2019年03月16日

cityhuntervc 2019年2月6日発売、同月8日の公開に先駆けて、オリジナルサウンドトラックと共に発売された「劇場版シティーハンター」の主題歌・挿入歌を収録したボーカルコンピレーション。全12曲収録。全曲リマスタリング。2020年1月末までの限定生産商品。

 「シティーハンター」は1985年から1991年まで「週刊少年ジャンプ」にて連載された北条司の代表作。87年にアニメ化開始、休止を挟んで99年まで何らかの形でのアニメシリーズを発表。今回は約20年ぶりのアニメ化(映画作品としては29年ぶり)となり、様々なメディア展開がなされている真っ只中ですが、本コンピもその一つ。収録曲はかつてのテレビシリーズ「シティーハンター」「同2」「同3」で使用され、今回の映画でもアバンタイトルで使用されたPSY・Sの「ANGEL NIGHT 〜天使のいる場所〜」(「2」前半のオープニング)、エンディングテーマに起用されたTM NETWORKの「GET WILD」(初代エンディング)をはじめ、劇中の街中のシーンでBGM的に流れたり、緊迫したシーンでのキメ的に挿入されたりと、使い方は違えど起用された各曲を流れた順に収録。ですのでリリース時系列的にはバラバラになっていますが、映画鑑賞後に聴くと「ああこの曲、あの場面で流れていたな」という記憶の追体験ができるようになっています。

 収録曲は旧シリーズの全主題歌を網羅というわけではないので(「3」のエンディングと「'91」のオープニング、エンディングは未収録)、シリーズの主題歌を全部聴きたい!という方には不向き(旧作映画やテレビスペシャルまで含めたテーマソング全集は過去に発売済)。ですが、うち4曲は「3」までのサウンドトラックに入っていた楽曲からのピックアップで、テレビシリーズでも頻繁に流れていた曲達。筆者としては久し振りに「MR.PRIVATE EYE」(大滝裕子)や、「FOOTSTEPS」(北代桃子)が聴けて嬉しいやら懐かしいやら。「シティーハンター」のアニメシリーズは当時としては珍しく、挿入歌も数多く作られた作品なのですが、このような主題歌セレクト+挿入歌セレクトという、ある意味ベスト盤に近いような美味しい楽曲を50分程度にまとめたライト向け(あるいは今回の映画を観て何か1枚シティーハンターのCDが欲しいと思った人向け)な作品はこれまでなかったので、そういった層にはコンパクトで最適のコンピだと思われます。欲を言えばあくまでカタログ作品の再編集盤なので、もう少し価格を下げても良かったんじゃないかな、と思ったぐらいですか(笑)。

sasa0053 at 18:04コメント(0)CD Review その他 

2019年03月10日

 今年の4月でデビュー35周年を迎えるTM NETWORKが、1984年のデビューから10年間在籍していたEPIC/SONYレーベル時代の映像作品をBlu-ray10枚組BOXでリリースするとのこと。

 SONY内特設サイト 
 billboard JAPANの記事

 本作の重要点は、
 ・既発作品を含む全ての映像・音声のレストア・リマスタリング
 ・1994年の終了ライブ2daysの二日目に演奏された「GET WILD'89」が初映像化
 ・同日の「You Can Dance」、一日目の「RAINBOW RAINBOW」が再編集
 ・全10枚のうちボーナスディスク2枚、1枚は初商品化の1985年のツアー映像

 SONYはTM商売に関しては結構な前歴があるのですが(苦笑)、今回はなかなか、いやかなり頑張ってくれましたね。
 LD/VHS発売当時の1994年に、恐らくB'zの松本孝弘がゲスト出演した関係で(肖像権?)映像化されなかった「GET WILD'89」、映像化はされたものの松本の演奏カットがまったく入らない(ギターの音は聴こえる)「You Can Dance」が25年の時を経てようやく本来の形で世に出されるというのは感慨深いです。一方で「RAINBOW RAINBOW」の再編集は謎ですが(何か当時制約ありましたっけ?)。

 また、ライブ音源としては数曲商品化されてはいましたが、1985年の「DRAGON THE FESTIVAL TOUR」の日本青年館公演が映像作品として全16曲収録されるとは驚きです。これまでも周年時にリリースするチャンスがあったのに既存映像満載のダイジェスト映画ぐらいしか発表がなく、てっきり映像という形ではもう残っていないと思っていたので…。

