2020年11月28日 21:02

tokunaga15 今から遡ること19年前の2001年12月5日、当時デビュー15周年を迎えていた徳永英明がリリースした、5枚組全70曲収録のメモリアルCD-BOX「一期一会」を先日入手いたしました。現時点では中古市場のみの流通になっており、市場価格もそれほどレアではない金額で出回っているのですが、詳細な情報を公開しているサイトやブログなども特にない…ということで、今回の「CD Review Extra」は、本BOXのレビューを敢行。「続きを読む」からご閲覧ください。続きを読む

2020年11月22日 16:21

hirosesing 2019年11月27日発売、広瀬香美の通算8作目となるベストアルバム。DISC-1・2がベストアルバム、DISC-3が自身初のライブアルバムという構成のCD3枚組。LPサイズジャケットの中にCD3枚+ライブ写真掲載の歌詞ブックレットが封入されている仕様のみの限定生産商品で、通常盤の類のリリースは今回は無しという販売形態。

 同年初頭の前作ベストから1年も経たないうちに次のベストが早くも発売となりましたが、シングルコレクション的な2枚組+発売直後開催のツアーのセットリストをオリジナル音源メドレーで繋いだミックスCD1枚という3枚組だった前作から趣向を変え、今回はDISC-1・2に2020年明けのツアーで演奏される曲をオリジナル音源・フルサイズでセットリスト順に収録。事前に公式がツアー披露曲のネタバラシを商品化してまで大々的に行うというのも(しかも二作連続で)なかなか真似できない試みだと思います(発売発表時の本人のコメント付き記事はこちら)。なお、この中に新曲「冬はフェスティバル」も収録。この他は既存音源での収録となっています。

 セットリスト・選曲については序盤と終盤には「ロマンスの神様」「ゲレンデがとけるほど恋したい」「promise」等の定番ヒットシングルを配置する一方、その他に関しては現時点での最新オリジナルアルバム(といっても2012年)から4曲、2010年代にリリースされたコンセプトベストからの新曲(「Snow fall」)、セルフカバーアルバム内の新曲(「青い冬ハジマレ」)、前作ベストの新曲(「歌いたいわ」)を選曲するなど、最近の広瀬香美の楽曲を多く聴かせる構成で、結果的に2010年代以降の楽曲のベストセレクション(+ヒット曲)という趣で、なかなか新鮮味のある内容に感じられました。

 DISC-3は同年10月6日にブルーノート東京で開催された「AUTUMN TOUR 2019 "Vocal Unlimited vol.8"」のライブ音源をアンコールも含めて全10曲収録。編成は広瀬のボーカル・ピアノ+鳥山雄司のギターを基本に、曲によってはループを用いた即興の多重コーラス、パーカッシブな音を同期で流す、といったシンプルなもの。シングル曲が5曲と半数を占められている中、ももいろクローバーZに提供した「泣いちゃいそう冬」、TUBEに提供した「おかげサマー」のセルフカバーバージョンの披露は貴重音源では。ライブアルバムということで映像がないので、「DEAR...again」の時に客席から笑い声が断続的に起こるのは何故?とか、アンコールの「Tomorrow」はマイク無しの弾き語りパフォーマンスを音だけで聴いても何か微妙…など、映像があればなぁ…と思う曲も数曲ありますが、演奏がシンプルな分、90年代の楽曲に関してのオリジナルとこの時点でのパワフルになった歌唱法の比較も含め、際立つボーカルパフォーマンス力を体感できる好ライブ作品といったところ。

 近年の似たり寄ったりのベストの収録内容と比較すると一線を画すDISC-1・2、ヒット曲を中心にライブバージョンが楽しめるDISC-3と、ライトリスナーにも門戸を開いた作品…だと思うのですが、LPサイズジャケット「のみ」の形態ということもあってか、レンタルショップにもほぼ置かれない(筆者は都内の某レンタルチェーンで奇跡的に入荷されたので借りられました・笑)のが残念。ファンアイテムで終わらせておくには勿体ない内容だと思いました。

