loadingmyself 2010年12月1日発売。通算第12作目となる東野純直のニューアルバム。シングル「731の朝」を含む全11曲収録。

 ベストアルバムを挟んで実に約5年振りとなるオリジナルアルバム。東野氏にアルバム出す出すと言われ続けて、ああもうそんなに経ったのかということで、ファンとしては「やっと出たか〜」という言葉しかないのですが(苦笑)、今作も彼の従来の作品同様、ピアノを主軸に置いたポップロックアルバム、というスタンスは変わっておらず、待たされたファンも安心して聴ける内容になっています。

 ただ、詞の面では「泣いてる君と情けない僕の歌」のような、近年ではあまり見かけなかったストレートなラブソングが久々に出てきたり、メロディーもデビュー当時のポップさ(というかピュア路線?)を感じる曲があったりと、詞曲ともにやや内省的であった2000年代以降の作品の中では一番聴きやすいかも。その名もズバリ「Pop style」という曲もありますし、ラストにかつての代表曲「君だから.」をセルフカヴァーで収録しているあたり、久々のポップスへの回帰を図ったかのような印象。昔の焼き直し的な作品ではなく、今の感性で紡いだ楽曲の数々は聴きごたえがあります。

 先行シングルの他に、ライブ会場限定で販売された曲が6曲、セルフカヴァーが1曲ということで、純粋な新曲は4曲、というところには若干物足りなさは感じてしまいますが、東野節の健在を実感させてもらったアルバムでした。