 参考までに、彼らのEPIC在籍10年間でのライブツアータイトルと、映像化作品を対照させてみました(赤字は今回のBOXに収録される作品)。

1984年「DEBUT CONCERT」:映像未発売
1984年「ELECTRIC PROPHET」:「VISION FESTIVAL(journey to saga)」
1985年「DRAGON THE FESITVAL TOUR」:今回初商品化
1986年「TOUR'86 FANKS DYNA☆MIX」:「FANKS "FANTASY" DYNA-MIX」
1986年「FANKS "FANTASY" DYNA-MIX」:「FANKS "FANTASY" DYNA-MIX」
1987年「TOUR'87 FANKS! BANG THE GONG」:映像未発売
1987年「FANKS CRY-MAX」:「FANKS the LIVE 1」「2018 REMASTER」
1987〜88年「KISS JAPAN TOUR」:映像未発売
1988年「KISS JAPAN DANCING DYNA-MIX TOUR」:「FANKS the LIVE 2」
1988年「T-MUE NEEDS STARCAMP TOKYO」:映像未発売
1988〜89年「CAROL -A DAY IN A GIRL'S LIFE 1991-」:映像未発売
1989年「CAROL TOUR FINAL CAMP FANKS!! '89」:「FANKS the LIVE 3」「CAROL the LIVE」「CAROL DELUXE EDITION」
1990〜91年「RHYTHM RED TMN TOUR」:「WORLD'S END Rhythm Red Live I・II」
1991〜92年「TOUR TMN EXPO」:映像未発売
1991年「TMN WILD HEAVEN」:映像未発売
1992年「EXPO ARENA CRAZY 4 YOU」:「EXPO ARENA FINAL」
1994年「4001 DAYS GROOVE」5月18日:「final live LAST GROOVE 5.18」(1曲再編集有)
1994年「4001 DAYS GROOVE」5月19日:「final live LAST GROOVE 5.19」(1曲追加、1曲再編集有)

 こんな感じでしょうか。昨年リマスター盤を発売した「FANKS CRY-MAX」以外は全て収録。何度か出ている「CAROL」のアリーナ公演は2014年リリースの最新編集版が収録されるようです(YOKOHAMA ARENA 2014 EDITION)。

 気になるのはボーナスディスクの残り1枚の詳細。「1980年代の極めて貴重なライブ映像が収められる予定」(billboard JAPAN記事より)とのこと。20周年時のリマスターCD-BOXの特典DVDからのデビュー初期〜中期のライブ映像とかかな?と思いましたが、SONYの記事には初商品化ボーナスディスクと記載されているので、何が入るか期待と不安が入り混じります(89年の「FANKS the LIVE」の全巻購入特典で抽選配布されたライブ映像とか、その辺りが現実的ですかね…)。仮に「BANG THE GONG」か「KISS JAPAN TOUR」(共に1987年のブレイク期のツアー)が初映像化されたら狂喜乱舞なのですが(笑)。

 …という感じで何だかんだ言っていますが(苦笑)、5月の発売が今から楽しみです。

sasa0053 at 15:41コメント(0)MUSIC NEWS 

2019年03月03日

kan0 1987年にポリドールよりデビュー、1990年にシングル「愛は勝つ」でダブルミリオンに達する特大のヒットを放ち、その後はレコード会社移籍やフランスへの移住での活動休止、帰国後は楽曲提供や企画ユニットに参加する傍ら、マイペースなリリース活動とエンタメ性溢れる(笑)ライブ活動で地道に日本のミュージックシーンを渡り歩いているKAN。今回の「Artist Archive」は、そんな彼がかつて在籍したポリドール時代約10年の中から、前半にあたる1990年までにリリースされた全オリジナルアルバムを1作ずつレビュー。「続きを読む」からご閲覧ください。続きを読む