2020年11月15日 20:34

evangelionfinally 2020年10月7日発売、「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズ及び「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズのボーカル楽曲のセレクションアルバム。全15曲収録。CDのみの通常盤、2021年1月23日に公開が決定した「新劇場版」完結編映画のムビチケカードが同梱バージョンの二種形態での発売ですがCD内容は同一。なお、どちらも期間限定盤と謳われています(いつまでの期間限定なのかは不明)。

 元々本作は2020年5月13日の発売を予定していたところ、4月に「CD商品制作上の都合により発売延期」とアナウンスされ、約5ヶ月間の延期を経てようやくリリースの運びに。ボーカルセレクションアルバムとしては過去に「エヴァ」放送開始10周年の際のベストアルバムが存在していましたが、今回は1995〜1997年のTVシリーズ+総集編・完結編映画(以下「旧シリーズ」)のみならず、2007年以降の新劇場版(以下「新シリーズ」)まで選曲対象範囲を広げており、このパターンでのセレクションCD発売はおそらく初の試みかと思われます。

 選曲は前半部分は旧シリーズの主題歌「残酷な天使のテーゼ」(高橋洋子)を筆頭に、「魂のルフラン」(同)、「THANATOS -IF I CAN'T BE YOURS-」(LOREN & MASH)、「Komm,susser Tod/甘き死よ、来たれ」(ARIANNE)とお馴染みのナンバーに加え、サントラに収録されていた「無限抱擁」「幸せは罪の匂い」(高橋洋子)もピックアップ。一方で新シリーズのほうは宇多田ヒカルの主題歌関係は一切未収録(今回はキングレコード主導の企画のようなので版権の都合?)で、劇中挿入歌として林原めぐみが歌唱した「今日の日はさようなら」「翼をください」が中盤に収録されるという斜め上を行く展開に。さらにラスト4曲は2014年末にリリースされた、既発の英詞曲やサントラ楽曲のメロディーに林原が歌詞をつけジャズベースのサウンドに乗せて歌う「THE WORLD! EVANGELION JAZZ NIGHT =THE TOKYO III JAZZ CLUB=」関連の楽曲がボーナストラック扱いで収録という、後半になるにつれてどんどんコアファン向けの内容になっていくのが特徴でしょうか。

 本作用の新規録音は2曲。どちらも高橋洋子の歌唱作品で、旧シリーズのエンディングテーマのオケを使用した「FLY ME TO THE MOON 2000」、新規アレンジの「心よ原始に戻れ 2020」。特に後者はゆっくりとしたテンポに落とし、原曲の面影も残さない完全に別モノのアレンジ作品に仕上がっていて驚きでした。CD全体のバランスとしては旧シリーズメイン+新シリーズおまけみたいな体裁になってしまっていたのが結構残念。最新のリマスターで旧シリーズの代表曲が聴きたい、という方は是非どうぞ。

 なお、封入特典として今回多くの楽曲を収録している高橋洋子、林原めぐみのそれぞれ4頁ずつのインタビューが掲載。楽曲参加に至る経緯や制作時の裏話などが結構深いところまで語られていて面白かったです。CD本体よりも資料的価値があったのはこの部分だったかも(笑)。

2020年11月08日 16:31

ukadantop 木村秀勝(→充揮・Vo&G)、内田勘太郎(G)、花岡憲二(→献治・Ba)、島田和夫(Dr)の4人で結成され1975年にレコードデビューを果たした日本のブルースバンド・憂歌団。現在も歌い継がれるコアなブルースを発表していた70年代のトリオレコード時代、歌謡色を強めた80年代のフォーライフ時代を経て、1993年からはワーナーミュージック・ジャパンに在籍。あまりスポットが当たらないこのワーナー期ですが、個人的にはこの時期がリアルタイムでの憂歌団体験だったので思い入れがあります。ということで、今回の「Artist Archive」は憂歌団がワーナー期に発表した単独名義の全アルバム+αをレビュー。「続きを読む」からご閲覧ください。続きを読む

