代表曲もほぼ網羅されているとはいえ、いきなり初心者がこれを聴くのはちょっと重ため。これまでのベストを1作聴いて、更に彼らの音楽世界を体験したい、というライトリスナーへ「2作目のベスト」として聴く流れがお薦めです。それにしても解散から約18年、まさかこの時点でここまで凝ったベストが制作されるとは思ってもみなかったし、カップリングの名曲達も長い時を経てようやくアルバムに収録され、さらに新曲多数と、ファンとしては「予想さえしてないギフト」を有難く受け取らせてもらいました。

2020年08月23日 10:26

begin24-7 2020年8月19日、各音楽配信サイトで販売開始されたBEGINの通算4作目の配信限定シングル。

 作詞・作曲は単独名義でのシングル発売は初となるギターの島袋優、編曲はBEGIN名義。沖縄発祥のビール会社・オリオンビールが発売したプレミアムクラフトビール「75BEER」のCMソングとして起用され、BEGIN本人達も楽曲を演奏する役としてCMに出演。既に昨年末の時点で冒頭のスロー部分にスキャットを入れたバージョンでのCMオンエアは開始されていたようですが、フルサイズバージョンでこの夏ようやく配信という形での発売となった模様。

 タイトルの「24-7」は音楽用語?と思いきや、24時間・7日間、「年中無休」を意味する(読みは「にいよんなな」)という造語らしく、「頑張っている全ての方に向けた、BEGINの応援ソング」とのこと。辛い出来事や上手くいかない事が多い世の中だけど、明日に向かって歩いていこう、というメッセージ(大意)を大上段からではなく彼ららしい水平の角度から綴った、曲調はブルース寄りのロックですが前向きで力強い楽曲に仕上がっています。

 なお本作で特筆すべきはボーカルのパート割り。Aメロとサビの大部分を島袋が、Bメロをキーボードの上地等が歌い、普段はメインボーカルを務める比嘉栄昇は曲全体にほぼ休みなくフレーズを入れるブルースハープの演奏に徹し、歌うのはサビで2回出てくる「Have a good life / good life」のみ、という斬新な試みがなされています。かつて「海の声」でも島袋がメインボーカルを務めるなど、タイアップ関連曲で比嘉が脇に回る曲は初めてではないですが、初めてMVを観た時は結構衝撃的でした。比嘉が全部歌うとかなり濃い感じになったと思われ、曲の印象も全く違ったものになるのでしょうが、ビールのCMソングらしい爽やかさにはナチュラルな島袋・上地の歌声がマッチ、といったところでしょうか。そこに短いフレーズ担当ながら聴き手に強烈なインパクトを残す比嘉のボーカルが飛び込んでくるのが良いアクセントになっていると思います。

 2010年前後ぐらいから共同名義のクレジットがほぼなくなり、メンバー個人名義での楽曲クレジットが増えてきたBEGINですが、今回は「三人で歌うBEGINナンバー」として新鮮な作品でした。

2020年08月15日 21:30

makiharafront 1997年よりデビュー以来在籍したワーナーを離れ、Sony Records(→SME Records)に籍を移した槇原敬之。同時にセルフプロデュースを開始し、ワーナー時代とは少し違った角度からの楽曲が増えてきた時期でした。自身の楽曲制作以外にもカバーアルバム、他者のプロデュース、初のアリーナ級のツアー、変わったところでは菓子パンのプロデュースなど、意欲的な活動が目立っていたのですが、思わぬ形でソニー時代は終わりを告げることに。今回の「Artist Archive」では、そんな彼の1997〜1999年に残した全アルバム、その後にリリースされたソニー関連の非公認的なベストも含めて1枚ずつレビュー。「続きを読む」からご閲覧ください。

第1次ワーナー時代(1990〜1996)の全アルバムレビューはこちら
同時期の全ベストアルバムレビューはこちら

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