sasa0053 at 14:46コメント(0)Artist ArchiveCD Review カ行 

2019年02月24日

going20th 2018年12月12日発売、通算3作目となるGOING UNDER GROUNDのベストアルバム。2枚組全30曲収録。

 メジャーデビュー5周年時、武道館公演を目前にしての2006年に1作目、CDデビュー10周年時の2008年に2作目のベストアルバムを、当時所属のビクターからそれぞれリリースしている彼ら。その後、五人いたメンバーのうち二人が脱退、レコード会社を移籍、さらにインディーズに移行し、所属事務所からも離れるという激動史を経て新体制となって約10年。通常のリリース活動やライブの他にも特設サイトを作り、初期作3枚のセルフカバーアルバムを制作するなど精力的に活動を続けてきた2018年の締めくくりとして、ファーストCD「Cello」のリリースからちょうど20年を経た12月12日に20年間の活動を総括したオールタイムベストをリリース。ビクター、ポニーキャニオン、インディーズレーベルといったレーベルの枠を超え現メンバー三人が選曲、加えて今まで一般流通されていなかった「parade」「Winding Road」の2曲が初CD化。全曲リマスター仕様となっています。

 収録順は時系列順。DISC 1は1998〜2006年の途中までを選曲。この収録範囲は過去の2作のベストと完全に被っており、3曲目の「グラフティー」以降は本作同様メンバー選曲だった1作目のベストとほぼ重複の内容なので正直真新しさはなし。それでも1曲目の「チェロ」のいかにも当時のインディーズ、といった演奏・歌唱技術の荒々しさからのスタートから、メジャーデビューを果たすと共に楽曲も演奏もどんどん垢抜けていき、今でも一般的にも彼らの代表曲と呼ばれ続ける「トワイライト」、かつて呼ばれた青春センチメンタルバンド(?)ド直球の「ダイアリー」「ハートビート」「サンキュー」「同じ月を見てた」、最大ヒットの「STAND BY ME」あたりが連発される中盤からの流れは最高。後年ボーカルの松本素生はこの辺りの曲をインタビューで「一番売りに走っていた時期」的な発言をしていて若干ショックだったのですが(苦笑)、それでも本作では選曲してくるあたり、彼らの歴史上大事な曲だということなのでしょう。ベスト初収録となった5thアルバム曲「パスポート」もシングル級の名曲だと思っていたので、この機会に陽の目を見て個人的に嬉しいところです。

 DISC 2は2006年の途中から2017年までを選曲(2018年のシングルやアルバムからの選曲はなし)。こちらは万遍なく選曲していたDISC 1とは異なり、キーボードの伊藤洋一が在籍していた2009年春までの3年間(1〜5曲目)と、四人編成時代の2015年初頭までの5年間(6〜8曲目)、ドラムスの河野丈洋が脱退して三人になったそれ以降3年間(9〜15曲目)と、四人時代あまりに選ばなさすぎ、三人時代選びまくり、という偏ったラインナップ。四人時代の選曲がポニーキャニオン移籍1年目のシングル2作(+今回初収録の「Winding〜」)のみというのも極端っぷりに拍車をかけている印象がしてしまうのですが、これもメンバーにとっては近年のインタビューで度々発言している「四人時代は辛いことが多すぎて思い出したくないようなことばかり」(大意)だった時期だそうなので、メンバーが主観的に選曲したという要素が最も色濃く出ている部分だと思いますが、筆者としては末光篤とのコラボなどは好印象だったので選曲漏れしてしまったのは残念。とはいえ新体制後の初シングルでアルバム初収録となった「もう夢は見ないことにした」を始め、「Teenage last」「あたらしい」といったアルバムリード的な佳曲はしっかり選ばれており、現状のゴーイングの順調さを見せてアルバムを締めた点は良い流れですし、帯にあった「入門編としても完璧!」という煽り文も(メンバーにとっての迷走期をカットしたという意味で)納得の内容になっていると思いました。