2020年11月01日 15:40

azkatachi 2020年10月7日発売、シンガーソングライター・東野純直の通算21枚目(諸説ありますが一応公式サイトの枚数でカウント)となるニューシングル。全3曲収録。初回特典としてジャケットを縮小サイズにしたミニステッカーが封入。

 2010年代はリリースが停滞し消息不明な時期もあった彼でしたが、2018年から本格的に音楽活動を再開。同年8月にシングル、翌年4月にアルバムのリリースを経て、本作は約一年半ぶりの新作音源。2001年以降のインディーズでの活動はほぼ毎回発売元が異なるというワンショット状態だったのですが、活動再開以降はキングレコードに販売を受託するレーベル・Star Radio Recordsからの発売となっており本作も同様。エンジニア、ディレクターに関しても基本的にはここ数作と同じスタッフで制作された作品のようです。

 表題曲「明日のカタチ」は、CD帯によると前作「明日のシルシ」に続く「明日」三部作の第二弾とのこと。アレンジは安部潤が担当(テイチク期以来?)。楽曲はミディアムテンポのメッセージソングで、「突然の嵐みたいに壊されてる日常」「今この世界が試されてる」等、今年思いもよらない方向で世界を巻き込んだ新型コロナウィルスからの影響を感じずにはいられない言葉が並んでいますが、それでリスナーを上から諭そうとするわけではなく、聴き手の感情に任せる柔らかめな作風でなかなかの良曲。オケはプログラミングがメインで特に彼の代名詞であるピアノが活躍する訳ではありませんが、淡々とした中に力強さを感じさせ、曲想にマッチしていると感じました。

 カップリングは2曲。「Another day」は東野とThe LOVEの内田敏夫との共作アレンジでピアノロックにエレキギターを加えた熱量のある(ほぼ打ち込みのようですが)バンドサウンドで東芝EMI期を彷彿とさせる路線。「Love is all」は東野単独アレンジのラブソングで、1コーラス目はピアノ弾き語りでこのまま最後まで行くのか…と思いきや2コーラス目前でバンドインする王道展開バラード。今回は表題曲が強いのでこの2曲は若干印象が薄いものの、ピアノロック、バラードという彼の代名詞的な面を見せてみた、と言ったところでしょうか。

 なお、今回のスタッフクレジットにはレコーディングエンジニアの名前はあるものの参加ミュージシャンのクレジットはなし。ただし出演しているラジオ番組のアシスタントの原田朱がコーラスでの参加をtwitterで呟いていたり、「Another〜」ではエレキギターや生ベースらしき音(内田敏夫の演奏?)が聴こえたりと、東野一人で制作したわけではなさそう。その辺りの推測もしてみると楽しいものですが、CDメディアでの入手のポイントとしてはスタッフの詳細を知ることが個人的には重要なので、次作以降では是非情報公開をお願いしたいところです(笑)。

2020年10月24日 17:30

natgoodcompany 2020年6月17日発売、日本のインディーレコードメーカー、ウルトラ・ヴァイヴが発売元となってリリースした、オランダのレーベル「タイムレス」発のリイシューシリーズ「Timeless Jazz Syndicate」第2弾全20タイトルの1枚、日本では初のCD化となるナット・アダレイ・クインテットのアルバム作品。全8曲収録。

 ナット・アダレイは1950年代後半からアメリカのジャズシーンで活躍したコルネット奏者。兄であるサックス奏者のキャノンボール・アダレイのバンドに長年在籍して実績を積むのと並行して自身がリーダーのバンドも率いて活動。また「Work Song」「The Old Country」「Jive Samba」等のジャズのスタンダードナンバーの作曲も手掛け、プレイヤーとしてよりもコンポーザーとしての評価がより高い模様。1975年にキャノンボールが逝去した後も主にリーダーバンドで地道に活動を続け、2000年1月にこの世を去りました。本作は1994年録音の作品ということで、活動の最晩年にあたるアルバムと思われます。

