pjeat5 2014年11月19日発売、ピアノ+カホンのインストゥルメンタル・ユニット、→Pia-no-jaC←の5作目となるクラシックカバー・アルバム(公式では通算12枚目のオリジナル作品とカウント)。全6曲収録。CDのみの通常盤、CD+PV映像収録DVD付の初回限定盤の他、CD+ライブダイジェストDVD付のヴィレッジヴァンガード限定盤が存在しています(CDの内容は同一)。

 クラシック楽曲をファンからのリクエストを基に選曲し、彼ら流のリメイクを施す「EAT A〜」シリーズ。今回は民謡の「グリーンスリーブス」やバースデーイベントでお馴染みの「ハッピーバースデー」など、これってクラシック楽曲か?と思える作品も選曲されていますが(笑)、基本的には著名な楽曲を採り上げるスタンスは変わらず、今回も→Pia-no-jaC←らしい、手数と熱量と叫び声(?)が満載の、最初から最後まで賑やかな展開を見せるアルバムになっています。

 いつも通りの安定感…と呼びたいところですが、本作の特徴を挙げるとすれば、シリーズを重ねる毎に過激になっていく、原曲のブッ壊し加減(笑)とでも言いましょうか。前作「Disney Rocks!!!!」がオリジナルのメロディーラインを(彼らにしては)忠実に再現していた反動か、今回は原曲のメロディーそのものを長時間どこかへ追いやってのアドリブ的なプレイが散見され、「トルコ行進曲」や「グリーンスリーブス」は聴いているうちに、何の曲聴いてたんだっけ…と不意に思ってしまったほど。言い換えればオリジナル作品の中に部分的にクラシック楽曲のフレーズを引用しているという印象で、主従が逆転しているようにも感じられました。面白いアレンジ、アプローチではあると思いますが、過去のシリーズと比較してもリメイクや再構築というよりクラシックを「素材」として扱っている辺りは賛否を呼びそうな気も。

 同時発売で本作も含めた「EAT A CLASSIC」全シリーズにリテイクディスクを付けたボックスセット「EAC 5th MEMORIAL BOX」を限定受注生産でリリースするなど、ひとつの節目を迎えたとも思える「EAT A〜」シリーズ。この次は恐らくオリジナルアルバムが来ると思いますが、個人的には有名ポップス楽曲を彼ら流に料理したリメイクシリーズも作ってもらえないかな、とも思っております。