 以上のように選曲的にはメンバーの意志が読み取れるベストアルバム。歌詞ブックレットには現メンバーの下に「ex.GOING UNDER GROUND」として伊藤・河野の両名の名前が記載してあったり、彼らの脱退後にレコーディングに参加した橋口靖正(故人)をはじめとしたミュージシャンの名前があったりという配慮が嬉しい一方、クレジットの誤植(「Teenage last」の歌詞が…)が見受けられるなどアチャーな部分も見受けられる(2作目のベストの時もやらかし誤植の前歴あり)のが玉に瑕?イメージとしては1作目のベストのやり直し拡大オールタイムという感じなので、これからゴーイングを聴きたい人には現時点では一番適したアイテムだと思われます。

sasa0053 at 20:44コメント(0)CD Review カ行 

2019年02月17日

deenmirai 2019年2月6日発売、DEEN通算47作目のシングル作品。スペシャルパッケージ+DVD付きの初回生産限定盤仕様、ボーナストラックが1曲追加されたCDのみの通常盤仕様の2形態で発売。本エントリーは初回生産限定盤のレビューとなります。

 表題曲「ミライからの光」は、「夢であるように」(1997年)、「永遠の明日」(2008年)に続くテイルズシリーズ「テイルズ オブ ザ レイズ フェアリーズ レクイエム」のテーマソングに起用。であると同時に、昨年の3月にギターの田川伸治が脱退し、池森・山根の二人体制になっての初のCDパッケージ音源。レコーディングメンバーも歌詞カードに詳しく表記されていますが、「ミライ〜」は昨年夏からサポートメンバーとして加わったギタリスト・侑音がアレンジも担当。リズム隊のサポート2名も新たに刷新され、そのままレコーディングに参加している模様。なお、ストリングスチームの顔触れは従来とほぼ変わらずのようです。
 楽曲はタイアップ先を意識したのか、過去二作のタイトルが織り込まれていたり、「世界が変わる瞬間」や「僕らを乗せた星」など、普段DEEN(池森)の作品からはあまり見られないスケールの大きな歌詞が特徴。山根作のメロディーのほうも近年の朗らか系(?)とは距離を置いたシリアスなメロディーライン。そしてアレンジは前述のギタリストが手掛けているものの、ギターの存在感がこれまでと比べてだいぶ薄いバンドサウンド(間奏も田川在籍時では恒例のギターソロではなくバイオリンソロ)という、これが新生DEENの方向性になるのか、タイアップもあり今回だけが特別なのかは分かりませんが、「ちょっと変わったな」という印象は受けました。

 カップリングの「離さない君を、離れない僕は。」は山根作・編曲。ロングトーンの普遍的なラブバラードというDEENの十八番ですが、この曲では古井弘人がピアノを担当。キーボードの山根がいるのにピアニストが招かれる、というのはAOR期以来?という意外性あり。以上2曲のoff vocal versionを挟んで、ボーナストラックとして「永遠の明日」のテイルズ オブ ハーツ Versionが収録。ゲーム用の2分程度のショートサイズで、オリジナルよりもキーが半音上がり、ミックスもかなり異なるというアナザーバージョンですが、過去にCD音源化はされているのでまあオマケですね。なお、通常盤ではさらに1曲「夢であるように」のテイルズバージョンのパチスロ用新録テイクが収録されています(過去に映像付きのDVDで音源化済。CD化は初)。

 DVD「Journey to the light 〜DEEN in Taiwan〜」は、タイトル通り、本作、そして来月発売のニューアルバム用のジャケット撮影で訪れた台湾でのロケを追った13分の映像。スチール撮影の他は観光地を回っている映像がメインで、妙にテンション高くスマホで写真を撮りまくる池森、対してナチュラルに観光を楽しむ山根、という両者のコントラストが面白いといえば面白いのですが、二人体制になったことでの新たな決意表明といったような映像はなく、本当に撮影と観光と食事してるだけ(笑)という映像が続くので、例えばテイルズファンで本作をパッケージ購入されるような方は、こちらではなく600円ほど安い+ボーナス1曲の通常盤でよろしいかと。

sasa0053 at 21:17コメント(0)CD Review タ行 

2019年02月11日

moriguchibest 今年初の「今週の1枚」は、本ブログではちょっと珍しいタイプのシンガーの作品で始めたいと思います。1995年11月22日発売、当時も今も歌手としてよりもバラエティタレントとしての露出で有名(?)な、森口博子の通算4枚目のベストアルバム「Best of My life -Moriguchi Hiroko Single Selection-」をご紹介。