 今回の発売にあたって新規に書き起こされたライナーノーツによると、「1994年のヨーロッパツアー途中でオランダに立ち寄り録音された作品」とのこと。演奏パーソネルはナット(Cor)、アントニオ・ハート(As)、ロブ・バーガド(P)、ウォルター・ブッカー(Ba)、ジミー・コブ(Dr)。数年前まで参加していたヴィンセント・ハーリングが抜けてアントニオ・ハートが加入した時期の五人編成のようです。余談ですがこの後に同じ面子でもう1枚スタジオアルバムをレコーディングしており、そちらは当時(1996年3月)日本盤が発売されていた模様。

 前述のライナーノーツには収録曲を「ツアー用に用意された楽曲構成と思われる」と推測しており、この説が正しければ、ツアー中にライブ用の楽曲をスタジオレコーディングしたアルバム、ということになります。その内容は冒頭の10分に及ぶ組曲風の「Rwanda」、ナット自身のペンによる「Sermonette」やキャノンボールバンドのレパートリーでもあった「Unit Seven」といったファンクチューンから、ナット不参加、ハートがフロントの「Corcovado」、金管二人を除いたピアノトリオでの「Rob's New Tune」、ナットとバーガドの二人のみのバラード「My Romance」など、楽曲のみならず編成的にもバラエティ豊か。実際のステージでどの曲がどういうセットリストで演奏されたのかは今となっては分かりませんが、ライブ映えのするナンバーが取り揃えられ、なかなか聴き応えがありました。

 バンドリーダーのナットはそれほど前に出過ぎず、リズム隊のベテラン二人と共に(当時)若手のハートとバーガドの両者を引き立てる役割に回っており、彼らの個性を後押ししている、という印象ながら、ナット、ハート、バーガドがほぼ均等にソロの掛け合いを繰り広げる「You Don't Know What Love Is」では本作中最も聴き心地の良い演奏を見せてくれるなど、ナット健在もアピールできているアルバム。日本では兄キャノンボールの作品は何度もメジャーレーベルで再発されるのに比べると、彼のリーダーアルバムはそれほど機会が…というのが少し残念なのですが、発売から25年の時を経て、本作の日本盤リリースを敢行してくれたメーカーには感謝の気持ちでいっぱいです。

2020年10月18日 13:35

ishikawadenims 1990年9月25日にパイオニアLDCよりシングル「Spirits」でデビューした石川よしひろは今年でデビュー30周年。「二十歳の夜」「明日への卒業」「ENDLESS DREAM」等の代表曲を持つシンガーソングライターとしての音楽活動を軸に、オールナイトニッポンなどのラジオDJ、舞台音楽担当、そして役者としても幅広く活動を続ける彼ですが、ベストアルバムの類は意外と少なく、オリジナル音源を基調にしたベストは全3枚。今回の「CD Review Extra」では、その3枚のベストアルバムを1枚ずつレビュー。「続きを読む」よりご閲覧ください。続きを読む

2020年10月11日 18:16

gundambeyond 2020年6月24日発売、「機動戦士ガンダム」放送開始40周年を記念してリリースされたコンピレーションアルバム。完全生産限定盤はDISC1(全13曲)+DISC2(全8曲)+特典映像入りのBlu-ray+ブックレット、初回限定盤はDISC1、2の2枚組CD+ブックレット、通常盤はDISC1のみという形態での発売。なお、完全受注生産でDISC1の内容を2枚組にしたアナログ盤も同年9月8日に発売。本エントリーは通常盤のレビューとなります。