 90年代前半から中盤にかけて、バラドル(=バラエティアイドル)としての活動全盛期を迎えていた森口博子ですが、元々は純粋なアイドルシンガーとして、1985年にアニメ・機動戦士Zガンダムの主題歌「水の星に愛をこめて」でデビュー。この曲はアニメ人気と相俟ってヒットになったのですが、その後の作品はセールス的に低迷していたこともあり、徐々に歌手としてではなく、バラエティもこなせるアイドルタレントとしての活動にシフトし、一定の知名度を上げてきた1991年、再びガンダムシリーズの映画主題歌として「ETERNAL WIND 〜ほほ笑みは光る風の中〜」が起用され、現在に至るまでの本人の最高売上を記録。この時は曲の良さも勿論ありますが、ガンダム人気+森口の知名度との相乗効果もあったロングセラーだったと記憶しています。その後は90年代中盤を過ぎる頃までは大きなヒットはないものの、シングルで10万枚程度をコンスタントに売り上げ、「夢がMORI MORI」という看板番組を持つなど、歌手としてもタレントとしてもバランスの良い活動を続けてきました。そして満を持してリリースされた本ベストは、彼女がこの時点まででリリースしてきた全20枚のシングルの中から15曲を選曲し、リマスターを施した、タイトル通りのシングルセレクションとなっています。

 ざっと内容を紹介すると、収録順は時系列ではなく、緩急の流れを感じさせる曲順。冒頭に車のCMソングとしてオンエアされ自身の2番手ヒットとなった「もっとうまく好きと言えたなら」を配置、続いてDual Dreamとのコラボシングル「Let's Go」広瀬香美からの楽曲提供で広瀬自身もカバーした「LUCKY GIRL 〜信じる者は救われる〜」と、まずはアッパーチューンで攻め。前述の「水の星に〜」を通過した後はミディアム〜バラードゾーンへ。1986年作品なのでやたら声が若い「Still Love You」、80年代末リリースにしてアーリー90'sサウンドを予感させる(?)「夢の合鍵」などでしっとりと聴かせた後、当時PRINCESS PRICESSの奥居香が提供した「スピード」から曲名通りに加速。現在は日本を代表するアレンジャーとして名を馳せる本間昭光のほぼ無名時代の編曲作品「誘惑してよね夏だから」(ラテン風)「あなたのそばにいるだけで」(アロハ風)を経由し、最大ヒットのバラード「ETERNAL〜」、最後に当時の最新シングル「あなたといた時間」で締めるという、ライブを意識した構成が光っています。

 さて、このベストを聴いて思うことですが、森口博子はデビュー時から当時に至るまで、かなり良質の楽曲を提供してもらっている…というか、制作スタッフにかなり恵まれているのが、上述の提供関係者を挙げるだけで一目瞭然。まあDual Dreamも広瀬香美もかなり自身の作品に寄せている感じだし、奥居香提供の「スピード」「ホイッスル」の2曲に至っては生バンドアレンジということもあり、ボーカルを奥居にすればまんまプリプリじゃん、という感じで(笑)提供者寄りの楽曲カラーになっている点は否めないのですが、森口のボーカルはあまり特徴的な声質ではないものの、当時のアイドルの中では上手い部類に入り、与えられた曲にはバンドサウンドから打ち込みバラードまで、順応性をもって対応できているところは好印象。秋元康が作詞を手掛けた「夢がMORI MORI」などは今回改めて聴いて何なんだこの歌詞?!と思ったのですが(苦笑)彼女が元気気味に歌うと許せてしまう雰囲気を作っていけるのは築いたキャラクターのおかげでしょうか。また、同じレコード会社繋がりなのでしょうが、「ETERNAL〜」を提供し、93年には正式に歌手デビューを果たした西脇唯が関わった楽曲(本作では5曲収録)は秀逸なものが多く、提供作家としての西脇の実力もしっかりと見せつけられました。

 全20枚のシングルのうち、漏れた5曲はいずれも90年までの作品(91〜95年のシングルはすべて収録)ということもあり、良い意味での「90年代中盤までのJ-POP(ガールポップ)の幕の内弁当」的な本作品。ちょうど「夢MORI」終了直後のリリースということもあって、彼女の活動全盛期のひと区切り、という感じだったのでしょうか、以降はシングル・アルバムリリースとも落ち着き、アニバーサリー的なベストアルバムを連発するようになってしまうので歌手活動としては第一線を退いた感があり、森口が歌手としてコンスタントに活動していた、というのをリアルタイムで知る世代というのも筆者ぐらいの年代がもしやギリギリ…?という感覚に時代の流れを感じてしまいますが、数ある彼女のベストアルバムでどれか1枚、と言われれば、現在中古屋で結構安く買えるということもありますが(汗)、良質のポップスが約70分にわたってぎっちり詰め込まれた本作を強くお薦めいたします。

sasa0053 at 15:28コメント(0)今週の1枚CD Review マ行 

2019年02月03日

askasceneaskascene2
 2018年11月21日同時発売、1988年、1991年にそれぞれ発売されたASKAのソロアルバムをリミックス・リマスター、高音質UHQ-CD仕様で再発したある意味「新譜」の2枚のオリジナルアルバムを今回は1エントリーでご紹介。

 チャゲアスの活動と並行しながらソロ活動を行っていた当時のASKAが、先行シングルを含む新曲+過去に作家として提供した楽曲をセルフカバー、という形でアルバムとしてリリースしていた2枚の「SCENE」シリーズ(シリーズとしては2005年に第3弾がリリースされましたがそちらは純粋なASKAのソロアルバム)。どちらも何度か再発されましたが、リマスター「だけ」をされたのは2005年の1回のみ。今回は「Producer for Remix」という肩書きでASKAの名前が、そしてリミックスエンジニア(2枚とも担当者が別)、マスタリングエンジニア(こちらは同一)の名前がそれぞれ表記。ASKAが監修して各エンジニアが作業を行った、という行程だったようです。ジャケット写真も新撮、遡ること一ケ月前の2枚のベストアルバムと同じデジパックジャケットと、2作品とも体裁は同一。なお、「SCENE」には今回ボーナストラックとして、アルバム未収録だったカップリング曲「大人じゃなくていい」がリミックスされてラストに追加収録で、こちらはCD音源化としては初収録になります。

 そのリミックスに関しては、原盤の演奏を抜き差ししたり、演奏時間を増やしたりするわけではなく、曲のサイズは原型のまま各楽器の鳴り具合や聴こえ方のバランスを変更、一番分かりやすいところではボーカル、ドラムにかかっていたリバーブをだいぶ薄くし、現代風に調整した、といったところ。例えば「SCENE」では「MIDNIGHT 2 CALL」では冒頭の秒針の音をカット、サビのハモリコーラスの音量を上げ、途中から入ってくるエレキギターの音も強めに。「SCENE II」では「けれど空は青〜close friend〜」で全体的にかけられた重厚なリバーブをほぼカットして各楽器の分離をはっきりさせた、などの違いがあります。リミックスといっても極端な変更は一切なく、原盤から時代性を取り除いた、という意味で純粋に音の違いを楽しむアルバムと言えるでしょう。

 ただ、どちらの作品も収録楽曲は全曲ほぼバラード尽くし…という、チャゲアス本体とASKAソロとの一線を引いていた時期らしいアルバムで、これ以降のASKAソロでの「ひとりチャゲアス」状態のアルバムと比べると敷居が高め。「SCENE」では6曲目のタイトル曲あたりで、「SCENE II」では「けれど空は青〜」が2曲目にしてクライマックス感が満載なので、両アルバムとも1枚通して聴くのがちょっと辛い、という感想は原盤もリミックス盤も同様(苦笑)。元々コア向けだったと思われるアルバムなので、直近のベスト等を聴いてASKAソロに興味を持ったライトリスナーが次にこれを聴くのはあまりお薦めできないかも、と思いました。

sasa0053 at 11:45コメント(0)CD Review ア行 

2019年01月27日

deing 2018年12月5日発売、同年に創設40周年を迎えた音楽制作集団・ビーイングが90年代中盤〜後半にかけて手掛け、大ヒットした楽曲を現在所属アーティストであるDAIGOがカバーした企画アルバム。全11曲収録。CDのみの通常盤、MVを収録したDVD付きの初回盤A、ライブ映像を3曲収録したDVD付きの初回盤Bの三種で発売。本レビューは通常盤となります。