 元々は「機動戦士ガンダム」のキャラクターデザインを手掛けた安彦良和のコミック「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」のアニメ化として、2015年〜2018年にかけて劇場上映+OVAソフトとして発表された全6作品を、2019年4月よりNHK総合で全13話に再編集し、タイトルも「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 前夜 赤い彗星」と改めてオンエア。その際に制作されたオープニング、エンディング全7曲を本作に一挙収録し、加えてガンダム40周年のテーマ曲、さらに本作用に制作された新たなカバーソングを5曲収録したという内容構成。ブックレットにはスタッフクレジットの一番上にSupervisorとして、LUNA SEAのギタリスト・SUGIZOの名前が冠されています。彼は「〜赤い彗星」の各主題歌や40周年のテーマ曲のプロデュースも担当しており、また今回追加のカバー曲に関してもアーティストの選考や選曲、曲によってはアレンジやマスタリングにも関わっているそうで、トータルではSUGIZOのガンダム系プロデュースの集大成的な作品と言えるのかも。

 LUNA SEAとしても「〜赤い彗星」のオープニング3曲(「宇宙の詩」「悲壮美」、カバーで「BEYOND THE TIME」)、そして40周年テーマソングの「BEYOND」を担当するなど、全体的にLUNA SEA色(?)が散りばめられた中、エンディングテーマにはアイナ・ジ・エンドコムアイmiwaといった女性シンガーを起用し、歴代ガンダム曲のカバーやオリジナルをアコースティックから打ち込みも取り入れたバンドサウンドまである程度の幅で味付け。新作カバーも含めて様々なアーティストを起用していることもあり、同じガンダムソングカバー系でもこちらとはまたひと味違ったバラエティに富んだ楽曲が楽しめます。中でも原曲を現代的な音色で再現したSUGIZO feat. GLIM SPANKY名義の「めぐりあい」や、SUGIZO自身がインストでカバーした「ビギニング」などが出色。個人的にはOAUによって「機動新世紀ガンダムX」のエンディングだった英詞バラード「HUMAN TOUCH」がカバーされたのにはガンダムXファンとして大変感激しました(正直あまり人気のある作品ではないので…)。

 なお、完全生産限定盤ならびに初回限定盤に付属のDISC2は「〜THE ORIGIN」の劇場公開/OVA発売時の主題歌6曲と挿入歌2曲を収録した「OVA『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN』SONGベストCD」。こちらには柴咲コウ山崎まさよしなどの結構意外な(?)アーティストも参加しています。21世紀以降のシリーズでリリースされている各作品のコンプリートベストに類するコンセプトのディスクで、配信のみや限定販売だった曲もあるようで、主題歌系を一気に揃えたいガンダムファンには絶好のコンピレーション。ライトに楽しむなら通常盤を、ディープに楽しむならそれ以外を、といったところでしょうか。

2020年10月03日 18:31

wandssn 2020年9月19日、iTunes、mora等の各ダウンロードサイトで配信開始された、第5期WANDSのデジタルシングル。

 昨年秋に19年振りの再始動を宣言したWANDS。メンバーチェンジ毎に「第〇期」と分類されている彼らですが、現在は第5期として、オリジナルメンバーの柴崎浩(G)、第2期から参加し、第3期ではリーダーも務めた木村真也(Key)、そして第4期より参加の上原大史(Vo)の三人で活動中。本作は来たる10月28日に通算6枚目のオリジナルアルバムとしてリリースされる「BURN THE SECRET」からの先行配信シングルとなっています。

 元々は1989年発表の栗林誠一郎の全英詞ナンバー「It's My Treat」を、1995年に当時のボーカル・上杉昇が日本語詞を付け、池田大介の編曲でカバーした、という立ち位置の作品。なので厳密には「カバーのセルフカバー」ということになります。再始動以降、これまでも第5期バージョンとして過去の楽曲をセルフカバーしてきた各楽曲よりも、今回はかなり原曲に忠実なリ・レコーディング仕様で、基本的に曲中の各パートのリフをほぼ完全に再現。ただし原曲では全くといって良いほど目立った出番がなかった木村もしっかりとAメロ、Bメロに間奏と、エレピ系の音で存在感を出していたり、上原のボーカルも上杉を意識した歌い回しの上で、上杉とは少し異なる艶っぽい色気(っていう表現も何か変ですが・笑)を醸し出しているなど、全くのコピーというわけではなく、現在の彼らのエッセンスを注入しているバージョンに仕立てられていて、熱心なファンほど細かい聴き比べが楽しいかも。