 発売直後の本作制作の経緯のインタビューなどはこちらを参照。黄金期のヒット曲をカバーするということでなのか、ビーイング総帥の長戸大幸が直々にサウンドプロデュースを担当。選ばれた楽曲はWANDS、ZARD、T-BOLAN、DEENなどの90年代前半に大ブレイクを果たしたアーティスト達の著名曲がズラリ(特にビーイングブーム真っ只中の1993年の作品が5曲と圧倒的)と並ぶのは、当時を知る身としては納得かつ圧巻のラインナップ。DAIGOのボーカルは、オリジナルの各シンガーに比べると声質の高音域が高めだと思うのですが、「もっと強く抱きしめたなら」(WANDS)、「君が欲しくてたまらない」(ZYYG)、「甘いKiss Kiss」(REV)などのロック系楽曲には違和感なくジャストフィット。一方で女性ボーカルものや、原曲のボーカルが真っ直ぐな「突然」(FIELD OF VIEW)などでは彼のクセのあるボーカルでは若干の違和感を感じたりも。

 そんな中、本作の目玉は原曲を歌っていた先達のビーイング所属シンガーがフィーチャリングゲストとして参加していること。「離したくない」では森友嵐士(T-BOLAN)が、「あなただけ見つめてる」では大黒摩季が、そして「このまま君だけを奪い去りたい」では池森秀一(DEEN)がDAIGOとデュエットまたはコーラスという形でそれぞれ競演。三者とも原曲当時とは大なり小なり声色は変わっていますが、オリジナルシンガーの存在感を存分に示している内容に。筆者としては池森が原キーで「このまま〜」を25年振りに(一部分とはいえ)レコーディングするというのが大ニュースでした。このお三方、最後の「果てしない夢を」(ZYYG,REV,ZARD&WANDS)にも参加しているのですが、原曲では森友、池森は不参加、大黒はコーラスでの裏方参加だったので、DAIGOと共にメイン部分を熱く歌い上げるパフォーマンスには感動してしまいました。

 DAIGO自体には先述のインタビューに加え、リードMVの「もっと強く〜」をオリジナルと同じ場所で撮影したり、T-BOLANの「HEART OF STONE」を模倣したCDジャケットなど、黄金期ビーイングへのリスペクトが最大限に感じられ好印象なのですが、オケ制作には数年前にZARDのリアレンジアルバムで名前の出たd-projectの面々が起用され、基本的にはギター以外は原曲をトレースしたようなプログラミング、しかも妙に機械的な側面の目立つ打ち込みバンド仕様なのには何か意図があったのか…?と思わせるB級感がアリアリ。編曲に長戸総帥(+鶴澤夢人)の名が連ねてあるのにこの点はやや残念。当時のビーイングブームを体感したからこそそう感じてしまうのかもしれませんが、せっかく新旧のビーイングシンガー達が熱い競演を見せてくれているのだから、バックトラックももう少し捻っても良かったのではないかな、と思いました。

sasa0053 at 16:28コメント(0)CD Review タ行 

2019年01月19日

access8 TMNのサポートメンバーとして実績を重ねていたキーボーディスト・浅倉大介と、彼のソロアルバムでのゲストボーカルでの参加をきっかけに知り合ったシンガー・貴水博之。この二人がユニット・accessを1992年に結成。その後、活動休止、各ソロ活動を経て再始動し、現在は断続的に活動を続けて今年で結成27年目を迎えます。今回の「Artist Archive」では、彼らが最も精力的に活動していたファンハウス在籍期(1992〜1995年、非公認作はそれ以降も)にリリースした全アルバムを一気にレビュー。「続きを読む」からご閲覧ください。続きを読む

sasa0053 at 17:40コメント(0)Artist ArchiveCD Review ア行 

2019年01月14日

deensolo 2018年12月26日発売、2017年大晦日から2018年元旦にかけてZEPP TOKYOにて行われたDEENのカウントダウンライブの模様を全曲収録した映像作品。通常盤DVDと完全生産限定盤Blu-rayの2種で発売され、Blu-ray盤には各ソロステージで演奏された楽曲のスタジオレコーディング版を収録したプレミアムCDが付属。本エントリーはBlu-ray盤のレビューとなります。

 前年まで三年連続でマイナーな曲に光を当てるマニアックナイトが続いていたDEENのカウントダウンライブ。この年は趣向を変え、池森・山根・田川の三人のソロステージ(形態は常時のサポートメンバーを固定し、池森と山根のステージには+αのゲストを加えて各5曲ずつ)+DEENのライブを一公演で行うというこれまでにない試み(DEENのライブの前座に山根や田川のソロステージがあったカウントダウンライブは過去にありましたが、ここまで本格的な各ソロステージは初めて)。更に2018年の年明け早々に田川が脱退を表明したため、本商品のキャッチコピーの通り「二度と再現できない一夜限りのプレミアムナイト」に。先に田川ラストステージの武道館公演が映像化されたので、本公演の商品化は幻か…と思われましたが、ここへ来てようやくリリースの運びとなりました(なぜこのタイミングで?という気持ちはありますが・苦笑)。

 まず池森ソロ。AOR期に深く関わっていた大平勉(Key)や、Gary Scott(Sax)らを演奏陣に迎え、ライブ冒頭出演ということもあって小洒落たインストで幕を開けるなど、健全一直線だった近年とは一線を画した大人っぽいステージ。池森もこの時だけはなぜか髪を金髪にし、SHU名義だった「SHA LA LA LOVE YOU」「ANOTHER LIFE」を生バンドで演奏するなどライブハウスというよりもビルボードっぽい雰囲気でなかなかに新鮮。この路線、今後のDEENにも少し持ち込んだらいいのに…と思うのは筆者だけでしょうか。

 続く山根ソロは、かつて山根と同じバンドに在籍し、近年ではDEENの編曲にも携わっている古井弘人(元GARNET CROW)が鍵盤を担当し、全体的には山根 feat.古井といった感じのステージを展開。何度か映像化されている「空色ソーダ」以外はファンクラブ限定のミニアルバムからの曲や、この時点では未CD化の曲を披露するなど、マニアックナイト以上にマニアックな内容(笑)。長尺のソロステージには慣れていないのか最初は歌唱に若干のバタつきはありましたが、山根独自のカラーが良く出ていたライブでした。

 田川ソロは特にゲストを迎えず、宮野和也(Ba)、HIDE(Dr)+同期というDEENの通常ライブでのソロコーナーと同じ編成。THE SONIC TRICK名義でのナンバーも披露されましたが、選曲がバラードの「MEMORIES OF THE PAST」だったり、DEENのアルバム収録のソロ楽曲の中でも「Emerald Ocean」などの比較的ロック色の薄い曲を今回はセレクトしており、全編ハードな曲が来ると思っていたので意表を突かれました。田川のギター演奏は普段のライブよりもワイルド…というか、心のままに弾きまくっている感じで、この直後に脱退宣言することを思うと何やら複雑な気持ちになってしまうのはファンの性ゆえかも。

 大トリのDEENは日付を挟んでの実質の二部構成。年内は最新アルバム「PARADE」からの楽曲を5曲、バンドスタイルでの演奏。このアルバムを引っ提げた47都道府県ツアーではアルバム曲のほとんどは演奏されなかったらしいので、ここでの映像は今後のことも考えるとかなり貴重。年が明けると旧作からのロックメドレー。シングルは「千回恋心!」ぐらいで歴代のアルバム盛り上げ曲からの選曲がメイン。アンコールでは出演者がほぼ集合しての「Dance with my Music」で締めと、皆で盛り上がってワイワイ騒ぐLIVE-JOYの陽の部分が前面に出されたセットリストでまあ満足といったところ。

 特典のプレミアムCDは前述の通り、各ソロでの演奏曲のスタジオ版全15曲を収録。NEW MIXを含む全曲リマスタリングとのことですが、山根の3曲が新たに手を加えられた表記がある以外は詳細なクレジットがなく、どの曲がMIX変更されたのかは不明。基本的には既存音源になりますが、後日リリースの25周年ベストのファンクラブ限定盤のみの特典アルバム「DEEN The LAST」からの抜粋もあるので買い逃したリスナーには嬉しい配慮かも。

 構成・選曲共にマニアックナイトとはまた違った、完全コアファン向けの映像作品。今回は特典も同内容のライブCDではないので、CD付きのBlu-ray盤をお薦めいたします。

sasa0053 at 18:10コメント(0)DVD Review 
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