 既発シングル曲も含めたニューアルバムのティザー映像はこちら。21年振りのオリジナルアルバム、楽しみにしています。

2020年09月26日 21:17

milesmovie 2020年9月4日より全国順次公開のドキュメンタリー映画「マイルス・デイヴィス クールの誕生」を先日都内のミニシアターで鑑賞してきましたので、その鑑賞記を。
 ドキュメンタリー映画なのでネタバレも何もないと思いますので、今回は畳まずに書きます(笑)。

 アメリカで昨年夏より公開された本映画は、ジャズ界の帝王と呼ばれるトランペッター、マイルス・デイヴィスの65年の人生を彼の遺した発言からの引用や関係者からの証言を基に構成された約2時間のドキュメンタリー作品。
 基本的には時系列順に出来事を並べ(一部前後している箇所もあったような)、彼の生前のモノクロ写真、動画などを使用、BGMは彼の音楽作品からの楽曲をふんだんに使用。オープニングからラストまでひたすら彼の生涯を追った作品に仕上がっていました。

 マイルス・デイヴィスの没年は1991年。その頃筆者は中学に入学したばかりの頃だったわけで、リアルタイムで彼の音楽を意識して聴いたことのない世代ではありますが、「マイルスはこういう性格の人間だった」ということは後に情報を得て知っており、作中でも「世間一般のイメージ通りのマイルス」像が展開。こんな意外な一面が!?的な要素は特になかったような。生涯で4回も妻(あるいはそれに近い女性?)を娶るなど、恋多き人物だった面も語られていましたが、映画を観ていると彼女らの存在も音楽制作のモチベーションのひとつだったようにも思えました。

 エピソードとしては初めて聞くような話と、何度もドラッグ中毒になっては立ち直り…の繰り返しや、名声を得たアルバム「Kind of Blue」発売直後であるにも関わらず、白人警官に言いがかりをつけられ暴行を受けて血まみれに…などの既知の話が半々ぐらい。あまりマニアックになり過ぎず、彼の情報をほとんど知らない観客がふらりと観に来ても楽しめるという意味ではそれほど敷居が高くない内容だと思います(ディープなマイルスファンにとってはほとんど知ってる話になっているのかもしれませんが)。個人的にはこれぐらいの案配がちょうど良かったな、という感想。

 モダンジャズの全盛期を彩った、存命の関係者ミュージシャンがスクリーンに次々出てくるシーンではやはり興奮(笑)。特に50年代末のカルテットのドラマー、ジミー・コブ(今年逝去)、60年代カルテットのウェイン・ショーター(サックス)、ハービー・ハンコック(ピアノ)、ロン・カーター(ベース)らが本人の口からマイルスのエピソードを語るシーンはテンションが上がりました。あと彼らも含めて皆マイルスのセリフを言う時は彼の声色を声帯模写して物真似っぽく語るのは何だか微笑ましかったです。ちなみにそのハスキーな声になったエピソードも劇中で語られていましたね。

 常に開明的であり、古い伝統よりも新しい音楽に刺激を受け、興味を持ったジャンルの音楽に積極的に挑戦する…という彼の芸風には賛否両論あるでしょうが、最後まで守りに入らず、死の間際までミュージシャンとしてそのスタンスを貫いたのはなかなか真似できない格好良い生き方。前述の通り一見さんお断りな内容では決してないので、マイルス・デイヴィスという人間に興味を少しでも持っている方には是非鑑賞してもらいたい映画でした。

 なお、上記ミュージシャン達のコメントトラックを含む映画のサントラも公開に先行して今年の2月に発売されたとのことです。

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